前回のキング・クリムゾンに対して mossforester3 さんから “「21世紀の精神異常者」は「USA」のジョン・ウェットンver. が「宮殿」のグレッグ・レイクver. を凌ぐ” という趣旨のコメントをいただき、それが私のスキッツォイド熱(?)を再燃させた。最初はクリムゾンのヴァージョン違いだけを聴き比べてコーフンしていたのだが、それが高じて手持ちの色んなカヴァー曲まで引っ張り出してきてアレコレ聴いているうちに例のメロディーが頭の中で鳴り止まなくなり、ついに「21世紀の精神異常者」ばかりを詰め込んだ自家製コンピ CD-R まで作ってしまった。早速今朝の通勤BGMに選んだのだが、朝っぱらから車内大音響で60分間フルタイム聴くスキッツォイド・マ~ン♪って、これがもうめちゃくちゃ楽しすぎて当分病み付きになりそうだ(^o^)丿 きっかけを作ってくださった mossforester3 さんに大感謝である。ということで、今日は「21世紀の精神異常者」特集です。
※私の知らない間にこの曲の邦題が「21世紀のスキッツォイド・マン」に変わってしまっていた。どうせまたアホな言葉狩りを恐れてヘタレのレコード会社が改題したのだろうが、あの歌詞の一体どこに差別を助長する要素があるというのだろう? 今更 “スキッツォイド” などという医学用語をカタカナ表記にしてみたところで何が変わるというのだろう? ハッキリ言って偽善臭くて鬱陶しいだけだ。ということで、このブログでは由緒正しいオリジナル邦題「21世紀の精神異常者」で押し通させていただきます!
①King Crimson
この曲はスーパーウルトラ愛聴曲なので、これまであまり深く考えずに「宮殿」も「USA」も両方楽しんできたのだが、いざ聴き比べてみるとコレが甲乙付け難い。mossforester3 さんが仰るようにヴォーカルに関しては僅差でウェットンなのだが、マイケル・ジャイルズのドラミングが超越的に素晴らしいのと、ピンク・アイランド盤の音の素晴らしさ、そして初めて聴いた時の衝撃度や思い入れの深さから、自分としては「宮殿」ヴァージョンに一票を入れたいと思います。
King Crimson - 21st Century Schizoid Man (album version)
King Crimson - 21st Century Schizoid Man - 1974 Live
②シーズン
「21世紀の精神異常者」のカヴァーでダントツに気に入っているのがコレ。このシーズンは5人のうら若き女性達から成るストリングス・ユニットで、雰囲気としては以前ビートルズ・カヴァーで取り上げた1966カルテットに相通ずるものがあるのだが、その演奏は見た目とは裏腹にめちゃくちゃハードボイルド。私は昔からヴァイオリンの音色がどうも苦手で、大好きなジプシー・ジャズでさえもヴァイオリン抜きの演奏を選り食いして聴いているくらいなのだが、この「21世紀の精神異常者」を初めて聴いた時は最初の数秒で完全KOされた。原曲に潜む狂気のようなものをクラシックの弦楽器であるヴァイオリン、チェロ、コントラバスを使って力強く表現しているのが凄いし、何よりもその緊張感溢れるユニゾンが実にスリリングで、高度なテクニックに裏打ちされたダイナミックなプレイは何度聴いても鳥肌モノ。ロバート・フリップにぜひとも聴かせたいクリムゾン・カヴァー史上屈指の大名演だ。
Seasons - 21st Century Schizoid Man
③Entombed
数年前のこと、リビングで寛いでいると隣の母の部屋からいきなりこの「21世紀の精神異常者」が聞こえてきた。ビックリして見に行くと、TVで大食い選手権みたいな番組をやっており、そのBGMがコレだった。すぐにUSアマゾンで曲名検索して判明したのがこのエントゥームドというバンド。そんなアンダーテイカーみたいな名前は全く聞いたこともなかったので調べてみると90年代に活躍したデスメタル・バンドとのこと。私は90年代ロックもデスメタルも大嫌いだが、このトラックだけは好き。名曲はジャンルを超えるの格好の見本と言えるだろう。ネットでアルバムを試聴したら他の曲はすべてゴミだったので、 YouTube から DL したものを CD-Rに焼いて楽しんでいる。
Entombed - 21st Century Schizoid Man (cover)
④Crimson Jazz Trio
高い演奏力を持ったプレーヤー達の火花が散るようなインプロヴィゼイションの応酬というジャズのイディオムをプログレの世界に適用し、危ういバランスの上でギリギリの緊張感をもって音楽をザックザックと切り刻んでいったのがキング・クリムゾン。このクリムゾン・ジャズ・トリオは第2期クリムゾンのドラマーであるイアン・ウォーレスを中心に結成されたピアノトリオで、元々ジャズ的要素が強いクリムゾン・ナンバーを自由な発想と大胆なアレンジでスリル満点のヨーロッパ風ピアノトリオ・ジャズに仕上げている。0分33秒でいきなり炸裂するブラッシュのシュパッ!! という音には思わずのけぞってしまった。尚、このCDは既に廃盤になっており鬼のようなプレミアが付いているが、YouTube で簡単に楽しめるのでジャズ・ファンの方は第2集共々聴いてみて下さいな。
Crimson Jazz Trio - 21St Century Schizoid Man
⑤California Guitar Trio
厳密にいうとコレはドリフで有名なあの「ズンドコ節」に過激なスキッツォイド・アレンジを施したものなのだが、何と言っても邦題が「21世紀のズンドコ節」(原題は Zundoko Bushi )とくればコレはもうこのブログで取り上げないワケにはいかない。このカリフォルニア・ギター・トリオ(CGT)はロバート・フリップに見い出された3人から成るギター・ユニットで、プログレ・ナンバーからベンチャーズ、クイーンに至るまで様々な楽曲をユニークなアレンジで聴かせてくれるのだが、やはりフリップに因んだこの曲は外せない。尚、リズム隊は80'sクリムゾンのトニー・レヴィン(b)と90'sクリムゾンのパット・マステロット(ds)だ。
California Guitar Trio
【おまけ】心の広いクリムゾン・ファンの方に...
山寺宏一 - 21世紀のリサイクルマン
※私の知らない間にこの曲の邦題が「21世紀のスキッツォイド・マン」に変わってしまっていた。どうせまたアホな言葉狩りを恐れてヘタレのレコード会社が改題したのだろうが、あの歌詞の一体どこに差別を助長する要素があるというのだろう? 今更 “スキッツォイド” などという医学用語をカタカナ表記にしてみたところで何が変わるというのだろう? ハッキリ言って偽善臭くて鬱陶しいだけだ。ということで、このブログでは由緒正しいオリジナル邦題「21世紀の精神異常者」で押し通させていただきます!
①King Crimson
この曲はスーパーウルトラ愛聴曲なので、これまであまり深く考えずに「宮殿」も「USA」も両方楽しんできたのだが、いざ聴き比べてみるとコレが甲乙付け難い。mossforester3 さんが仰るようにヴォーカルに関しては僅差でウェットンなのだが、マイケル・ジャイルズのドラミングが超越的に素晴らしいのと、ピンク・アイランド盤の音の素晴らしさ、そして初めて聴いた時の衝撃度や思い入れの深さから、自分としては「宮殿」ヴァージョンに一票を入れたいと思います。
King Crimson - 21st Century Schizoid Man (album version)
King Crimson - 21st Century Schizoid Man - 1974 Live
②シーズン
「21世紀の精神異常者」のカヴァーでダントツに気に入っているのがコレ。このシーズンは5人のうら若き女性達から成るストリングス・ユニットで、雰囲気としては以前ビートルズ・カヴァーで取り上げた1966カルテットに相通ずるものがあるのだが、その演奏は見た目とは裏腹にめちゃくちゃハードボイルド。私は昔からヴァイオリンの音色がどうも苦手で、大好きなジプシー・ジャズでさえもヴァイオリン抜きの演奏を選り食いして聴いているくらいなのだが、この「21世紀の精神異常者」を初めて聴いた時は最初の数秒で完全KOされた。原曲に潜む狂気のようなものをクラシックの弦楽器であるヴァイオリン、チェロ、コントラバスを使って力強く表現しているのが凄いし、何よりもその緊張感溢れるユニゾンが実にスリリングで、高度なテクニックに裏打ちされたダイナミックなプレイは何度聴いても鳥肌モノ。ロバート・フリップにぜひとも聴かせたいクリムゾン・カヴァー史上屈指の大名演だ。
Seasons - 21st Century Schizoid Man
③Entombed
数年前のこと、リビングで寛いでいると隣の母の部屋からいきなりこの「21世紀の精神異常者」が聞こえてきた。ビックリして見に行くと、TVで大食い選手権みたいな番組をやっており、そのBGMがコレだった。すぐにUSアマゾンで曲名検索して判明したのがこのエントゥームドというバンド。そんなアンダーテイカーみたいな名前は全く聞いたこともなかったので調べてみると90年代に活躍したデスメタル・バンドとのこと。私は90年代ロックもデスメタルも大嫌いだが、このトラックだけは好き。名曲はジャンルを超えるの格好の見本と言えるだろう。ネットでアルバムを試聴したら他の曲はすべてゴミだったので、 YouTube から DL したものを CD-Rに焼いて楽しんでいる。
Entombed - 21st Century Schizoid Man (cover)
④Crimson Jazz Trio
高い演奏力を持ったプレーヤー達の火花が散るようなインプロヴィゼイションの応酬というジャズのイディオムをプログレの世界に適用し、危ういバランスの上でギリギリの緊張感をもって音楽をザックザックと切り刻んでいったのがキング・クリムゾン。このクリムゾン・ジャズ・トリオは第2期クリムゾンのドラマーであるイアン・ウォーレスを中心に結成されたピアノトリオで、元々ジャズ的要素が強いクリムゾン・ナンバーを自由な発想と大胆なアレンジでスリル満点のヨーロッパ風ピアノトリオ・ジャズに仕上げている。0分33秒でいきなり炸裂するブラッシュのシュパッ!! という音には思わずのけぞってしまった。尚、このCDは既に廃盤になっており鬼のようなプレミアが付いているが、YouTube で簡単に楽しめるのでジャズ・ファンの方は第2集共々聴いてみて下さいな。
Crimson Jazz Trio - 21St Century Schizoid Man
⑤California Guitar Trio
厳密にいうとコレはドリフで有名なあの「ズンドコ節」に過激なスキッツォイド・アレンジを施したものなのだが、何と言っても邦題が「21世紀のズンドコ節」(原題は Zundoko Bushi )とくればコレはもうこのブログで取り上げないワケにはいかない。このカリフォルニア・ギター・トリオ(CGT)はロバート・フリップに見い出された3人から成るギター・ユニットで、プログレ・ナンバーからベンチャーズ、クイーンに至るまで様々な楽曲をユニークなアレンジで聴かせてくれるのだが、やはりフリップに因んだこの曲は外せない。尚、リズム隊は80'sクリムゾンのトニー・レヴィン(b)と90'sクリムゾンのパット・マステロット(ds)だ。
California Guitar Trio
【おまけ】心の広いクリムゾン・ファンの方に...
山寺宏一 - 21世紀のリサイクルマン
私の初「精神異常者」はNHKFMのBBCアムステルダムライブで、カセットの2次ダビングのヘビロテで完全に頭が染め上げられて、現在にいたります。The Night Watch が発売された時は夢かと思いました。
まあ歴史的墓碑銘に対するアングラ系の一矢とお聞き捨てください(笑)。
NightWatch のほうが音はきれいですが、中間のアドリブ戦は、甲乙つけがたいですね。インプロを延々とやるより、このくらい時間の制約があった方が名演になりますね。
シーズンすばらしいです。誰か裏にいるんでしょうか。
なお「お年寄り、生意気なガキ、行かず後家」には笑いましたが、スネークマンには及びませんね(笑)。
こちらこそ、スキッツォイド・フィーヴァー再燃のきっかけを作っていただき大感謝です。
通勤のお供にキング・クリムゾン、コレめちゃくちゃエエですわ。
朝からいきなりハイ・テンションで出勤してます(笑)
>インプロを延々とやるより、このくらい時間の制約があった方が名演になりますね
↑激しく同意! アドリブは濃い内容を短くキメるべし、というのが持論です。
シーズン、お気に召してよかったです。
主要なアレンジを手掛けているのは石坂慶彦という人で、
ネットで調べたら葉加瀬太郎氏の一派らしく、推薦文も氏が書いてます。詳細は↓
http://sound.jp/stonejaguar/profile.html
リサイクルマンも面白いでしょ?
クリムゾンとちり紙交換の口上を掛け合わせるというユニークな発想がお見事です。
スネークマンも懐かしいですね~ (^.^)
「これなんですか」と「警察だ!」が大好きでした。
オリジナルとは別の意味で。。
スネークマンも捨てがたい
洋邦問わず、今の音楽シーンには何の関心もありませんが
こういう斬新な発想のカヴァーはこれからもどんどん発掘していこうと思います。