
ザ・フーはビートルズ、ストーンズに次ぐブリティッシュ・ロック第3のバンドと言われながらも欧米での圧倒的な人気・ステイタスに比べると日本での認知度は不当なぐらいに低い。それは多分彼らがシングル・ヒット志向のグループではなく №1ヒットを持っていないため、洋楽をヒット・チャート(特に全米)という形で紹介することの多い日本の音楽風土の中で埋没してしまったからだろう。又、AC/DC のケースと同じように怒濤のようなタテノリ・グルーヴで聴く者を圧倒していくその演奏スタイルが、泣きのギターソロを好む日本のロックファンにイマイチ浸透しなかったのかもしれない。だから “ザ・フーって名前だけは知ってるけど曲は聴いたことがない” という人も多いのではないだろうか?
私が初めて彼らの名前を耳にしたのは洋楽を聴き始めてすぐのことで、何かの本の「ヘルター・スケルター」の曲目解説に “ザ・フーは誰よりもうるさいダーティーなロックンロール・ナンバーを作った、というメロディ・メイカー誌の記事(←「アイ・キャン・シー・フォー・マイルズ」の事らしい...)を読んだポールが、じゃあ自分も作るしかないと思ったのがきっかけで出来た曲” とあるのを読んで、天下のポール・マッカートニーにそこまでさせるザ・フーというバンドに興味を持ったのが最初だった。
運良くラジオの60's ビート・グループ特集みたいな番組で何曲かエア・チェックできたのだが、その中で気に入ったのが「マイ・ジェネレーション」と「サマータイム・ブルース」。今にして思えばこの時に “ザ・フーと言えばこの2曲” という刷り込み(?)が出来てしまったようで、バンドのイメージとしては現役バリバリというよりも “懐かしのビート・グループ” に近いモノがあった。
この頃の私はミュージック・ライフや音楽専科といった音楽雑誌の記事から貪欲にロックの知識を吸収しいったのだが、あいにくザ・フーが目立った活動をしていなかったこともあって、彼らに関して入ってくる情報と言えば、楽器を壊しまくるド派手なステージ・パフォーマンスのこととか、キース・ムーンの奇行であるとかといった、音楽以外のことばかりだった。
私がリアルタイムの新譜として彼らのアルバムを聴いたのは1978年の「フー・アー・ユー」が最初で、シングル・カットされたタイトル曲の “フゥ~ アーユー フッフッ フッフ~♪” というキャッチーなサビのコーラスが脳内リフレインしていた時期があった。今の耳で聴けばこの曲は「ババ・オライリー」から続くシンセ・サウンドを効果的に使ったアレンジの集大成のようなナンバーなのだが、洋楽ロックを聴き始めてまだ2,3年というド素人の私は、バンド名をタイトルに盛り込んで “アンタ一体誰なん?” を連呼するこの面白い曲を軽快なポップ・ロックという感覚で楽しんでいた。
真の意味で私が彼らの魅力に開眼したのは例の「カンボジア難民救済コンサート」を見た時で、あのコンサートの主役はポール・ファンの私の目から見ても間違いなくクイーンとこのザ・フーだったように思う。ユニオン・ジャックが一番似合うのは彼らだということをイギリスのファンはよく知っているのだ。NHK放送分は「ババ・オライリー」がカットされて3曲のみだったのが惜しまれるが、マイクをブンブン振り回すロジャーや腕をグルグル回してパワー・コードを弾き続けるピートのパフォーマンス(←人呼んで “風車奏法” って、ビル・ロビンソンかよ...)はめちゃくちゃカッコ良かったし、「シー・ミー・フィール・ミー」の後半部の異常なまでの盛り上がりようはまるでハマースミス・オデオン全体が揺れているような凄まじいノリの嵐。この思わず身体が動いてしまうようなグルーヴ感こそがザ・フーの本質であり、このライヴ映像を見ても何も心に湧き上がるモノがなければその人は所詮ザ・フーとは縁がなかったということだろう。とにかく私はこの時初めて彼らの凄さを垣間見れたように思う。
お調子者の私は早速 “あの感動をもう一度!” とばかりに名盤の誉れも高い「トミー」を借りてきて聴いてみたのだが、コレが全くの意味不明。そもそもロック・オペラって何なん?という感じでワケが分からないままに2枚組が終了。しかも78年にサウンドの要とも言うべきキース・ムーンを失ったザ・フーは80年代に入ってすぐに解散、私の中で彼らは再び “過去のバンド” になろうとしていた。
そんな私がザ・フーという名前を久々に耳にしたのはそれから約10年経った1993年のこと、大好きなヴァン・ヘイレンがライヴ・アルバム「ライト・ヒア・ライト・ナウ」でザ・フーの「ウォント・ゲット・フールド・アゲイン」(邦題:「無法の世界」)をカヴァーしたのだ。恥ずかしながらザ・フーのオリジナル・ヴァージョンを聴いたことはなかったのだが、ヴァン・ヘイレンのカヴァーを聴いてその圧倒的なグルーヴ感にシビレまくり、 “ザ・フーにこんなエエ曲あったんか!” と慌ててこの曲が入っているCDを買いに走ったのを覚えている。それがこの「フーズ・ネクスト」(1971年)であり、私的には文句なしにザ・フーの最高傑作アルバムなんである。(つづく)
Who Are You by The Who
The Who See Me Feel Me
【おまけ】相変わらずエディー凄っ!アレックスはムーニー憑依状態でノリノリやね(^.^)
Van Halen - Won't Get Fooled Again ( LIVE inside the 5150 studio )
私が初めて彼らの名前を耳にしたのは洋楽を聴き始めてすぐのことで、何かの本の「ヘルター・スケルター」の曲目解説に “ザ・フーは誰よりもうるさいダーティーなロックンロール・ナンバーを作った、というメロディ・メイカー誌の記事(←「アイ・キャン・シー・フォー・マイルズ」の事らしい...)を読んだポールが、じゃあ自分も作るしかないと思ったのがきっかけで出来た曲” とあるのを読んで、天下のポール・マッカートニーにそこまでさせるザ・フーというバンドに興味を持ったのが最初だった。
運良くラジオの60's ビート・グループ特集みたいな番組で何曲かエア・チェックできたのだが、その中で気に入ったのが「マイ・ジェネレーション」と「サマータイム・ブルース」。今にして思えばこの時に “ザ・フーと言えばこの2曲” という刷り込み(?)が出来てしまったようで、バンドのイメージとしては現役バリバリというよりも “懐かしのビート・グループ” に近いモノがあった。
この頃の私はミュージック・ライフや音楽専科といった音楽雑誌の記事から貪欲にロックの知識を吸収しいったのだが、あいにくザ・フーが目立った活動をしていなかったこともあって、彼らに関して入ってくる情報と言えば、楽器を壊しまくるド派手なステージ・パフォーマンスのこととか、キース・ムーンの奇行であるとかといった、音楽以外のことばかりだった。
私がリアルタイムの新譜として彼らのアルバムを聴いたのは1978年の「フー・アー・ユー」が最初で、シングル・カットされたタイトル曲の “フゥ~ アーユー フッフッ フッフ~♪” というキャッチーなサビのコーラスが脳内リフレインしていた時期があった。今の耳で聴けばこの曲は「ババ・オライリー」から続くシンセ・サウンドを効果的に使ったアレンジの集大成のようなナンバーなのだが、洋楽ロックを聴き始めてまだ2,3年というド素人の私は、バンド名をタイトルに盛り込んで “アンタ一体誰なん?” を連呼するこの面白い曲を軽快なポップ・ロックという感覚で楽しんでいた。
真の意味で私が彼らの魅力に開眼したのは例の「カンボジア難民救済コンサート」を見た時で、あのコンサートの主役はポール・ファンの私の目から見ても間違いなくクイーンとこのザ・フーだったように思う。ユニオン・ジャックが一番似合うのは彼らだということをイギリスのファンはよく知っているのだ。NHK放送分は「ババ・オライリー」がカットされて3曲のみだったのが惜しまれるが、マイクをブンブン振り回すロジャーや腕をグルグル回してパワー・コードを弾き続けるピートのパフォーマンス(←人呼んで “風車奏法” って、ビル・ロビンソンかよ...)はめちゃくちゃカッコ良かったし、「シー・ミー・フィール・ミー」の後半部の異常なまでの盛り上がりようはまるでハマースミス・オデオン全体が揺れているような凄まじいノリの嵐。この思わず身体が動いてしまうようなグルーヴ感こそがザ・フーの本質であり、このライヴ映像を見ても何も心に湧き上がるモノがなければその人は所詮ザ・フーとは縁がなかったということだろう。とにかく私はこの時初めて彼らの凄さを垣間見れたように思う。
お調子者の私は早速 “あの感動をもう一度!” とばかりに名盤の誉れも高い「トミー」を借りてきて聴いてみたのだが、コレが全くの意味不明。そもそもロック・オペラって何なん?という感じでワケが分からないままに2枚組が終了。しかも78年にサウンドの要とも言うべきキース・ムーンを失ったザ・フーは80年代に入ってすぐに解散、私の中で彼らは再び “過去のバンド” になろうとしていた。
そんな私がザ・フーという名前を久々に耳にしたのはそれから約10年経った1993年のこと、大好きなヴァン・ヘイレンがライヴ・アルバム「ライト・ヒア・ライト・ナウ」でザ・フーの「ウォント・ゲット・フールド・アゲイン」(邦題:「無法の世界」)をカヴァーしたのだ。恥ずかしながらザ・フーのオリジナル・ヴァージョンを聴いたことはなかったのだが、ヴァン・ヘイレンのカヴァーを聴いてその圧倒的なグルーヴ感にシビレまくり、 “ザ・フーにこんなエエ曲あったんか!” と慌ててこの曲が入っているCDを買いに走ったのを覚えている。それがこの「フーズ・ネクスト」(1971年)であり、私的には文句なしにザ・フーの最高傑作アルバムなんである。(つづく)
Who Are You by The Who
The Who See Me Feel Me
【おまけ】相変わらずエディー凄っ!アレックスはムーニー憑依状態でノリノリやね(^.^)
Van Halen - Won't Get Fooled Again ( LIVE inside the 5150 studio )