shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ウルグアイ盤特集①

2020-11-01 | Paul McCartney
 各国盤蒐集の世界は奥が深い。ちょうど昨年末くらいで音の良さそうな国のレコードは一通り手に入れて一段落したと思っていたのだが、考えが甘かった。今年に入ってからB-SELSで南ローデシア盤の存在を教えていただいて “まだまだ世界は広いなぁ...” と感心していたところに今度はチューブ・カットのウルグアイ盤である。例の「McCartney II」をお店で聴かせていただいた時の衝撃はここのブログに記した通りだが、HPの「日記」コラムを読んでそれなりにイメージしていた音を遥かに超えるその濃厚な音はまさに “百見は一聴にしかず” と言えるもので、その日家に帰ってからすぐにビートルズ関連のウルグアイ盤の情報収集に取り掛かったのは言うまでもない。
 しかし困ったことにガイド本「アナログ・ミステリー・ツアー」にも例の横野さんのレコード・コレクションHPにもウルグアイ盤など載っていないし、ネットでググってみても有益な情報がほとんどない。まぁ当然と言えば当然なのだが、「McCartney II」「Wings At The Speed Of Sound」「Wild Life」と3枚聴いて3枚とも当たりだったことを考えれば他の盤にも大いに期待が持てるので、大人しくここで引きさがるわけにはいかない。私は意を決して “ビートルズのウルグアイ盤蒐集” という道なき道を進もうと心に決めた。
 まず手始めにeBay でソロを含むビートルズ関連のウルグアイ盤を検索してみたところ、見たこともないジャケットが何種類も出てくるわ、タイトルがスペイン語で何のこっちゃ全然ワカランわでいきなり出鼻をくじかれる。それでもめげずに色々見ていくと「Help!」以降はUKと同じっぽいのだが、それでもレーベルが青、赤、薄水色と色々あってどれを買えばいいのかよく分からない。私はとりあえずビートルズ本体は後回しにして、メンバーのソロ・アルバムから狙っていくことにした。60年代プレスの南米のレコードはブラジル盤で懲りているのでどうしても懐疑的になってしまうし、何より実際に聴いて音が良かった3枚はすべて70年代プレスの盤だったからだ。
 私は一通り検討した結果、とりあえずポールの「Red Rose Speedway」と「Band On The Run」を買うことにした。南米からレコードを買う時は紛失の危険性が非常に高いので少々送料が高くても追跡可能な書留便にする必要があるが、この2枚はどちらも同じセラーが出しており、送料をケチりたい私のニーズにピッタリだったからだ。このセラーはとてもフレンドリーな人で、メールでやり取りをするうちに意気投合して(←この人はポールの大ファンで、モンテビデオ公演に2回行ったとのこと...)同じ送料($33)であと2枚は送ってあげれるよとのことだったので、ついでに「赤盤」も一緒に購入。1枚当たり送料$11なら御の字と言えるだろう。因みに3枚とも盤質VG+ で$50だったが、10%オフのオファーを快諾してもらってそれぞれ$45で買うことができた。
 それから9日後、いつものように仕事から帰るとリビングのテーブルの上にどデカい荷物が置かれていた。“何やろ?ノートパソコンの修理とか出した覚えないけどなぁ...” と訝しく思いながら差出人を見ると URUGUAY云々と書いてある。えーっ、もう届いたんかいな! 地球の裏側からやしコロナとかもあるしでてっきり1ヶ月ぐらいかかるもんやと思っていたのでビックリするやら嬉しいやら(^.^)
 早速梱包を解いてレコードを取り出す。まずは盤面チェックからだが、いきなり「Red Rose Speedway」のセンター・レーベルが剥がれていてビックリ。このあたりは南米らしいおおらかさということろだろうが、私としてはレコードの盤質さえ良ければレーベルが剥がれていようが書き込みがあろうが全然気にならない。とりあえずスティックのりで応急処置をして一丁上がり。他の盤も目視で気になるようなキズが無いので一安心だ。私はレーベルを貼りつけたばかりの「Red Rose Speedway」をターンテーブルに乗せて “どうかエエ音で鳴ってくれよ...” と祈りながら全神経を耳に集中した。 (つづく)
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