ウチのブルーレイ・レコーダーにはキーワードを登録しておくと関連番組をすべて自動で録画してくれるという便利な機能があって、情報収集が苦手な私は結構重宝している。少し前にNHKの「SONGS」という番組にB'zの松本さんが出演された回がハードディスクに録画されているのに気が付いて、“松ちゃんが単独でテレビに出てるやん!” と興味津々で見てみたところ、ソロの新作「The Hit Parade Ⅱ」のプロモーションということで様々な裏話に加えて新作から3曲も聞けて大喜びした。
【SONGS】「俺たちの勲章テーマ」~「傷だらけのローラ w/新浜レオン」 / 松本孝弘 フルVer.│NHK
「The Hit Parade」と言えば彼が愛してやまない昭和歌謡の名曲の数々を独自のセンスでアレンジしたカヴァー・アルバムを2003年に17曲入りという大ヴォリュームの内容でリリースしているが、あれから約20年経った今、遂に「第2集」が出るというのだ。B'zと昭和歌謡の両方をこよなく愛する私にとって、コレはえらいこっちゃである。番組で披露されたのは「傷だらけのローラ」「六本木心中」「俺たちの勲章テーマ」の3曲で、そのどれもが心にビンビン響く素晴らしい演奏だったこともあって新作への期待が大いに高まった。ネットで調べてみると曲数は10曲と前作に比べて大きく減ってはいるものの、レコード世代の私としてはこれくらいがちょうど良い。しかもその10曲中6曲がオリジナル・シングル盤を持っている超愛聴曲という、私にとってまさにドストライクな内容なのだ。私は迷うことなくアマゾンで予約した。
Tak Matsumoto “THE HIT PARADE II” Introduction Video
私がこのアルバムで一番気に入っているのはB'z稲葉さんが歌う世良公則の④「銃爪」だ。アルバムを通して聴けばわかるが、参加しているヴォーカリストの中では一人だけ格が違うというか、とにかく異次元の素晴らしさ(≧▽≦) 稲葉さんの “Yeah!” という掛け声からロックな空気が濃厚に立ち込め、一気呵成に聞かせてしまう超絶カッコ良いカヴァーで、ちょうど初期ビートルズの「Twist And Shout」や「Money」、「Rock And Roll Music」のように、カヴァーが原曲を超える稀有な瞬間を味わえる痛快無比なヴァージョンになっている。
アルバムのオープニングを飾る邦楽史上屈指の大名曲①「六本木心中」も結構気に入っているトラックだ。LiSAという未知のシンガーが歌っていて、オリジナルのアン・ルイスの野太いシャウト・ヴォイスに比べると少し線が細く感じられるヴォーカルなのだが、それを補って余りあるハード・ドライヴィングなグルーヴが聴く者のロック魂に火をつける。特にバック・コーラスが “Don't you know...” とたたみかけてくる後半部の盛り上がりは圧巻で、さすがに1曲目に持ってくるだけあってグイグイ引き込まれてしまう凄まじい吸引力を持っている。
盛り上がりという点では⑨「傷だらけのローラ」も負けてはいない。歌っているのは新浜レオンというこれまた初めて耳にするシンガーで、オリジナルの西城秀樹ヴァージョンへのリスペクトがダイレクトに伝わってくる熱唱が好感度大だし、何よりもバックの演奏が原曲の持っていた凄まじいまでのノリを見事に再現しており、21世紀に甦った昭和歌謡クラシックスとして聴きごたえ十分なトラックになっている。上記の「六本木心中」とこの「傷だらけのローラ」をテレビで披露したのも十分頷ける素晴らしいカヴァーだ。
⑩「俺たちの勲章テーマ」は松田優作と中村雅俊が主演の刑事ドラマの主題歌で、トランザムというバンドが吉田拓郎の「ああ青春」という曲から歌を抜いたインスト・ヴァージョンとしてリリースしたものがオリジナル。ここでは原曲にかなり忠実な演奏になっていて、松本さんの原曲に対する愛情・リスペクトがビンビン伝わってくるところがとても良い感じ。松田優作の大ファンでTVにかじりついてこの番組を見ていた私にとっては思い入れ一発で聴くトラックだ。
GLAYのTERUが歌う③「洛陽」(吉田拓郎)と倉木麻衣が歌う⑥「ブルーライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)はまぁ及第点という感じ。どちらも決して悪くはないのだが、2曲共にオリジナル・ヴァージョンにおける歌い手と楽曲のマッチングが完璧すぎて、他の誰が歌っても私には上手なカラオケ・レベルにしか聞こえないのだ。オリジナルが超絶名演であるが故にカヴァーが難しいというのも皮肉な話で TERUと倉木麻衣には気の毒という他ないが、オリジナルとの比較云々を言わなければそれなりに楽しめると思う。
オリジナル・ヴァージョンは好みではなかったのにこの「The Hit Parade Ⅱ」収録のカヴァーを聴いて好きになった “カヴァー冥利に尽きる” 掘り出し物トラックが⑤「Yes-No」だ。オリジナルはもちろんオフコースだが、実を言うと私は彼らの歌声が生理的に無理でこれまで良いと思った曲は1つも無いし、当然レコードも持っていない。だから聴く前は “オフコースかぁ...” と腰が引けていたのだが、いざ聴いてみるとこれがもうめっちゃ良くてビックリ。ヴォーカルを担当している山本ピカソ(←芸名がピカソって...www)という 女性シンガーの声質がコワイぐらいに原曲の旋律と合っていて、聴いてて思わず引き込まれてしまう。嫌いだったものを好きにさせてしまうという、カヴァーの鑑のような1曲だ。
それとは真逆に、素晴らしいオリジナル・ヴァージョンが台無しの期待ハズレトラックが⑧「時の過ぎゆくままに」だ。この曲は私が敬愛するジュリーの楽曲の中でも断トツに好きなスーパーウルトラ愛聴曲なのだが、起用されている上原大史というシンガーの歌い方が暑苦しすぎて曲の良さが全く伝わってこないのが×。気合いが空回りしているというか、自己満足の素人カラオケを聞かされているような感じなのだ。ジュリーは絶妙なヴォーカルによって原曲の持つ哀愁を見事に表現していたが、この上原某にはそれだけの技量がなかった、ということだろう。この曲に関しては失礼ながら松本さんの人選ミスだと思う。
残る2曲の②「木蘭の涙」と⑦「白い冬」はどちらも私の好みではないので何も言うことはないが、それでも全10曲の中から②⑦⑧を除いた7曲も傾聴に値するカヴァーが入っているというのは凄いことで、私はこの「第2集」と前作の「第1集」(→ZARDの「異邦人」とかもう最高すぎる...)から選りすぐった “The Very Best of The Hit Parade” をCD-Rに焼いて通勤時に車の中で聴きまくっている。やっぱり昭和歌謡はエエなぁ...
[TAK MATSUMOTO featuring ZARD] ♬異邦人
【SONGS】「俺たちの勲章テーマ」~「傷だらけのローラ w/新浜レオン」 / 松本孝弘 フルVer.│NHK
「The Hit Parade」と言えば彼が愛してやまない昭和歌謡の名曲の数々を独自のセンスでアレンジしたカヴァー・アルバムを2003年に17曲入りという大ヴォリュームの内容でリリースしているが、あれから約20年経った今、遂に「第2集」が出るというのだ。B'zと昭和歌謡の両方をこよなく愛する私にとって、コレはえらいこっちゃである。番組で披露されたのは「傷だらけのローラ」「六本木心中」「俺たちの勲章テーマ」の3曲で、そのどれもが心にビンビン響く素晴らしい演奏だったこともあって新作への期待が大いに高まった。ネットで調べてみると曲数は10曲と前作に比べて大きく減ってはいるものの、レコード世代の私としてはこれくらいがちょうど良い。しかもその10曲中6曲がオリジナル・シングル盤を持っている超愛聴曲という、私にとってまさにドストライクな内容なのだ。私は迷うことなくアマゾンで予約した。
Tak Matsumoto “THE HIT PARADE II” Introduction Video
私がこのアルバムで一番気に入っているのはB'z稲葉さんが歌う世良公則の④「銃爪」だ。アルバムを通して聴けばわかるが、参加しているヴォーカリストの中では一人だけ格が違うというか、とにかく異次元の素晴らしさ(≧▽≦) 稲葉さんの “Yeah!” という掛け声からロックな空気が濃厚に立ち込め、一気呵成に聞かせてしまう超絶カッコ良いカヴァーで、ちょうど初期ビートルズの「Twist And Shout」や「Money」、「Rock And Roll Music」のように、カヴァーが原曲を超える稀有な瞬間を味わえる痛快無比なヴァージョンになっている。
アルバムのオープニングを飾る邦楽史上屈指の大名曲①「六本木心中」も結構気に入っているトラックだ。LiSAという未知のシンガーが歌っていて、オリジナルのアン・ルイスの野太いシャウト・ヴォイスに比べると少し線が細く感じられるヴォーカルなのだが、それを補って余りあるハード・ドライヴィングなグルーヴが聴く者のロック魂に火をつける。特にバック・コーラスが “Don't you know...” とたたみかけてくる後半部の盛り上がりは圧巻で、さすがに1曲目に持ってくるだけあってグイグイ引き込まれてしまう凄まじい吸引力を持っている。
盛り上がりという点では⑨「傷だらけのローラ」も負けてはいない。歌っているのは新浜レオンというこれまた初めて耳にするシンガーで、オリジナルの西城秀樹ヴァージョンへのリスペクトがダイレクトに伝わってくる熱唱が好感度大だし、何よりもバックの演奏が原曲の持っていた凄まじいまでのノリを見事に再現しており、21世紀に甦った昭和歌謡クラシックスとして聴きごたえ十分なトラックになっている。上記の「六本木心中」とこの「傷だらけのローラ」をテレビで披露したのも十分頷ける素晴らしいカヴァーだ。
⑩「俺たちの勲章テーマ」は松田優作と中村雅俊が主演の刑事ドラマの主題歌で、トランザムというバンドが吉田拓郎の「ああ青春」という曲から歌を抜いたインスト・ヴァージョンとしてリリースしたものがオリジナル。ここでは原曲にかなり忠実な演奏になっていて、松本さんの原曲に対する愛情・リスペクトがビンビン伝わってくるところがとても良い感じ。松田優作の大ファンでTVにかじりついてこの番組を見ていた私にとっては思い入れ一発で聴くトラックだ。
GLAYのTERUが歌う③「洛陽」(吉田拓郎)と倉木麻衣が歌う⑥「ブルーライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)はまぁ及第点という感じ。どちらも決して悪くはないのだが、2曲共にオリジナル・ヴァージョンにおける歌い手と楽曲のマッチングが完璧すぎて、他の誰が歌っても私には上手なカラオケ・レベルにしか聞こえないのだ。オリジナルが超絶名演であるが故にカヴァーが難しいというのも皮肉な話で TERUと倉木麻衣には気の毒という他ないが、オリジナルとの比較云々を言わなければそれなりに楽しめると思う。
オリジナル・ヴァージョンは好みではなかったのにこの「The Hit Parade Ⅱ」収録のカヴァーを聴いて好きになった “カヴァー冥利に尽きる” 掘り出し物トラックが⑤「Yes-No」だ。オリジナルはもちろんオフコースだが、実を言うと私は彼らの歌声が生理的に無理でこれまで良いと思った曲は1つも無いし、当然レコードも持っていない。だから聴く前は “オフコースかぁ...” と腰が引けていたのだが、いざ聴いてみるとこれがもうめっちゃ良くてビックリ。ヴォーカルを担当している山本ピカソ(←芸名がピカソって...www)という 女性シンガーの声質がコワイぐらいに原曲の旋律と合っていて、聴いてて思わず引き込まれてしまう。嫌いだったものを好きにさせてしまうという、カヴァーの鑑のような1曲だ。
それとは真逆に、素晴らしいオリジナル・ヴァージョンが台無しの期待ハズレトラックが⑧「時の過ぎゆくままに」だ。この曲は私が敬愛するジュリーの楽曲の中でも断トツに好きなスーパーウルトラ愛聴曲なのだが、起用されている上原大史というシンガーの歌い方が暑苦しすぎて曲の良さが全く伝わってこないのが×。気合いが空回りしているというか、自己満足の素人カラオケを聞かされているような感じなのだ。ジュリーは絶妙なヴォーカルによって原曲の持つ哀愁を見事に表現していたが、この上原某にはそれだけの技量がなかった、ということだろう。この曲に関しては失礼ながら松本さんの人選ミスだと思う。
残る2曲の②「木蘭の涙」と⑦「白い冬」はどちらも私の好みではないので何も言うことはないが、それでも全10曲の中から②⑦⑧を除いた7曲も傾聴に値するカヴァーが入っているというのは凄いことで、私はこの「第2集」と前作の「第1集」(→ZARDの「異邦人」とかもう最高すぎる...)から選りすぐった “The Very Best of The Hit Parade” をCD-Rに焼いて通勤時に車の中で聴きまくっている。やっぱり昭和歌謡はエエなぁ...
[TAK MATSUMOTO featuring ZARD] ♬異邦人