shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

NEW / Paul McCartney (Pt. 2)

2014-01-02 | Paul McCartney
 ①「セイヴ・アス」でガツン!と一発食らわせた後は②「アリゲイター」、③「オン・マイ・ウェイ・トゥ・ワーク」といかにもポールらしいメロディーの曲が続いて古くからのファンとしては一安心。特に②なんかBメロで電気処理されたポールのヴォーカルを入れるなど、まさに変幻自在というか、息をもつかせぬ目まぐるしい曲展開に耳が吸い付く3分27秒で、曲に酔い、そしていつの間にか演奏に酔いしれている、そういう類の稀有な名演だと思う。「ホワイト・アルバム」に入れてもぴったりハマりそうな気がするのだがどうだろう? ③は何と言ってもサウンド・プロダクションが絶妙で、さすがはジャイルズ・マーティン、マッカートニー・ミュージックを知り抜いた者にしかできない匠の技に唸ってしまう。
Paul McCartney - Alligator(Lyrics)

Paul McCartney - On My Way to Work (Lyrics) [HD]


④「クイーニー・アイ」はたたみかけるような展開が心地良いポップなナンバーで、スローな中間部が良いアクセントになっており、後半のヘイ!ヘイ!という掛け声パート(←このあたりもライヴを意識した作りになってますな...)の盛り上がりを引き立てている。何となく「サージェント・ペペーズ」を想わせる、ビートリィなナンバーだ。⑤「アーリー・デイズ」は③と同様にポールが青春時代を振り返りながら淡々と歌うナンバーだが、この手のアコースティック曲を作らせたらポールの右に出る者はいないだろう。何かこう、ホッとさせてくれる1曲だ。
Paul McCartney - Queenie Eye (Official Video)

Paul McCartney - Early Days


 アナログ・レコードではB面1曲目にあたる⑦「アプリシエイト」はヒップホップ風のビートといい、ギザッとくるノイジーな音作りといい、ギターの逆回転音の挿入といい、ポールの前衛的な一面が窺える少々ブッ飛んだナンバーだが、ただ無茶苦茶やってるだけのアホバカ・アヴァンギャルドとは違い、楽しんで聴ける “クールな音楽” としてちゃーんと成立させているのがポールの凄いところ。やっぱりこの人天才やわ(≧▽≦)  最初のうちは “何かヘンな曲やなぁ...” と思いながらも何度も聴くうちに耳について離れなくなってしまうといった類の面白い1曲だ。
Paul McCartney - Appreciate


 今回のツアー・タイトルの元にもなった⑧「エヴリバディ・アウト・ゼア」はこれぞポール・マッカートニー!!!と言いたくなるようなノリの良いナンバーで、私としてはこのアルバム中で一番の愛聴曲だ。とにかくライヴで盛り上がるにはうってつけの要素が満載で、今回のジャパン・ツアーでも福岡公演以降でこの曲の演奏後にサビの “ウォウ ウォウォ~♪” コーラスをオーディエンスに歌わせるコール&レスポンスを試みて大いに盛り上げていたのが印象的だった。大阪でもやってほしかったな~
Paul McCartney - Everybody Out There (Lyrics) [HD]


 B面はこの後⑨「ホザンナ」、⑩「アイ・キャン・ベット」、⑪「ルッキング・アット・ハー」、⑫「ロード」と続くのだが、私的にはどれもこれもイマイチ印象が薄い。決して悪くはないのだが、ポールらしい “心に残るメロディー性” が希薄なのだ。そのためせっかく A 面から良い流れできたアルバム全体の勢いが B 面後半から尻すぼみになってしまっているように感じられる。全盛期のポールなら B ラスあたりに万人を唸らせるような名曲名演を配してアルバムを締めくくったものだったが、まぁこればっかりはしゃあないか...(>_<)
 CD のみに入っているボーナス or シークレット・トラックの中では⑬「ターンド・アウト」が断トツに面白い。曲調はもちろんのこと、スライド・ギターのフレーズから細かいサウンド・プロダクションに至るまで、どこを切ってもジェフ・リン・プロデュースのジョージ・ハリスンそのものだ。これってポールの遊び心の表れなのかもしれないが、彼がここまで徹底したパロディ(?)をブチかますのも珍しい。
 ライヴ・コンサートではビートルズやウイングスの往年のヒット曲を演奏することによってファンを楽しませ続ける一方で、まだまだ第一線で活躍する現役アーティストとして 70歳を過ぎてもなお “新しい” サウンドへの貪欲なまでの探求心を持ち続けるポールの “ニュー” アルバム、この調子でいけば引退なんかまだまだ遠い未来の話で、これからも精力的な活動を通して色々と楽しませてくれそうだ。そしてその先にあるのは “マタ アイマショウ” という約束の実現... See you next time, Paul!!!
Paul McCartney - Turned Out (New)

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2 コメント

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Unknown (moondreams)
2014-01-04 08:06:14
あけまして おめでとうございます!
2013年はP・マッカートニー来日で盛り上がりましたね。
shiotch7さんらしい視点の記事楽しみにしています。
今年もよろしく。


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今年もよろしく! (shiotch7)
2014-01-04 16:14:54
moondreamsさん、新年あけましておめでとうございます。
去年のポール来日は最高でしたね!
まだまだ余韻に浸りまくりの当ブログですが
今年もよろしくお願いします。
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