shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

レコ針フレッシュン・アップ! ~カートリッジ2個を一気買い~

2019-12-21 | その他
 ビートルズUKオリジナルのスタンパー・コードが若い盤を集めだしてから “最高のレコードは最良の音で聴きたい” という思いがより一層強くなり、スピーカーやプレーヤーの下にインシュレーターを噛ましたり、超音波洗浄機を導入してレコード盤をクリーンアップしたりと、この12月はレコードの音質向上のことばかり考えて過ごしてきたが、 “音のフレッシュン・アップ” プロジェクト(?)もいよいよ最終ステージに突入だ。
 私がレコード針の交換を思いついたのは、先日B-SELSでSさんと喋っていた時に “このお店の音ってホンマにエエですねぇ...” という私の言葉に対し、Sさんが “アンプもスピーカーもウチは全然お金かかってないですよ。まぁレコード針は2か月ごとに変えてますけどね。” と仰ったのを聞いて、“そういうたらウチは全然針変えてへんがな... ヤバいわ... どないしよ...(>_<)” と思ったのがきっかけだった。この何年か、いや、もう10年以上もの間、音源であるレコードを手に入れることだけに集中して、それらを再生するオーディオ・システムは全くと言っていいほどケアしていなかったからだ。
 帰って早速針先を見ると、ステレオ針もモノ針も一目でわかるくらいくたびれている。そりゃあ10年以上も交換せずに使い続けていれば針先なんて摩耗でもうボロボロだろう。そんな針で大切な大切なレコードを聴いてきたと思うと何だかゾーッとしてきて一刻も早く針を変えねば!と思った。
 私が現在使っているオルトフォン・カートリッジは針先交換サービスを行っているのでHPで交換代金を確認すると、何と1本6万円近くかかると書いてある。それやったらいっその事、カートリッジごと新品に買い替えた方がいい。私は筋金入りのオルトフォン信者なので、ステレオもモノもこれまで愛用してきた型の後継機種にしようと決めた。
 まずモノラル・カートリッジだが、これはもう今使っているCG25Diのシェル部分が上位機種と同じウッド素材へと改良されたCG25DiMkII の一択だ。しかし値段を見ると 91,980円で、針先ユニット交換57,000円との35,000円の差は結構デカい。私はどちらにするか悩みに悩んだ末に、やはり思い切ってシェル部分がアップグレードされた MkIIにしようと決断。値段が値段なのでヨドバシの夏ボ一括でいくしかないかと思いながら念のためアマゾンも確認してみると、何とマーケットプレイスに新品が 66,000円で出ているのを発見。何という幸運! 針交換料金に9,000円上乗せした値段でアップグレードされた新品が買えるのだ。これを逃す手はない。私はその場で買いを決めた(←分割払いやけど...)。
 驚いたことに注文した翌日にカートリッジが届いた。AudioOneさん、仕事が早い(^.^) 手に持った質感はズシリと重く、前モデルよりも高級感に溢れている。私はウキウキワクワクしながらカートリッジを届いたばかりの新品に付け替え、早速音をチェック。盤は数日前にイギリスから届いたばかりのピカピカ盤「Beatles For Sale(モノラルの 1G/1RM)」で、超音波洗浄によってほとんどノイズレスになっている。盤に針を落とすと数秒間の無音状態を経てスピーカーからいきなりジョンの “This happened once before♪” という歌声が勢いよく飛び出してきて私はぶったまげた。何という生々しさ... まるでジョンがスピーカーから顔を出して私に向かって歌っているかのような錯覚を覚えるほどリアリティーに溢れ、唾が飛んできそうなくらい音が近いのだ。こいつは凄い、いや凄すぎる!!! これは間違いなくウチのアルテック・ヴァレンシアが発したベストのサウンドだ。
私は大コーフンしながら「Please Please Me」「With The Beatles」... と、ビートルズのモノラル盤を順にかけていくが、どれもこれもみな今まで聴いてきたのは何やったんや???と言いたくなるくらいリアルな音で鳴る。一切の装飾音という贅肉を削ぎ落としたような、どっしりと腰の据わった質実剛健なサウンドとでも言えばいいのか。とにかくこのカートリッジは買って大正解だった\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
 結局その日から超音波洗浄はビートルズだけでは飽き足らず、ロネッツ、エルヴィス、ベンチャーズから50年代ブルーノートのジャズLPに至るまで、モノラル・レコード一色になったのだが、特に50年代のLPは余程汚れがひどかったのか水の汚れ方がハンパなく、底の方に黒い沈殿物が溜ってちょっとビビった(笑) 超音波洗浄と新しい針のダブル効果なのか、ほぼノイズレス状態でエルヴィスのシャウトやRVGの骨太サウンドがスピーカーから迸り出てくる快感はとても言葉では言い表せない。
 これですっかり調子に乗った私はステレオ・カートリッジも買い替えてやろうと考え、 “古いロックやジャズを聴くなら丸針、クラシックなら楕円針” という我がオーディオ師匠Oさんの教えに従い、オルトフォンSPU(Stereo Pick Up)の丸針の中で最もコスパの高いSPU #1Sを買うことに決めた。
 このカートリッジは定価63,800円だが、最安値.comで調べるとオーディオ・ユニオンの通販で54,550円となっている。何と針交換するよりも安い値段でアップグレードされた新品カートリッジが買えるのだ。しかもユニオンなら夏ボ一括が使えるではないか! まだ12月の半ばやっちゅーのに支払いは来年の8月やなんてもう最高である。私は小躍りしながら即決購入した。
 驚いたことにこちらも注文した翌日にカートリッジが届いた。オーディオ・ユニオンさんも仕事が早い(^.^) 見た目は前機種とほとんど変わらないが、サイドには誇らしげに“#1” の2文字が刻まれている。メーカー・インフォによると“かつてのオールドサウンドに最大限に拘り、当時を思わせる図太いサウンド、豊かな低域など、完璧なまでの「THE SPUサウンド」となっています” とのこと。う~ん、素晴らしい!!!
 最初の試聴盤には「Abbey Road」1H盤をチョイス... A①「Come Together」のリンゴのドラムがこれまで聴いたことがないような音で鳴ったのにまずビックリ。まるで初めてニンバス盤を聴いた時のように、リンゴの手の動きやドラムの皮が振動する空気感、更にポールのベースのズシリと腹に響いてくる揺れなど、音の解像度が大きく向上したのだからビックリするやら嬉しいやら。この日もモノ・カートリッジが届いた日と同じように時の経つのも忘れて手持ちの盤を片っ端から聴きまくり、布団に入った時には時計の針は既に午前4時を回っていた。
 結局約12万円の出費で(分割払いと夏ボ一括払いやけど...)1週間のうちにモノラルとステレオ両方のカートリッジを買い替え、我がリスニングルームの音は大きく向上... かくして今回の“サウンド・フレッシュン・アップ” 作戦は大成功と相成った。めでたしめでたし...(^.^)
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