shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

TILL DAWN / The Yellow Monkey

2012-01-20 | J-Rock/Pop
 さて、 “イエロー・モンキー祭り” も中盤戦にさしかかり、だんだん趣味丸出しな選曲になってきたが、今日は “オリジナル・アルバムには入ってないけど個人的にはめっちゃツボ” シリーズ(←長いっ!)のシメとして、イエロー・モンキーによる T.REX のカヴァー「TILL DAWN」(← dawn は “ドーン” であって “ダウン” ではない...)を取り上げよう。
 この曲はマーク・ボラン没後20年にあたる1997年にリリースされた日本人ミュージシャンによる T.REX トリビュート・アルバム 「ブギー・ウィズ・ザ・ウィザード」に彼らが参加した時のもので、2004年にリリースされた拾遺集的なベスト盤「マザー・オブ・オール・ザ・ベスト」にすら入っていないという貴重な音源だが、これがもう実にエエ味を出していて、聴けば聴くほどハマってしまう “スルメ・チューン” なのだ。吉井さんはこの曲の他にももう1曲ソロで「T.REX トリビュート・メドレー」に参加、先頭バッターとして英語で「20th センチュリー・ボーイ」を歌っているのだが、やはりここは彼のユニークな日本語訳が楽しめる「ティル・ドーン」に尽きるだろう。
 CD のブックレットにあった “「ティル・ドーン」の日本語の詞はこの曲とマークに対する僕なりの思い入れです...” という吉井さんのコメントにもある通り、原曲の歌詞と見比べてみても直訳はおろか意訳にすらなっていないハチャメチャな日本語詞だが、まぁ「ティル・ドーン」の “吉井和哉風替え歌” と考えれば分かり易い。
 まずは冒頭のカウント... “ワン & トゥ & あおえみなっ!” に大笑い。 T.REX に青江三奈って... このセンス、ホンマに最高やわ(^.^)  そしてグルーヴィーなイントロからマーク・ボランそっくりのみゃあみゃあ声で “こんなねぇちゃんは イカさなぁ~い♪” といきなり吉井和哉ワールド全開でリスナーを翻弄、 “月に3回の美少女とレーシングゲーム♪” (←何やそれ???)とたたみかけ、返す刀で “わしの飼ってる猫ミャーオ♪” ときたもんだ。しかしいくらなんでも “わし” はないやろ...(笑) “猫ミャーオ” にもクソワロタ(^o^)丿 エンディングが “ここだけの話、実は...” でフェイドアウトしていくという遊び心も吉井さんらしくていい。
 演奏の方はかなり原曲に忠実なアレンジながら、イエロー・モンキーらしい野太いグルーヴが生み出すグラム・ロック独特の空気感がたまらなく心地良いし、マーク・ボラン色の濃いこの難曲をまるで自分の持ち歌のように自在に歌いこなして T-レクスタシーを感じさせる吉井さんの歌唱も堂に入っている。又、エマが “T.REX をカヴァーするのっていろいろ自分の色を入れることができるから楽しい...” と言っているように、単なるコピーに堕することなく間奏のギター・ソロではブライアン・メイごっこを織り交ぜながらしっかりと自己主張するなど、彼らの持ち味を巧く活かした名演になっている。
 トリビュート・アルバムに参加する時の楽曲というのは参加するアーティスト自身が決める場合が多いと思うのだが、以前取り上げたモット・ザ・フープルの「ホナルチー・ブギー」といい、この「ティル・ドーン」といい、誰もが知っているようなメジャーな曲は敢えて避け、いわゆるマニア好みでありながらもじっくり聴けば味わい深いという “隠れ名曲” を選んでくるあたりがマニアックな吉井さんらしい。
 かく言う私もこれの原曲が入った T.REX のアルバム「ボランズ・ジップ・ガン」は持ってはいたが、恥ずかしながらこの曲はノーマーク(←ダジャレじゃありません...)で、イエロー・モンキーのカヴァーを聴いて初めてその良さが分かったクチなのだ。今では T.REX の原曲を聴いてもついつい頭の中に “青江三奈” やら “こんなねぇちゃん” やら “猫ミャーオ” といった日本語詞が出てきてしまう。困ったものだ(笑)

T.Rex/Marc Bolan/'Til Dawn/Japanese Cover


T.Rex / Marc Bolan --- Till Dawn


【おまけ】なんか日本人グラム・ロッカー達による We Are The World みたいな感じやね...笑
T.Rex Tribute Medley-BOLAN'S CHILDREN
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