shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Romantist Taste 2012 / The Yellow Monkey

2012-10-16 | J-Rock/Pop
 確か9月の初め頃だったと思うが、ネットの音楽ニュースを見ていて “The Yellow Monkey、デビュー曲「Romantist Taste」を新たな装いで11年8か月ぶりのシングルとして緊急発売!!!” という記事が目に留まった。それによると、メジャー・デビュー20周年を記念して全アルバム曲&ミュージック・ビデオの一斉配信を開始することが決まり、その際にデビュー曲の「Romantist Taste」をニュー・ミックスで出したら面白そうだということになったという。
 ここで私は一瞬 “イエロー・モンキーも今流行りのリマスター再発かいな...” と思ったのだが、その先を読んでみるとどうやら単なる音圧増強リマスターではないらしい。何とオリジナル・ミックスを担当したエンジニアを中心に4人のメンバー立会いの下でニュー・ミックスが作られ、更にあのテッド・ジェンセンがマスタリングを担当したというからこれはエライコッチャである。
 ファンの人の中には “テッド・ジェンセンって一体誰やねん???” という人が少なくないかもしれないが、この人はビリー・ジョエルを始めとして、イーグルスからマドンナ、ノラ・ジョーンズ、メタリカに至るまで、幅広いジャンルで数多くの名作のマスタリングを手掛けてきた巨匠エンジニアなんである。スカスカのサウンドでチープな味わいが売りだったデビュー曲がニュー・リミックス&リマスターでどう変身するのか... コレはファンとしては非常に興味深いところだ。
 しかしこのシングルの真価はむしろその豪華すぎるボーナス・トラックにある。近々リリースされるDVD「TRUE MIND "NAKED"」から何と12曲ものライヴ音源が収められているのだ(゜o゜)  収録曲は②「SPARK」、③「FOUR SEASONS」、④「熱帯夜」、⑤「ROCK STAR」、⑥「嘆くなり我が夜のFantasy」、⑦「太陽が燃えている」、⑧「LOVE COMMUNICATION」、⑨「JAM」、⑩「THIS IS FOR YOU」、⑪「悲しきASIAN BOY」、⑫「FATHER」、⑬「空の青と本当の気持ち」で、②~⑨は1996年7月21日のNHKホール公演から、⑩~⑬は1996年1月12日の日本武道館公演からの音源だ。
 それにしても1,050円のシングルに、バンドとして1番脂が乗っていた1996年のライヴ・ツアーからほとんどライヴ盤1枚分に相当する12曲がボートラ、つまりオマケとして付いてくるというのは、例えるなら「ラヴ・ミー・ドゥ」のニュー・ミックス・シングルのボートラとしてシェア・スタジアムや日本武道館のライヴ音源がそっくり丸ごと入っているようなもの... もうどっちがボートラか分からん主客転倒状態だが、私も含めてこのシングルの購入者のほとんどはこっちが本命なのではないだろうか。イエロー・モンキー・サイドからすればニューDVD「TRUE MIND "NAKED"」のプロモーションを兼ねた戦略商品なのだろうが、音楽史上最強のコスパを誇るシングルであることだけは間違いない。
 届いた盤はちょうど NORMA のジャズ CD を想わせるような質素な紙ジャケCDで、歌詞カードは①の「Romantist Taste 2012」のみ。早速聴き比べてみたのだが、フェード・インでスタートしてネチネチと攻めてくるオリジナル・ヴァージョンとは違い、イントロからいきなりガツン!とくるヤクザな音に圧倒される。とにかく各楽器の重厚さが格段に増しており(←特にリズム隊!)、大蛇がとぐろを巻くような野太いグルーヴがたまらんたまらん(≧▽≦)  これはもうアンプのヴォリュームを上げて大音量で聴くしかない。
Romantist Taste 2012


 吉井さんの “よぉこそ~” で始まるスーパーウルトラ疾走系チューン②「SPARK」、アグレッシヴなギター・リフの波状攻撃にアドレナリンがドバーッと出まくる④「熱帯夜」、思わず身体が動いてしまうノリノリの⑤「ROCK STAR」、王道を行く爽やか系ポップンロール⑦「太陽が燃えている」といったアッパー・チューン中心で息をもつかせぬ展開の前半から、イントロを聴いただけで涙ちょちょぎれる⑨「JAM」やこの時期のライヴでしか聴けないレアな⑫「FATHER」といった感動系ナンバーで盛り上がる後半まで、まさに“中期イエロー・モンキーのライヴ・ベスト” 的な内容になっている(^o^)丿
 曲ごとにフェード・アウトしていたり、唐突な感じで始まるトラックもあったりで、ちゃんとした流れのある “ライヴ盤” とは言えないが、彼らの公式ライヴ盤は「SO ALIVE」だけだから、今回のこの太っ腹すぎるシングルはイエロー・モンキーのファンにとっては絶対に買い!の1枚だと思う。
SPARK ( LIVE )

[LIVE] THE YELLOW MONKEY - ROCK STAR

JAM
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