shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Rainbow Rising / Blackmore's Rainbow

2012-11-08 | Hard Rock
 前回はストレスが溜まるとついつい高い買い物をしてしまうという話だったが、いくらなんでもイラッとくるたびにそうそう高いオリジナル盤ばかり買うわけにもいかず、何か他の方法でストレスを解消しなければならない。そんな時に聴きたくなるのがハードロックである。ハードロックと言えば(少なくとも日本では)誰が何と言おうとレッド・ゼッペリンとディープ・パープルという2大バンドにトドメを刺す。オマエの好きなAC/DCはどーした?デフ・レパードはどないしたんや?と言われそうだが、私のように70年代ハードロックの洗礼を受けた世代の人間にとって、ゼップとパープルというのは別格というか、思い入れもひとしおというか、とにかく特別な存在なのだ。
 この両者はたまたま同時期にバンドとしてのピークを迎え、70年代前半のハードロック・ムーヴメントを牽引したということでついつい “ハードロックのパイオニア” として一緒くたにされたり、あるいは “ゼップ派 or パープル派?” という風にライバル関係を喧伝されたりしてきたが、音楽的にはこの両者はかなり違う。頑固一徹ハードロックに徹してその様式美を極めんとしたパープルと、ハードロックの枠を超えた幅広い音楽性で独自の世界を確立していったゼッペリン... 私の場合はどちらかと言うとゼップ派なのだが、ストレス疲れでココ一発の元気が欲しい時に聴きたくなるのは圧倒的にパープルであり、そこから派生したリッチー・ブラックモアのレインボーなんである。ワンパターンと言われようが大仰でウルサイだけと言われようが、あの単純明快な “分かりやすいハードロック” は唯一無比。ということで今日はリッチー御大率いるレインボーの「ライジング」(邦題:「虹を翔る覇者」)にしよう。
 1975年にリリースされたこの 2nd アルバムは地味だった前作からベース、ドラムス、キーボードをメンバー・チェンジ、特にコージー・パウエルというハードロック界屈指の天才ドラマーの加入によりリッチー、ロニー、コージーのいわゆる “三頭体制” がスタート、ロックの荒々しさに溢れたタイトでスリリングなバンド・サウンドが堪能できる。レインボー初代ヴォーカリストであるロニーのヴォーカルは私の好みとは少し違うが決して嫌いではないし、コージーの爆裂ドラミングに触発された御大のスリリングなリフと独特のソロ・フレーズのアメアラレ攻撃がこのアルバムのクオリティーを大いに高めている。
 このアルバムはジャケットも素晴らしい。レインボーの、いや、パープル・ファミリーの全アルバム中でも最高傑作ではないか? 虹をつかむ手の力強さがダイレクトに伝わってくるようなそのイラストはアルバムの内容とピッタリ合っていて、そのセンスの良さに唸ってしまう。50年代モダンジャズは半分 “ジャケットを聴く” ようなものだが、ハードロックにおいてもジャケットはとっても重要なのだ。
 収録曲は全6曲。A面も悪くはないが(特に③の「スターストラック」は結構好き...)、やはりこのアルバムは何と言ってもB面に尽きるだろう。このB面の2曲は共に8分を超える大作で、そのどちらもが全く長さを感じさせない名曲名演なのだから恐れ入る。まずはB面の1曲目にあたる⑤「スターゲイザー」だが、“様式美ヘビー・メタル” の典型と言ってもいいようなスケールのデカいドラマチックなナンバーで、初期レインボーの中世ヨーロッパ志向が結実した感のあるその壮大な曲想と重厚なグルーヴに圧倒される。 “なぁ6,6,6,6,6階さわらせて~”の空耳にも大爆笑だ(^o^)丿
【空耳アワー】「6階さわらせて」 Rainbow Stargazer

Rainbow - Stargazer HD


 そしてこれに続く⑥「ア・ライト・イン・ザ・ブラック」こそこのアルバムの、いや、初期レインボーの最高傑作!!! ハードロックかくあるべし!と言いたくなるような攻撃性を持ったカッコ良いナンバーで、パープルの「ハイウェイ・スター」や「バーン」路線の超疾走系ロックンロールだ。とにかく息つく暇もなく繰り出されるハイ・テンションなプレイの連続攻撃はまさに圧巻の一言で、8分12秒があっという間に過ぎ去っていく。ツインバスを駆使して煽りまくるコージーとアグレッシヴなケンカ・リフで応戦するリッチーの凄まじいバトルが炸裂するスリリングな展開がたまらんたまらん(≧▽≦) 血湧き肉躍るとはこのことだ。真のハードロック好きならこの1曲のためだけにでもこのアルバムを買う価値があると思う。
Rainbow - A Light In The Black ( Los Angeles Mix )

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2 コメント

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XX(ちょめちょめ)の覇者 (みながわ)
2012-11-09 21:35:14
shiotchさんこんばんは。
いやーレインボー、これは懐かしい、何十年かぶりに聞きました。パープルも好きでしたがレインボーも好きだったことを思い出しました。
たしかにこれはストレス解消にはいいですね、車で聞くときは飛ばし過ぎにご注意を(笑)。

たしかライブ盤でオーバーザレインボーから始まるのがありましたね。
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漢字が読めない... (shiotch7)
2012-11-09 22:21:40
みながわさん、こんばんは♪
レインボーもお好きでしたか!!! ホンマに趣味合いますね~
ストレス解消はパープル・ファミリーに限りますな(笑)
疲れた時に大音響で聴くとめっちゃ元気出ます。
ユンケルよりも効きますぜ。

>何十年かぶりに聞きました
おぉ、そうでしたか。このブログは80年代で時が止まってますんで。
それにしても今時レインボー取り上げるブログってウチぐらいのモンやろなぁ...(笑)

「オーバーザレインボー」で始まるのは「オン・ステージ」ですね。
メドレーで「キル・キン」のイントロになだれ込むところなんか何度聴いても鳥肌モンです。

「銀嶺の覇者」はずーっと「ぎんさんのはしゃ」って読んでましたし、
「虹を翔る覇者」も “翔” の字が読めずに
ライジングから連想して “にじをのぼる” と思ってました(恥)
漢字はめっちゃ苦手です...
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