shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズUKシングル盤特集⑩ 1969-1970

2015-02-06 | The Beatles
㉑ Something / Come Together (R 5814, Stereo, 1969.10.31発売)
 去年の末からダラダラと続けてきた「ビートルズUKシングル盤特集」もいよいよ最終回だ。シングル盤ということで蒐集しているコレクターの数も少ないのか、わりと簡単に手に入れることができた盤が多かったが、中には何枚か私の予想を遥かに超える高い競争率の入手困難盤があって正直ちょっと驚かされた。2枚の赤パロを別にすれば、ビートルズの全シングル中で最も苦労したのが意外なことにこの「サムシング」で、結局全22枚のうちで最後の最後にやっとのことで手に入れたのがこれだった。
 そもそもビートルズのUKシングル盤を買い始めた当初はLPに入ってない音源だけを集めるつもりだったので、シングル両面ともアルバム「アビー・ロード」に入っているこの盤は完全に対象外だった。しかし5枚、10枚と買い揃えて聴きまくるうちに45回転パワーの凄さに開眼、それからは「ア・ハード・デイズ・ナイト」や「エリナー・リグビー」のようにAB面共にLPに入っていて既に持っている曲も購入対象になっていき、この「サムシング」も取ろうと思った次第。
 だから最初は “こんなもん楽勝やろ...(-。-)y-゜゜゜” と余裕をブッこいていたのが、実際にやってみるとどの盤も値段がグングン上がっていき、“EXコンディションなら£30(約5,000円)超えはザラで、ピカピカ盤ならヘタをすると£60以上” という厳しい現実がが私を待っていた。たかがシングル盤1枚に1万円って...(・o・)  更にUnplayed のミント盤に至っては赤パロ並みの25,000円というのだから恐ろしい。
 このレコードは悪徳マネージャーのアラン・クラインが強引にアルバムからシングル・カットさせたもので、既に「アビー・ロード」発売から1ヶ月経ってからのシングル・カットだったことや、その「アビー・ロード」が飛ぶように売れていたこともあって、曲の素晴らしさとは裏腹にイギリスではヒットチャート4位が精一杯という、ビートルズにしては “売れなかった” シングルになってしまい、皮肉にもそのせいで今頃になって希少価値が出てプレミア価格になったのかもしれない。
 結局私は8度目の挑戦でEXコンディションの盤を何とかゲット、プライス・ガイドでは£18が標準となっていたが、私としては£15以上出す気は無かったので、£12台で取れてホンマにラッキーだった\(^o^)/  オークションというのはたまたまライバルが現れなかったおかげでこういうオイシイ思いをすることもあるのだ。
 届いたシングル盤を早速LP盤と聴き比べてみたところ、A面の「サムシング」では何と言ってもリンゴのドラミングの生々しさと良く歌うポールの滑らかなベース・ラインが印象的で、LPよりも音圧が高い分だけそのあたりの器楽的楽しみが増す感じがする。B面の「カム・トゥゲザー」でも音圧が一割増しぐらいアップしており、特にポールのベースがまるで地下室から聞こえてくるかのような沈潜的なズーンという音で入っているのにビックリ(゜o゜)  例えるなら弾かれたベースの音が井戸の底に沈み、そこからまた何か巨大な力によって弾き返されてくるかのような、そんな深~い音なのだ。ただしこれはあくまでもウチのオーディオ・システムで大音量で鳴らして神経を集中して聴き比べた結果の感想であって、普通の音量で聴くだけならこれまでのシングル盤に比べるとLP盤との音質的な違いはそれほど大きくはないと思う。
 1964年初頭以来パーロフォン・レーベルを含む全EMI系レコードのセンター部分に表記されてきた “Sold in U.K.” リマークは1969年半ばに廃止されたので、ビートルズのシングル盤で言うとこの期間にリリースされた「キャント・バイ・ミー・ラヴ」から「ジョンとヨーコのバラード」までがリマーク有りで、この「サムシング」以降はすべてリマーク無しということになる。よって1st プレスは ①レーベルがダーク・グリーン・アップルで、②マトリクス枝番は -1U / -1Uと、リンゴの色の濃淡で識別するしかないだろう。入札状況は 7 bidsと熾烈を極め、8度目のトライでついにゲット。落札価格は他の盤よりも少し高めの£12.84(約2310円)だったが、プライス・ガイドに書かれていた£18.00よりもかなり安く買えたので私としては大満足だ。
Something

Come Together


㉒ Let It Be / You Know My Name (R 5833, Stereo, 1970.3.6発売)
 ビートルズ最後のシングル「レット・イット・ビー」は「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー / ペニー・レイン」以来となるピクチャー・スリーヴ付きでのリリースで、そのせいか結構人気が高くてビッドが集中する傾向にあり、プライス・ガイドでも後期では最高値の£20になっている。更にそのピクチャー・スリーヴにも光沢のあるペラジャケ・タイプと艶消しのための厚めのコーティングが施されているマット紙タイプの2種類があり(←私が買ったのはマット紙タイプ)、そのせいもあってかこのUK盤シングルはコレクターズ・アイテムになっているらしい。
 音の方はハッキリ言って普通で、特にどうということはない。手持ちの国内盤シングルと比べてみてもほんのわずかにクリアネスで上回っているくらいでほとんど違いは分からなかった。これはひょっとすると同じスロー・バラッドでも上記の「サムシング」とは違ってベースやドラムスの活躍の場がない曲だからかもしれない。
 1st プレスの見分け方は一目瞭然で、B面「ユー・ノウ・マイ・ネーム」のインナー・グルーヴ部分のマトリクス・ナンバーが “APPLE1002-A1” となっていたものを上からXXX印で掻き消し、その右横に “7YCE 21408 1-U” と刻印してあるものが初版だ。これは当初この曲がプラスティック・オノ・バンド名義の第3弾シングルとして69年12月にリリースされる予定だったからで、それがキャンセルされ巡り巡って「レット・イット・ビー」のB面に収められたからだ。因みにマトリクス枝番は -1U / -1Uだ。オークションではたまたま同時期に3枚出品されたおかげもあってビッドが分散し、かなり安く買えて大ラッキー... 入札状況は 2 bidsで落札価格は£7.75(約1,400円)だった。
Let It Be


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2 コメント

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名曲、だけど (fab-for)
2015-02-07 08:24:35
shiotchさんおはようございます。
UKオリジナルシングル特集お疲れ様でした。
最後はサムシングはやはり「アビーロード」の曲という印象が強いですね。
しかしジョージの名曲がシングルとして残ったということは良かったことです。

「レット・イット・ビー」はこのシングルバージョンが一番しっくりくる感じで好きですね。
この2枚は名曲で好きなのですが、ビートルスの終焉を感じてちょっと寂しい気になってしまいます。
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シングル盤特集、完結です (shiotch7)
2015-02-07 20:03:04
fab-forさん、こんばんは。
私もこれまでずーっとアルバム中心の聴き方しかしてこなかったので
今回シングル盤ベースで時系列に沿って聴けて結構面白かったです。

私も「レット・イット・ビー」はシングル・ヴァージョンの方がいいですね。
もちろんフィル・スペクターは大好きなプロデューサーなんですが
ビートルズに関してはジョージ・マーティンやグリン・ジョンズの方が断然合っているように思います。

哀感漂うこの2曲はどうしても当時のビートルズ内の人間関係とセットで脳内インプットされてしまっているので
ファンとしては聴いていて切なくなりますね。
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