shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Beatles Live at the BBC (Disc 1-Pt. 3)

2009-10-28 | The Beatles
 「ライブ・アット・ザ・BBC」Disc-1の後半もヒット曲あり名カヴァーありで全く気が抜けない。(21)「クライング、ウエイティング、ホーピング」はジョージがリード・ヴォーカルを取るバディ・ホリーのカヴァーで、「フォー・セール」のB面あたりにぴったりハマりそうな軽快な歌と演奏だ。気のせいか、ジョージの歌声はレコードで聴けるものよりもリラックスしているように思えるし、ジョンとポールの絶妙なコーラス・ハーモニーも言うことなしだ。スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズのカヴァー (23)「ユー・リアリー・ガッタ・ホールド・オン・ミー」は「ウィズ・ザ・ビートルズ」はもちろん、「アンソロジー1」にもスウェーデンのラジオ番組用ライブ音源が収められていた彼らお気に入りのナンバーで、ジョンとジョージのツイン・リード・ヴォーカルが実にエエ味を出している。
 (24)「トゥ・ノウ・ハー・イズ・トゥ・ラヴ・ハー」はフィル・スペクターにとって初の全米№1ソング(テディ・ベアーズ名義)で、「スター・クラブ・ライブ」ではイマイチだったが、このBBCヴァージョンは素晴らしい!これはもう何と言ってもジョンの成熟し切った繊細なヴォーカルに尽きるのだが、ジョージのバック・コーラスも雰囲気バツグンだ。荒削りなロックンロールをブチかます一方で、このようなアメリカン・ポップスも涼しい顔でカヴァーしてしまうあたり、ビートルズの音楽性の幅広さを物語っている。続く(25)「ア・テイスト・オブ・ハニー」は色々な人によってカヴァーされているバリバリのスタンダード・ソングで、こーゆーのを歌わせたらポールの右に出る人はいない。彼らも「スター・クラブ・ライブ」や「プリーズ・プリーズ・ミー」で取り上げるなどデビュー当時の重要レパートリーであり、ここでもポールが威風堂々たるヴォーカルを聴かせてくれる。
 ジョンがチャック・ベリー担当とすればポールはリトル・リチャードだ。この(26)「ロング・トール・サリー」以外にも(31)「ルシール」を歌っているし、Disc-2 でも「ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ」や「オー・マイ・ソウル」でリード・ヴォーカルを取っている。後の「アイム・ダウン」や「ヘルター・スケルター」、「オー・ダーリン」でも分かるように、彼のシャウト系ロックンロールのルーツがリトル・リチャードなのだろう。それにしても「ア・テイスト・オブ・ハニー」から「ロング・トール・サリー」まで何でも歌いこなしてしまうポールの器用さには脱帽だ。この「ロング・トール・サリー」に続いて間髪をいれずに(27)「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」に突入、(32)「キャント・バイ・ミー・ラヴ」にも言えることだが、これを聴くと改めて “レノンマッカートニー曲” の素晴らしさが実感できる。もちろんカヴァーも素晴らしいのだが、曲そのものの勢いというか躍動感が段違いだ(^o^)丿
 (28)「ザ・ハネムーン・ソング」はいかにもポール好みの甘口ソングで、後年彼がプロデュースしたメリー・ホプキンの「ポストカード」にも入っていたが、どちらかというとあまりビートルズ向きではないように思う。それに比べてチャック・ベリーのカヴァー(29)「ジョニー・ビー・グッド」の圧倒的なグルーヴときたら... これぞロックンロール!、これぞジョン・レノン!、これぞビートルズ!と、思わず!の3連発をかましたくなるぐらいのカッコ良さだ。続く(30)「メンフィス・テネシー」もチャック・ベリー曲なのだが、個人的にこの曲そのものがイマイチ苦手というか単調すぎて華がないように思えるので、このディスクの後半部はいつも(28)と(30)を飛ばして(26)から(32)までの疾走系ロックンロール5連発を楽しんでいる。そしてDisc-1 のシメはポールの名唱(34)「ティル・ゼア・ワズ・ユー」というニクイ選曲だ。ジョージの歌心溢れるギターは公式テイクよりも出来が良いと思う。

The Beatles - Johnny B. Goode (Live at BBC)

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