shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「With The Beatles」デンマークの金パロ盤

2023-10-22 | The Beatles

 またしても「With The Beatles」を買ってしまった。今年だけでも、オーストラリアのラウドカット盤、UKデッカ・プレス盤、UKパイ・プレス盤、そして少し前にB-SELSで買ったアルゼンチン盤に続く5枚目である。何でまた同じレコードばかり買うのか???と不思議に思われそうだが、今回の買い物には揺るぎない大義名分があるのだ。
 これまで何度も書いてきたように私はビートルズを轟音・爆音で聴くことが無上の喜びであり、特に「With The Beatles」に関しては “究極のラウドカット盤” を探すことがライフワークになっている。もちろん理論上はUK 1stプレスのスタンパー両面1G盤が最強だと考えられるが、私が持っているのは片面1G盤なので、どうしても各国盤まで手を広げざるを得なくなってくる。
 このレコードは Discogsに載っているだけでも世界中で500種類以上ものヴァージョンが存在するらしいが、私はそれらの中から1963年にリリースされたUKマザー1Nスタンパー使用のモノラル・ラウドカット盤をすべて手に入れてやろうと心に決めて1枚また1枚と買い集めてきたのだが、最後に残った最難関盤がデンマークのゴールド・パーロフォン盤だった。
 デンマークの「With The Beatles」に関しては各国盤を集めだした頃に買ったラウドカット盤を既に持っていて以前このブログでも取り上げたことがあるが、百戦錬磨のB-SELSのSさんをして “UKの「With The Beatles」にゴールド・パーロフォンがあったらこんな感じで鳴るんじゃないでしょうか。” と言わしめたほど凄い音がする1枚だ。そのレコードはUK金パロと同じクラシックなデザインのパーロフォン・レーベルなのだが、惜しむらくは金ではなく銀文字が使用されている2ndプレス盤であり、その上位には同デザインで金文字の1stプレス盤が存在するというワケだ。
 私は “銀” であれほど凄い音がするんやからそれよりも更にプレス時期が早い “金” やったらもっと生々しい音がするんちゃうかという好奇心に抗えず、“いつかきっとデンマークの金パロを手に入れたるぞ!” と心に決めて eBay でず~っと網を張っていた。
 それから待つこと3年、ついにデイニッシュ金パロがデンマークのセラーから出品された。€200からのスタートで、私は最低でも €300ぐらいは出さなアカンのかなぁとそれなりの出費を覚悟していたが、結局誰も来ずに無風で落札... デンマーク盤の音の凄さって世間であんまり知られていないのかもしれないが、私としては大ラッキーだった。
 支払いを済ませてから発送まで1週間もかかったこともあってレコードが届くまではやきもきさせられたが、3週間経ってからやっとのことで届いたレコード盤をドキドキしながら取り出して目視チェックしたところ、盤はピッカピカで傷は皆無。スピンドル・マークも見当たらないのでほとんど聴かれてないような感じだ。
 これはひょっとすると大当たりちゃうか... とはやる心を抑えてしっかりとクリーニングを施してターンテーブルに乗せ、ワクワクドキドキしながら盤に針を落とすと、ほぼ無音状態の中からA①「It Won't Be Long」がスピーカーから勢いよく飛び出してきた。盤質がほぼM(ミント)という奇跡的なコンディションから生み出されるこの生々しいサウンドを何と表現しよう? A②「All I've Got To Do」、A③「All My Loving」もチリパチ音皆無の超クリアーな音で -1Nのラウドカット・サウンドが楽しめるのだから嬉しくってしようがない\(^o^)/ A⑥「Till There Was You」も力強く美しい音で再生されるし、A⑦「Please Mister Postman」も全く歪まずに完璧な音で鳴っている。B面も同じくらい良かったらエエなぁ... と思いながら盤をひっくり返して針を落とすと、こちらもA面に勝るとも劣らないパーフェクト・コンディションで、再生の難しいB①「Roll Over Beethoven」もこれまで聴いてきたどの盤よりも見事なバランスで朗々と鳴る。
 結局B⑦「Money」までスクラッチレス、ノイズレスの完璧な「With The Beatles」ラウドカットが聴けて大満足。聴き終えた後、ちょうど「Please Please Me」の両面1G盤を初めて聴いた時のような、言葉では表現できない圧倒的な充実感に満たされた。いやぁ~、これは最高のラウドカットやなぁ... と喜んでいたら、その翌日に何と B-SELS の「日記」コラムにこのデンマーク金パロ盤が登場しててビックリ(゜o゜)  地球の裏側で60年前にリリースされた稀少盤が2枚もほぼ同時期にこの奈良にやってくるなんて、ものすごい偶然やなぁ... と妙に感心してしまった。
 少し前に自分はあと何枚「With The Beatles」を買うことになるのか... みたいなことをここに書いたが、今度こそこれで一段落となるのか、あるいは舌の根も乾かんうちに前言撤回して又次の盤を買ってしまうのか、自分でもよくわからないが(←何となく後者になりそうな予感)、このデンマーク金パロ盤が我が家の「With The Beatles」の王座に就いたことだけは間違いない。“究極のラウドカット探し” というライフワークを達成できた満足感、ついに本懐を遂げた喜びをここにしっかりと記しておきたいと思う。