shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Shaved Fish」ペルー盤

2022-10-23 | John Lennon
 無能な日本政府と日銀のせいで円安に歯止めがかからず、ついに$1が150円を突破したこともあって、海外から好き放題にレコードを買おうという気はさすがに失せたが、それでもまだ未入手の各国盤に関しては細々とeBayでチェックを続けている。これまで1日に数回は見ていたのが最近では数日に1回のチェックで済ますあたりにヤル気のなさが表れているが、この前久々に “おぉ、これは!” と思える盤が出品された。それがこの「Shaved Fish」のペルー盤である。
 「Shaved Fish」はビートルズ解散からハウス・ハズバンドとしてセミ・リタイアするまでの70年代前半のジョンの代表曲を集めたベスト盤だが、私の知る限りではビートルズ・ファンはジョンのソロというと「ジョンたま」か「イマジン」一辺倒で、このアルバムなんか完全に黙殺されている印象が強い。それはおそらく “ベスト盤”、つまりは所詮 “寄せ集め”盤 ということでオリジナル・アルバムよりも1段も2段も下に見られているせいではないかと思うのだが、他の凡百のアーティストたちの、それこそヒット曲を寄せ集めただけのベスト盤とは違い、ジョンのこのアルバムに限って言えば、曲の配置が絶妙なせいか、前後の曲が有機的につながって大きな流れのようなものを生み出し、ある種トータル・アルバム感覚で一気通聴できてしまう “一味も二味も違うベスト盤” なのだ。私にとってこんな凄いベスト・アルバムはビートルズの「赤盤」とこの「Shaved Fish」だけである。
 というワケで大好きなこのアルバムを各国盤の様々な音作りで楽しみたいと思って色々探しているのだが、このレコードに限らずジョンのソロ・アルバムはイスラエルとウルグアイを除けば超入手困難で、滅多に市場に出てこない。いや、そもそもリリースされたのかすらも怪しいぐらい手掛かり・痕跡がないのだ。
 各国盤の中でも私が特に力を入れているペルー盤に関しては、「Rock 'N' Roll」「Double Fantasy」「Live In NYC」しか持っていなかったので、今回この盤をeBayで見つけた時は久々にコーフンし、即決で BUY IT NOWした。ドルではなくユーロ仕立てで、たまたまその時の為替レートが €1=139円だった(→今はもう145円で草も生えない...)のもラッキーだったし、スペインのセラーから買ったおかげで送料がたったの €16ですんで大助かり。ペルーのセラーから買ったら送料だけで軽く$40~$50は取られるからだ。ペルー盤はスペインやポルトガルあたりのセラーが狙い目かもしれない。
 盤質表記は VG+で細かい説明は一切なかったのでちょっと不安だったが、届いたレコードはB面のセンターレーベルが破れている以外は特に問題はなく一安心。デッドワックスを確認すると、UK盤の倍ぐらいある大きなフォントで YEX 949 C / YEX 950 C とエッチングされた独自マトで期待が膨らむ。いつものようにハミングルの超音波クリーナーで丁寧にクリーニングしてかけてみると、盤はほぼノイズレスのNM状態で大喜び\(^o^)/ 音はUKオリジナル盤よりも遥かにヌケが良く、クリアーで溌剌とした印象だ。音圧も十分で音場も雄大そのもの。私的にはUK盤やUS盤の音は真っ当すぎるというか、いまいち大人し目に思えるので、ペルー盤のはっちゃけた音作りの方が好きだ。
 そんなペルー盤「Shaved Fish」で聴くジョンの70年代の名曲の数々はまるで新しい生命を吹き込まれたかのように活き活きと躍動し、私の心に訴えかけてくる。「Rock 'N' Roll」もそうだったが、ジョンのペルー盤ってホンマにヤバいですわ(≧▽≦)