shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

11・12最強ブート盤決定戦

2014-11-16 | Paul McCartney
 今日も11・12ネタである。あの日ポールのライヴを初体験してすっかり舞い上がった私は、アウト・ゼア日本公演のブートをまるで何かに憑かれたようにガンガン買い漁った。特に自分が参戦した大阪2日目の音源は見つけ次第全部買うようにした。同じライヴを録音した盤を何種類も買うなんて一般ピープルから見れば狂気の沙汰かもしれないが、録音位置や使用機材、マスタリングによって音がかなり違ってくるので、実際に自分の耳で聴いてベストの1枚を手に入れずにはいられなかったのだ。
 そういうわけで私の手元には何種類もの11・12盤が集まったのだが、少し前に taizoさんから “EV盤とT&J盤ではどちらが良いか?” というコメントをいただいたこともあり、今日は1周年を記念して “11・12最強ブート盤決定戦” をやってみることにした。エントリーは購入順に、①PMJP盤、②Sylph盤、③Lighthouse 6枚組CDセットのDisc3と4、④Picadilly Circus盤、⑤Empress Valley盤、そして⑥T&J 盤の6枚だ。それではそれぞれの盤のインプレッションと独断的総合評価を書いてみたい。尚、比較音源はオーディエンスによるコーラス・パートがある「オブラディ・オブラダ」にしたので、興味のある方はヘッドフォンで聴き比べてみてくださいな。
 ①のPMJP盤はオーディエンス録音としては平均レベルの音で、音質を追求せずにただ思い出に浸るだけならこれで十分という感じ。低音がややブーミーに響くが決して不快ではない。臨場感たっぷりでドーム特有の残響音も多少感じられるが、むしろスタンド席で自分が聴いた音に一番近いので愛着のある1枚だ。オーディエンスのチャットも拾ってはいるが、奇声は入っていないので安心して聴けるのがいい。10点満点中6.5点。
PMJP


 ②のシルフ盤は何と言ってもリッチで厚みのある低域が特徴で、ダイナミックなライヴサウンドが堪能できる。マスタリングでかなり音を作り込んであるような感じをうけるが、まるでカブリつきで聴いているかのようなド迫力サウンドが気持ち良い。オーディエンスのチャットが気になる箇所がいくつかあるが、奇声は入っていない。ただ、プレス盤でなくCD-R盤というのが残念。10点満点中7点。
Sylph


 ③のライトハウス盤は3公演6枚組で5,800円というコスパ最強盤だが、音の方も文句なしの高音質で、迫力と臨場感のバランスも絶妙だ。Sylph盤のド迫力やEV盤のウルトラ・クリアネスのような突出した特徴こそないものの、大きな欠点のない非常に平均点の高いサウンドだと言える。ただ、裏を返せば強烈な特徴のない無難な音という感じなので、EV盤やT&J盤と聴き比べると少し物足りないかも。ウザい奇声やチャットといったオーディエンス・ノイズが入っていないのが何よりも嬉しい。10点満点中8点。
LH


 ④のピカデリー盤はネットでの前評判が非常に高かったのだが実際に買って聴いてみると中低域がスカスカで、まるでノートパソコンのスピーカーで聴いているかのような芯の無い音にガッカリ(>_<) これのどこが高音質やねん!とCDをブチ割りたくなったガッカリ盤だ。ひょっとするとウチのシステムとの相性が最悪なだけかもしれないが、ピカデリーは東京2日目がめっちゃ鮮烈な音だったのに(←コレはホンマに凄いです!)、よりにもよって大阪2日目がこんな薄っぺらい音だなんて、この違いは一体何なんだろう? この盤で敢えて良い点を探せば、オーディエンス・ノイズをほとんど拾っていないことぐらいか。10点満点中4点。
PC


 ⑤のEV盤は音質だけに限って言えば他の盤とは激しく一線を画す異次元のスーパー・ウルトラ・ハイ・クオリティ・サウンドで、サウンドボード録音と間違えそうなくらいにポールのヴォーカルをダイレクトに捉えたオンな録音は圧巻の一言。ひょっとするとオーディエンス録音ブート史上屈指の高音質録音かもしれない。しかし好事魔多しで、聴くに堪えない奇声もクリアな音で(!)結構拾ってしまっており、車に例えるなら “鳥の糞まみれのフェラーリ” という感じ。奇声が邪魔でポールの歌声に気持ち良く浸ることが出来ないのが最大の難点だ。あーもったいない!!! 全6公演中で大阪2日目の奇声が一番ひどい(←EV盤買うなら大阪初日か東京最終日に限ります!)というのも悲しい。よって私的総合評価は10点満点中8.5点。
EV


 ⑥のT&J盤は上記5枚とは違ってこのブログでは初登場なので、まずはメーカー・インフォから抜粋すると、“「T&J」というテーパー名のオーディエンス録音” で、“クリアネス重視な録音が多い昨今、このアナログチックな厚みのある音質は別格” とのこと。実際に聴いてみるとまさに看板に偽りナシのナチュラルでどっしりと腰の据わったサウンドで、全体のバランスや音の厚みなども文句ナシだ。中低域が分厚く録音されておりマイルドで聴き疲れのしない音に仕上がっているので、人によっては高域が少し物足りないかもしれないが、そんな時はトーンコントロールで高域を少し上げてやればいいだけのこと。不快なオーディエンス・ノイズが入っていないのもT&J盤の良いところだ。10点満点中9点。
TJ


 ということで優等生録音賞はLH盤、最優秀音質賞はEV盤、そして当ブログの “11・12最強ブート盤” グランプリはT&J盤に決定! 実際に上記の中で最もターンテーブルに乗る回数が多いのが他でもないこのT&J盤なのだ。EV盤は音質最高なだけに返す返すも残念だが、どうしてもあの奇声だけは耐えられないので滅多に聴かない。因みに上の6つの音源をYouTubeにアップした時に “第3者のコンテンツと一致しました” という警告が出たのがLH、EV、TJ盤の3つだけだったというのは単なる偶然だろうか? taizoさん、これが私なりの結論ですが、参考になりましたでしょーか?
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