shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Back Home Liverpool / Paul McCartney

2014-07-13 | Paul McCartney
 この前の金曜日に久々に「全日本レコードCDサマーカーニバル」に行ってきた。この何年かはレコード祭りで目ぼしい収穫が無かったこともあって案内ハガキが来てもパスすることが多かったのだが、5月の東京レコ屋巡りが楽しかったのと仕事のストレス解消の狙いもあって、昼から有休を取って梅田のアクトスリーホールまで出かけて行った。
 3日間の初日と言うことで当日は3時スタートだったが予定より早めに大阪に着いてしまったので、私は近くのレコ屋に入って少し時間をつぶすことにした。しかしディスクユニオンや西新宿エリアのブートショップが活況を呈する東京とは違い、関西のレコ屋はほぼ壊滅状態と言っても過言ではない。かつては何店舗も構えて隆盛を誇っていたカーニバルレコードやディスクJJも時代の流れには勝てず閉店ラッシュで規模縮小を余儀なくされ見る影もないし、日本橋エリアでしぶとく生き残っているサウンドパックの各店も品揃えがイマイチでわざわざ足を運ぶ気がしない。私にとって今の関西エリアで “行ってみようかな...” という気にさせるお店は京都の太陽レコードとホットライン、元町のハックルベリー、そして梅田のミュージックインぐらいしかない。ということで、祭り参戦前の時間つぶしのために会場近くにあるミュージックインに立ち寄った。
 このお店の良いところはディープなマニアをも満足させるこだわりの品揃えと良心的な価格設定だ。私はまずビートルズ・コーナーに直行したのだが、特にポール関連のブートレッグが棚一列分ぐらいドバーッと並んでいて大コーフン(^o^)丿  既に持っているアウト・ゼア・ジャパン・ツアー関連のブツが多いが、ついに “おぉコレは!” という1枚を引いた。このジャケット写真はピカデリーサーカス・レーベルがポールの2003年バック・イン・ザ・ワールド・ツアーのライヴ盤に採用しているデザインのものだ。タイトルは「バック・ホーム・リヴァプール」で2,500円の値段が付いている。
 BFのグリーンアップル・レーベルが1,000円のプレス盤をリリースしている今となっては “永久保存がっちりプレス盤” の謳い文句で6,000~7,000円というボッタクリ価格のピカデリー盤を新品で買うのには思い切り抵抗があるが、中古で2,000円台なら許容範囲内だ。裏をひっくり返して演奏曲目を確認すると、ドライヴィング・ジャパン・ツアー2002でお馴染みの曲に混じって「ハニー・ハッシュ」や「アイ・ロスト・マイ・リトル・ガール」といったレアなナンバー、「ヒア・トゥデイ」「サムシング」に続いてリンゴに捧げたと思しき「イエロー・サブマリン」、そしてポールがライヴで演ったなんて初耳の「マギー・メイ」など、“コレを買わずに何を買う?” と言いたくなるような内容だ。もうコレだけでも有休を取った甲斐があったわい!と喜び勇んでレジに向かうと、嬉しいことにこの日は20%オフのセール中ということで、結局ポールのレアな3枚組ライヴが2,000円で手に入ったのだ。これはもうこの後のレコード祭りが消化試合と化してしまうぐらいの大収穫だった。
 家に帰って調べてみると、同じデザイン&黒バックのジャケットでミスタークローデル・レーベルから高音質の別マスターで再発されたばかりらしい。確かにディスク1の低音はブーミーでキレがないがアンプのトーンコントロールで補正してやればそこそこ聴けるレベルだし、ディスク2と3ではすっかり音質も安定し、もはや音をいじる必要もない優良オーディエンス録音になっている。何よりも演奏の出来が素晴らしく、また会場の盛り上がりも凄まじいので、音質云々に関してはあまり気にならないというのが正直なところだ。
 このライヴ盤は2003年バック・イン・ザ・ワールド・ツアーの最終日である6月1日リヴァプール公演の時のもので、キングス・ドックという港に隣接している大きなスペースに仮設の会場を設営し、3万人もの大観衆を集めて行われたという。そのせいかポールの気合いの入り様もハンパなく、ノリノリの歌と演奏でオーディエンスを煽りまくっている。
 上記のレア曲の中で一番の聴き物はやはり「マギー・メイ」だろう。アルバム「レット・イット・ビー」の中でわずか40秒弱でフェイドアウトという不憫な扱いを受けていた曲だが、リヴァプールに古くから伝わるトラディショナル・ソングということでこの日のみセトリ入りしたのだろう。とにかくポールの歌声でフル・コーラス聴けるだけでも貴重だ。これでこの曲もようやく成仏できた(?)のではないだろうか?
マギーメイ


 99年キャヴァーン・ライヴの冒頭を飾っていた「ハニー・ハッシュ」はヤードバーズやエアロスミスでお馴染みの「トレイン・ケプト・ア・ローリン」の元歌で、ビートルズもゲット・バック・セッションで取り上げていた(←私にはアナログ・ブート「スウィート・アップル・トラックス」D面の「ハイホー・シルヴァー」として刷り込まれている...)ノリノリのロックンロール。こういうロックンロール・クラシックスを歌う時のポールってホンマに楽しそうやねぇ(^.^)
ハニーハッシュ


 ポールが14歳の時に初めて書いたという「アイ・ロスト・マイ・リトル・ガール」も「マギー・メイ」や「ハニー・ハッシュ」と同様にバック・イン・ザ・ワールド・ツアーではこのリヴァプール公演でしか演奏されていないが、やはり故郷であるリヴァプールでの凱旋公演ということでポールなりに特別な思い入れがあったのだろう。オーディエンスの温かい手拍子が醸し出すアットホームな雰囲気がたまらんたまらん(≧▽≦)
アイ・ロスト・マイ・リトル・ガール


 一つ面白かったのが「バンド・オン・ザ・ラン」のイントロ部のアレンジで、まるでリヴォルヴァー期のようなサウンド・エフェクトをバックにいきなりサビから入るイントロにビックリ(゜o゜)  こんなのは初めて聴いたがいかにもポールらしい実験精神に満ちたアレンジだと思う。その後のツアーでは元のアレンジに戻されているようなので、この時期のライヴでしか聴けない貴重な音源といえるだろう。
バンドオンザラン


 それと、ジョン、ジョージとトリビュート・ソングが続いた後でオーディエンスがリンゴの「イエロー・サブマリン」を大合唱し、ポールが即興で同曲を歌うというのはファンとしては聴いてて実に微笑ましいものがある。2012年のロッテルダム公演の時なんか即興イエサブでめっちゃ盛り上がっとったなぁ...(^o^)丿 まぁ去年のブラジル・フォルタレザ公演では「サムシング」の後で湧き起った “リンゴ・コール” をシレッとスルーしてたけど...(-。-)y-゜゜゜
 とにかく聴きどころ満載のこんな傑作ライヴ盤を2,000円でゲット出来るなんてホンマにラッキーだった。それもレコード祭りの時間待ちで...  やっぱりエエ盤を手に入れようと思ったら家でネットにかじりついてるだけではあきませんな(^o^)丿
イエローサブマリン
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