shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「ロックンロール」カヴァー特集① ~女性ヴォーカル編~

2013-03-10 | Led Zeppelin
 ゼップのカヴァー特集第5弾はハードロック史に燦然と輝く不朽の名曲「ロックンロール」、まずはパート1として女性ヴォーカル編からいってみます。

①Sheryl Crow
 2003年に彼女の故郷であるオハイオ州デイトンで行われたライヴの模様を収めたDVD「カモン・アメリカ2003」のラストを飾っていたナンバーがこの「ロックンロール」だ。シェリル・クロウというと1993年のデビュー・アルバム「チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ」しか持っておらず、ヒット・シングルの「オール・アイ・ウォナ・ドゥー」に代表されるリラクセイションに満ちたグルーヴィーなサウンドというイメージが強かったので、YouTubeで「ロックンロール」のカヴァーを探していてコレを見つけた時は “あのシェリル・クロウがゼップをカヴァーしてるんか?” と狐につままれたような感じだったが、実際に映像を見てみるとコレがもう我が目を疑うくらいの圧倒的なパフォーマンスでビックリ... USAな衣装を身に纏い、裸足でグランドピアノの上に飛び乗って身体をくねらせながらオーディエンスを煽りまくる姿がめちゃくちゃカッコ良く、ロックに不可欠なエネルギーとスピード感がビンビン伝わってくる。とにかく熱いのだ。ゼップ・ファンならギタリストを左右対称に映し出す粋な映像処理にもニヤリとさせられるだろう。
Sheryl Crow " Rock And Roll " #High Quality#


②Stevie Nicks
 シェリル・クロウのゼップ・カヴァーにもビックリしたが、ある意味それ以上に衝撃的だったのがフリートウッド・マックの “妖精” スティーヴィー・ニックスが歌う「ロックンロール」だ。この曲が入っている彼女のオールタイム・ベスト盤「クリスタル・ヴィジョンズ」に付いていた彼女のライナーノーツには、ゼップは彼女のカレッジ時代からの超お気に入りロック・バンドだったこと、ずっとこの曲をレコーディングしたかったが周りから “絶対に無理” と言われて余計にこの曲を歌いたいと思うようになったこと、2006年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでシックのナイル・ロジャースとこの曲を演ってステージ袖で聴いていたロバート・プラントに褒められたのが生涯最高の想い出の一つになったことなど、興味深いエピソードがが綴られている。下に貼り付けたのは2007年のライヴ映像だが、ややぽっちゃり体型になったもののドスの効いたべらんめぇヴォーカルは相変わらず健在で、その溌剌とした歌いっぷりはとても還暦目前(!)とは思えないくらいエネルギーに満ち溢れている。
Stevie Nicks - Rock and Roll


③Heart
 ゼップのカヴァー特集で最多出場を誇るハートだが、私が初めて聴いたハートのゼップ・カヴァーが「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ」に入っていたこの「ロックンロール」だった。アルバム収録ヴァージョンは1980年のシアトルでのライヴの時のもので、まだ巨大化してヒグマみたいな体型になる前の、若かりし頃のアン・ウィルソンの突き抜けるようなハイトーン・ヴォイスが炸裂! まさに怖いモノ無しといった感じで疾走するウィルソン姉妹の姿は理屈抜きのカッコ良さに溢れている。尚、このアルバムにはもう1曲、ビートルズの「アイム・ダウン~ロング・トール・サリー」のメドレーがライヴ・ヴァージョンで収められており、そちらもハートの魅力満載の素晴らしいカヴァーに仕上がっている。
Heart Rock'n Roll 1982

Heart - I'm Down/ Long Tall Sally (Live)


④SHOW-YA
 アンとナンシーのウィルソン姉妹率いるハートがアメリカの “女版ゼップ” なら、日本のカウンターパートはこの SHOW-YA だろう。ライヴのオープニングSEに「移民の歌」を好んで使っていることからも分かるように、彼女達はゼップの遺伝子を受け継ぐ正統派ガールズ・ロック・バンドだ。ロスのロキシー・シアターでのライヴの模様を収めた「ディスタンス・オン・ゼア・ウェイ -1990 イン LA-」という DVD に入っているこの曲でもパンチの効いた寺田恵子のヴォーカルが楽しめて言うことナシ(^.^)  バンドが一体となって全力で突っ走る様は痛快そのものだ。
SHOW-YA ROCK'N ROLL


⑤Lita Ford
 これは“70年代ロックを80年代ロック・ミュージシャンによって90年代に蘇らせよう” というコンセプトの下、80年代にホワイト・スネイクやキングダム・カムといった “歌モノ・ハードロック” のプロデューサーとして名を馳せたキース・オルセンが中心となって作り上げた日本企画によるゼップ・トリビュート盤「ステアウェイ・トゥ・ヘヴン」(1997)に入っていたもので、元ランナウェイズのギタリスト、リタ・フォードがオリジナルに忠実なアレンジで活きの良いヴォーカルを聴かせてくれる。ドラムの音が少々軽いのが玉にキズだが、リタとティム・ピアースのツイン・ギターは聴き応え十分だ。
Lita Ford - Rock and Roll (Led Zeppelin cover)