shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

A Pleasing Pounding / Zepparella

2013-03-26 | Led Zeppelin
 今日もゼッパレラ・ネタでいこう。彼女達のことをネットで色々調べてみたところ、バンドの創設メンバーはドラマーのクレメンタインとギタリストのグレッチェン・メンの二人で、彼女達はゼッパレラ結成前は AC/DC のレディース・トリビュート・バンドである AC/DShe (←このバンド名ワロタ...)で活動していたとのこと。クレメンタインがフィル・ラッドをパロッた “フィリス・ラッド”、グレッチェンがアンガス・ヤングをパロッた “アグネス・ヤング(笑)” を名乗ってブイブイいわしていたらしい。これ↓がその頃のライヴの様子だが、ギブソンSGを抱えスクールガール・ファッションに身を包んでアンガスになりきるグレッチェンの姿が拝める超お宝映像だ。
AC/DShe "United States" Whole Lotta Rosie.m4v


 そんな二人がゼッパレラを結成したのは2004年のことで、当初はヴォーカリストとベーシストを固定しない practice project として活動していたという。やがてヴォーカルのアンナ・クリスティーナ、ベースのニラ・ミネロクをパーマネント・メンバーに迎えて制作されたのが先述の2枚のライヴ CD というわけだ。私はこの第1期ゼッパレラのラインナップこそがベストだと思っているが、残念ながらアンナとニラは他のプロジェクトに参加するために2010年末にバンドを離れており、現在のメンバーはヴォーカルがノエル・ドーティ(←声質がロックよりもポップス向きやと思う...)、ベースはアンジェリン・サリス(←顎のラインがジョーンジーに似てるかも?)だ。
 前回書いたように彼女達の1st アルバム「Live at 19 Broadway」は首尾よく手に入れることが出来たのだが、2nd アルバム「A Pleasing Pounding」の方は残念ながらアマゾンの日・米・英のどこを見ても鬼のようなプレミア価格になっていて全く手が出ない。MP3ダウンロードは大嫌いだし(←ありがたく試聴だけはさしてもらいました...)伝家の宝刀 eBay にも出ていない。最後の手段として世界中のレコード店やコレクターが出品しているグローバル・オンライン・マーケットをいくつか当たってみると、ラッキーなことに GEMM というサイトに「Pleasing Pounding」が1枚だけ出ていた。それも $12.50 という良心的なお値段でだ。わかる人にはわかると思うが、このようにあの手この手を使いながら入手困難盤を安く手に入れることが貧乏コレクターのささやかな喜びなのだ(←後になって知ったのだが、これらのCDは彼女達のHPで$20で買えるようだ...)。
 届いたCDはデジパックになっており、What Are Records? というこれまた聞いたことのないインディーズのレコード会社名が記されている。手作り感漂うメディア(←今回はちゃんとした銀色で正規プレス盤ぽいけど...)といい、レーベル面外周の “Led Zeppelin Forever” といい、作りは「Live at 19 Broadway」と同じである。中身の方は2007年9月7日のレッド・デビル・ラウンジ(サンフランシスコにある有名なライブハウス)におけるライヴ・レコーディング。オープニングの①「移民の歌」は唯一前作とかぶっている曲だが、2年の月日が経っているだけあって、同じ曲なのにこちらの方が遥かに演奏の出来が良い。
 デビュー・アルバムと比較して感じたことは、バンドとしての演奏力の向上だけではない。良い意味で選曲が渋いのだ。「コミュニケイション・ブレイクダウン」「胸いっぱいの愛を」「ハートブレイカー」「移民の歌」「ブラック・ドッグ」「ロックンロール」といった初期の代表的なナンバーが中心だった前作とは違い、このアルバムでは中期の作品が多く選ばれており、さながら “裏ベスト” 的な様相を呈しているのだ。中でも全9曲中の約半分にあたる4曲がアルバム「フィジカル・グラフィティ」から選ばれているところに注目したい。何よりも嬉しかったのは彼女達が②「シック・アゲイン」や⑤「カスタード・パイ」といった私の愛聴曲を演っていること。特に大好きな②ではオトコ顔負けの骨太な演奏を聴かせてくれており、彼女達を単なるレディースのコピバンと侮っていると驚倒すること間違いなしだ。
Sick Again - Zepparella

Zepparella - Led Zeppelin's - Custard Pie - On Stage In Tahoe -


 10分を超える⑦「イン・マイ・タイム・オブ・ダイング」も大熱演だ。この曲ってゼップの中でもカヴァー難易度がかなり高い “体育会系” のナンバーだと思うのだが、このグルーヴ感溢れる演奏を聴けば彼女達がいかに気合いの入ったコピーバンドか分かるだろう。「フィジカル・グラフィティ」以外のナンバーでは⑨「ジ・オーシャン~ブリング・イット・オン・ホーム」が出色の出来。うねる様なグルーヴを生み出すことによってゼップ独特のあの空気感を上手く再現しているのだ。セクシーな美女4人組が見かけとは裏腹に野太いサウンドでゼップを豪快にカヴァーする... 何ともまぁ痛快ではないか! このノリであの難曲中の難曲「アキレス・ラスト・スタンド」を始めとして本家が「祭典の日」ライヴで取り上げなかった曲なんかもゼッパレラ流の解釈でどんどんカヴァーして聴かせてくれたら最高だろう。ゼップのDNAをしっかりと受け継いだアマゾネスの飛行船ゼッパレラ号の今後が大いに楽しみだ。
Zepparella - In My Time of Dying (Rockfest, September 8, 2012)

ZEPPARELLA performing - "BRING IT ON HOME" at the NUGGET in Sparks Nevada, Lake Tahoe Music