shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

傑作マッシュアップ・リターンズ・アゲイン! ~Go Home Productions特集~

2012-10-13 | Mashup
 イギリスを拠点に活動するプロデューサー兼リミキサー兼DJ、マーク・ヴィドラーによるプロジェクトである Go Home Productions は以前取り上げたオーストラリアの Wax Audioと並ぶお気に入りのマッシュアップ・アーティスト。Wax Audio 同様、そのHPで様々な作品を無料ダウンロードできるというのも嬉しい。ということで、今日は完成度の高いマッシュアップを次々と連発して楽しませてくれる Go Home Productions の特集です。

①「Imagine」(John Lennon)+「Band On The Run」(Paul McCartney & Wings)
 ビートルズのマッシュアップはたくさんあるが、ソロ作品となると目ぼしいものは結構少ない。使えそうなネタが一杯あるのになぁ...と思っていた矢先に出くわしたこの作品、ジョンの「イマジン」のバック・トラックのテンポを上げ、そこにポールの「バンド・オン・ザ・ラン」のヴォーカル・トラック(←こちらは逆にテンポを少し下げてある...)を組み合わせるという大胆不敵なアイデアが痛快そのもの。曲のテンポをいじるという裏ワザには賛否両論あるだろうが、ジョンとポールの映像をサイド・バイ・サイドで配した涙モンのビデオも含め、私はこの「イマジン・ザ・バンド」が大好きだ。
Go Home Productions "Imagine The Band" (Lennon/Wings)


②「Downtown」(Petula Clark)+「Octopus's Garden」(The Beatles)
 最初この「ダウンタウン・オクトパス」というタイトルを見た時、 “いくら何でも合うわけないやろ...” と思ったが、実際に聴いてみてビックリ(・o・)  まるでビートルズをバックにペトゥラ・クラークが歌っているかのような自然な仕上がりで、リンゴの刻むリズムとペトゥラのヴォーカルが見事にシンクロしているし、エンディングの処理なんてこれ以上ないと思えるくらい完璧にキマッているのだ。この組み合わせを思いつきマッシュアップの楽しさ溢れる傑作に仕上げた職人さんのセンスに脱帽である。
Go Home Productions - Downtown Octopus (Petula Clark vs The Beatles)


③「Sultans Of Swing」(Dire Straits)+「I Can't Stand Losing You」(The Police)
 ダイアー・ストレイツとポリスという、まるでプリンス・トラストを絵に描いたような(?)このマッシュアップ、今やロック・クラシックスと言ってもいい「悲しきサルタン」のイントロに続いて出てくるのはマーク・ノップラーのディラン的酔っ払い唱法ではなくスティングの甲高い歌声なのだが、これがもう驚異的というしかないシンクロ率(゜o゜)  スティングをゲスト・ヴォーカルに迎えた「マネー・フォー・ナッシング」の大ヒットで耳が慣れているせいかもしれないが(←ライヴ・エイドでも共演してたし...)、ほとんど何の違和感も感じずにスーッと聴けてしまうのが凄い。ただ、中間部にポリスの「ウォーキング・オン・ザ・ムーン」を挿入したのは上手の手から水が漏れたというか、ハッキリ言って蛇足だと思うのだが...
Go Home Productions "I Can't Stand Sultans Of Swing"


④「2000 Light Years From Home」(Rolling Stones)+「Get It On」(T.Rex)
 アルバム「サタニック・マジェスティーズ」に収録されていたこの「2000光年の彼方に」という曲はストーンズ・ナンバーの中でも異色中の異色だが、サイケな雰囲気横溢のこの曲にマーク・ボランの「ゲット・イット・オン」のヴォーカル・トラックが被さると相乗効果で妖しさが倍増、ビートルズの映画「マジカル・ミステリー・ツアー」(←明日14日の深夜にフジテレビ系で完全ノーカット放送やるらしいですな...関テレはやらんみたいやけど...)にぴったりハマりそうなトリップ感満点の映像も含めて実にクールな仕上がりで、私的にはマッシュアップの隠れた名作だと思っている。
Go Home Productions "2000 Light Years From Bolan" Rolling Stones-T.Rex


⑤「Baba O'Riley」(The Who)+「Like A Virgin」(Madonna)
 Go Home Productions の作品を YouTube で検索していてこの「ヴァージン・オライリー」というタイトルを見つけた時は “まさか...” “ありえへん...” と思ったが、タイトルを恐る恐るクリックしてみるとやっぱりザ・フーとマドンナだった(・o・) しかし、しかしである。いざ聴いてみるとコレが結構イケるのだ。両者のビデオ・クリップを並列し、マドンナがクネクネと身をよじらせて歌う横でロジャーやピートが暴れ回るという構図には思わず笑ってしまうが、こんな奇想天外な組み合わせをシンクロさせてしまうGo Home Productions ってマジで凄いと思う。でもコレを聴いたらピートは何て言うのかな???
Go Home Productions "Virgin O'Riley"