shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ゴフィン&キング特集4 【番外編】

2011-11-23 | Oldies (50's & 60's)
 山本リンダじゃないが、もうどうにも止まらないゴフィン&キング特集。第4弾は男性/女性/ソロ/グループを問わず何でもアリの【番外編】でいってみます。

①Some Of Your Lovin' / Dusty Springfield
 私はダスティ・スプリングフィールドのかなりのファンで、フィリップスのオリジナル盤を何枚も買うほどその歌声に惚れ込んでいる。初心者の頃はBCRの「二人だけのデート」のオリジナル・シンガーという認識しかなかったが、やがて「風のささやき」や「サニー」を聴くに至って聴き手の心を揺さぶるようなその歌声に完全KOされ、「クロース・トゥ・ユー」や「ジス・ガイ」といった一連のバカラック作品で更なる深みへとハマッていったのだ。そんなダスティがバカラックと並んで数多く取り上げているのがゴフィン&キングのナンバーで、中でもこの「サム・オブ・ユア・ラヴィン」では彼女の持ち味である “ソウルフルでありながら気負いのないナチュラルな感情表現” を心ゆくまで堪能できる。歌詞の一語一語に魂を込めて歌うダスティ... 心に沁み入る歌唱とはまさにこのことだ。
Dusty Springfield - Some Of Your Lovin' [HD video]


②Go Away Little Girl / Steve Lawrence
 日本でスティーヴ・ローレンスと言えば、竹内まりや姐さんが「ロングタイム・フェイヴァリッツ」でカヴァーした「フットステップス」(邦題は「悲しき足音」)が有名だが、彼の最大のヒット曲はゴフィン&キングにとってシュレルズ、ボビー・ヴィー、リトル・エヴァに続く通算4曲目の、そしてスティーヴ自身にとって唯一の全米№1に輝いたこの「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」(1963)だ。この曲は1971年にもダニー・オズモンドによるカヴァーで全米№1になっているが、私的には渋~い男の魅力溢れるスティーヴのオリジナル・ヴァージョンが一番好きだ。派手さはないけれど、何度も聴いているうちに病み付きになるという、ゴフィン&キング作品中屈指のスルメ・チューンだ。
Steve Lawrence - "Go Away Little Girl" (1962)


③Wasn't Born To Follow / Byrds
 バーズというとすぐにフォーク・ロックがスベッただの、サイケデリック・ロックがコロンだだの云々されるが、私的にはあのジョージ・ハリスン直系のリッケンバッカー12弦ギターと独特の浮遊感を誇るコーラスさえ聴ければ大満足。1968年のアルバム「ザ・ノトリアス・バード・ブラザーズ」に入っていたゴフィン&キング作のこの「ワズント・ボーン・トゥ・フォロー」は後に映画「イージー・ライダー」の挿入歌として使われたことでも有名な曲で、カントリー・フレイバーのかかった S&G (?)にモンキーズのポップさを注入し、ピリリと辛いサイケなアレンジでスパイスを効かせてみました、といった感じの面白いナンバーに仕上がっている。それにしてもゴフィン&キングってホンマに色んなスタイルの曲を書きますね。
The Byrds- I Wasn't Born To Follow


④This Little Girl / Dion
 ディオンは1958年にデビューして以降、ベルモンツを従えた「ティーンエイジャー・イン・ラヴ」や「ホェア・オア・ホェン」、デル・サテンズを従えた「ラナラウンド・スー」(全米№1!)や「ワンダラー」とヒット曲を量産していたが、1962年末にそれまで5年間在籍していたローリー・レコードを離れ CBSコロムビアへと移籍、全米2位まで上がった移籍第1弾「ルビー・ベイビー」に続くシングルがゴフィン&キングの「ジス・リトル・ガール」で、バックはデル・サテンズが務めている。ローリー時代のホワイト・ドゥー・ワップ路線を引き継いだようなこの曲ではドゥー・ワップ・ソングの聖典とでも言うべきデル・ヴァイキングスの「カム・ゴー・ウィズ・ミー」を彷彿とさせるような洗練されたコーラスが楽しめて言うことナシ。レコード会社は変わっても “ディオンに駄作なし” なのだ。
This Little Girl - Dion


⑤悪口はやめて / 木の実ナナ
 日本人によるゴフィン&キング・カヴァーの第一人者は「ロコモーション」「オールド・スモーキー・ロコモーション」「ターキー・ダンス」「アイ・キャント・ステイ・マッド・アット・ユー」と4曲も取り上げた伊東ゆかりだろうが、それでは当たり前すぎて面白くないので、珍盤好き(笑)の当ブログとしてはかなりの変化球であるのを承知の上で、若き日の木の実ナナがカヴァーしたクッキーズの「ドント・セイ・ナッシング・バッド・アバウト・マイ・ベイビー」(邦題:「悪口はやめて」)にしよう。彼女に関しては長い間 “女優” のイメージしかなかったので、数年前にジャンニ・モランディの「サンライト・ツイスト」繋がりで彼女の1963年のヒット曲「太陽の下の18才」を聴いた時はビックリ。中々エエやん(^.^) その2ヶ月後に出たシングル「サタデイ・ナイト」のB面に入っていたこの曲でもコーラスのジャニーズとのホノボノした掛け合いの端々に “キカンボ娘” な歌唱が炸裂して聴き手の頬を緩ませる。彼女の場合、ザ・ピーナッツやミコたんカヨたんのような優秀なブレーンに恵まれなかったせいかアレンジも作り込みも中途半端なカヴァー曲が多い中で、この曲はよく出来ている部類に入ると思う。まぁオリジナルのクッキーズには遠く及ばないにしても...(>_<)  尚、バックの演奏は寺内タケシとブルージーンズだ。
悪口はやめて

The Cookies - Don't Say Nothing Bad About My Baby