shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ゴフィン&キング特集1 【女性ヴォーカル編】

2011-11-13 | Oldies (50's & 60's)
 先日、みながわさんから “ゴフィン&キングの曲がたくさん聴ける盤を紹介してほしい” とのリクエストをいただいた。基本的に私はこれまでずっとアーティストを軸に音楽を聴いてきたが、中村八大や筒美京平といった作曲家に注目することによって昭和歌謡の楽しみ方が広がったように、オールディーズに関してもコンポーザーを視点の中心に据えてみるのも面白そうだ。ということで、唐突ですがゴフィン&キングの特集です。第1回は王道中の王道、【女性ヴォーカル編】から...(^o^)丿

①The Loco-Motion / Little Eva
 “ゴフィン&キング” という名前は知らなくても「ロコモーション」は知ってるぞ、という音楽ファンは多いだろう。この曲こそまさに “ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング” の代表作であると同時に、ブリビル・サウンドのもう一方の雄である “ジェフ・バリー&エリー・グリニッチ” の作品「ビー・マイ・ベイビー」と並ぶガールポップ・クラシックスの最高傑作。元々は「マッシュド・ポテト・タイム」をヒットさせたディー・ディー・シャープ用に作られた新曲で、結局は不採用になったのだが、ゴフィン&キング夫妻のベビーシッターだったリトル・エヴァに歌わせたデモ・テープをアルドン・ミュージック出版のドン・カーシュナーが気に入って、自分が作ったディメンション・レーベルからリリースしたところ、爆発的にヒットして全米№1になったというエピソードは有名だ。グランド・ファンク・レイルロードやシルヴィ・バルタン、伊東ゆかり、カイリー・ミノーグといった様々なジャンルのアーティストにカヴァーされている不朽の名曲である。
Little Eva The Locomotion


②Up On The Roof / Julie Grant
 ジュリー・グラントは “イギリスのバカラック” の異名を取る天才プロデューサー、トニー・ハッチ(←ペトゥラ・クラークの「ダウンタウン」の作者としても有名ですね...)が売り出した女性シンガーで、1963年に全米5位まで上がったドリフターズのヒット曲(←邦題を「屋根の上」(笑)ではなく「小さな幸せ」としたセンスはお見事!)を彼女がカヴァーしたのがコレ。この人のことは全く知らなかったので、今回の “ゴフィン&キング” 特集で一番の収穫といえる1曲だ。こういう隠れ名演との出会いこそが音楽ファンにとっての小さな幸せであり、きっかけを作って下さったみながわさんに感謝感謝である。筒美京平先生にも影響を与えたと思しきトニー・ハッチお得意の軽快なストリングス・アレンジが絶品やし、 “この世界にウンザリした時は屋根の上に登ると悩み事なんて宇宙の何処かへ消えてしまう... ここはとっても平和で下界の煩わしさを忘れさせてくれる素敵な場所... 二人分のスペースは十分あるわ” という歌詞なんかもう最高デス(^.^)
Julie Grant - Up On The Roof


③I Can't Stay Mad At You / Skeeter Davis
 「エンド・オブ・ザ・ワールド」一発でオールディーズ・ファンを虜にしたカントリー・ポップ・シンガー、スキーター・デイヴィス。あの曲のイメージが強すぎたのか、はじめてこの曲を聴いた時はビックリした。ニール・セダカの「ブレイキング・アップ・イズ・ハード・トゥ・ドゥ」、あるいはそのセルフ・イミテーション「ネクスト・ドア・トゥ・アン・エンジェル」にそっくりではないか! イントロに続いて “Don't take your love away from me~♪” とセダカの甲高い歌声が流れてきてもほとんど違和感の無いレベル(笑)  筋金入りのセダカ・マニアを自負し、「オー・キャロル」へのアンサー・ソング「オー・ニール」まで作ってしまったというキャロル・キングらしい1曲だが、私はこの曲が大好き(^.^) 彼女のニール・セダカに対する深い愛情とリスペクトに溢れたオマージュとして愛聴している。
Skeeter Davis - I Can't Stay Mad at You


④Dreamin' About You / Annette
 「パイナップル・プリンセス」や「トレイン・オブ・ラブ」でチャーミングな歌を聞かせるオールディーズ・ポップス界のアイドル、アネットが1961年にリリースしたシングルがこの「ドリーミン・アバウト・ユー」。オリジナル・アルバムには未収録の貴重な音源で、私の知る限りでは彼女が歌う唯一の “ゴフィン&キング” 作品だが、タイトル通り、彼女の持ち味を十分に活かした夢見るようなガールポップに仕上がっている。やっぱりオールディーズはエエなぁ...(^.^)
ANNETTE DREAMIN' ABOUT YOU


⑤The Old Crowd / Lesley Gore
 クインシー・ジョーンズのプロデュースによるデビュー曲「イッツ・マイ・パーティー」がいきなり全米№1に輝き、続く「ジュディーズ・ターン・トゥ・クライ」も全米5位まで上がったレスリー・ゴーアの3rd シングル「シーズ・ア・フール」(邦題は「ラッキー・ガール」)のB面にヒッソリと収められていたのがこの「ジ・オールド・クラウド」。ノリノリのバック・コーラスと弾けるようなハンド・クラッピングがウキウキワクワク感をかき立てる、まさに絵に描いたようなガール・ポップスだ。コレほどの名演がB面というのはもったいない気もするが、60's前半というのはそれだけ楽曲面で充実した凄い時代だったのだろう。
Lesley Gore - The Old Crowd w/ LYRICS
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