shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ダーリング / 沢田研二

2011-10-05 | 昭和歌謡・シングル盤
 歌謡曲のシングル盤という比較的マイナーなジャンルだったせいもあるだろうが、9月の初めに行った日本橋猟盤ツアーは大成功で、レコ屋廻りはそろそろリタイアしようかと思っていた私に実際にお店で希少盤を手にした時のワクワクドキドキ感を思い出させてくれた。さすがにジャズやロックのオリジナル盤は eBay に限ると思うが、こと昭和歌謡に関しては時々レコ屋を廻ってヤフオクだけでは手に入らないブツを補完していくのがよさそうだ。
 ということですっかり味をしめた私が次に狙いを定めたハンティング・エリアは京都である。京都のレコ屋廻りは2002年にネット・オークションを始めて以降ずーっとご無沙汰していたから約10年ぶりだ。当時はジャズのレコード目当てに廻っていたので、歌謡曲を置いていそうなお店は全然知らない。手持ちのレコードマップは古すぎて使い物にならないので、ネットで京都の中古レコード屋を検索していくつかピックアップし、月が替わって急に涼しくなった先週の土曜日に京都猟盤ツアーを敢行した。
 奈良から京都まで近鉄→京阪と乗り継いで昔のように四条河原町界隈からスタート、ネットに “GSと歌謡曲に強い” と出ていた Second hanZ というレコ屋を目指してオーパ沿いに細い道を歩く。しかしお店があるはずの場所にはドデカイ高層ホテルが建っていてレコ屋のレの字もない。やはり時代の波に呑まれて消えていった多くのレコ屋と同じ運命を辿ったのだろうか? ユニークな品揃えで面白そうなお店だっただけに残念だ。
 いきなり出鼻を挫かれた格好だがめげずに新京極通りを北上して次なる目的地である Kikuya Records へと向かう。ここはすぐに見つかったが中に入ると店内はレゲエ一色で完全に場違いな雰囲気だ。レゲエは大の苦手なので急いで店を出る。予定していたお店は5つだったが、ツアー開始後まだ15分と経たないうちに2連敗である(>_<) 残り3店のうち2つも5年ぐらい前のネット情報なので段々不安になってくる。
 御池大通りを渡って市役所の敷地を横切るとかつて通い慣れた Hard Bop の看板が目に入るが当然パス(笑)、私が入ったのはそのすぐそばのビルの3Fに新しく出来たレコ屋で、 100000t と書いて “じゅうまんとん” と読む。2年前に惜しくも閉店したビーバー・レコードの元スタッフの方が始められたお店らしい。どちらかというとガチガチのレコ屋というよりはレコードとCDをメインに古本なんかも置いてあるリサイクル・ショップ的なノリがいかにも京都といった感じ。広々とした店内の奥には何故かソファーが置いてあったりして何ともゆったりした雰囲気が漂う。
 右手の壁に掛かっているLPレコードはジャズ、ロック、ブルースが中心で、左手のCD棚はチェックしなかったが、中央のエサ箱には70~80年代の洋楽邦楽シングルがギッシリ詰まっている。商品の値付けは非常に良心的で、シングル盤なんか100円均一かと思うぐらい安い。さすがに私の探しているような60年代の希少盤は少ないが、「歌謡曲」「GS」と並んで「お笑いトラの穴」などという怪しげなコーナー(笑)もあって、その筋系の珍盤が好きな人なら格安で掘り出し物が見つかりそうだ。そんな中、100円という安さに釣られて衝動買いしたのがジュリーの「ダーリング」である。
 私が中学高校時代を過ごした70年代、ジュリーはまさに超の字が付くスーパースターだった。私の聴く歌謡曲はGSを除けばその99% が女性歌手だが、昔からジュリーだけは別格で、男の色気を湛えたザ・ワン・アンド・オンリーな彼の歌声も、歌謡ロックの王道といえるキャッチーでノリの良い楽曲の数々も、ヴィジュアル効果満点のド派手な演出も、そのすべてが大好きだった。彼こそ昭和歌謡史上屈指のエンターテイナーであり、歌いながら帽子を投げたり、バーボンを口に含んで霧みたいに吹いたり、電飾の衣装にパラシュートを背負ったり、私なんか “今度は何をやるんやろ?” と彼の新曲が出るのを今か今かと心待ちにしていたものだが、とにかく何をやってもサマになるのが70年代のジュリーだった。
 1978年にリリースされたこの「ダーリング」はジュリーにとって、「危険なふたり」「追憶」「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」に続く通算5枚目の№1シングルで、作曲したのは元スパイダースの大野克夫。前年に歌謡界を席巻した「勝手にしやがれ」を更にゴージャスにリファインしたようなカッコイイ歌謡ロックである。特に後半部で “春が来ても 夏が来ても~♪” と一気にたたみかけ、ラストで “ダァ~~~ リ~ング♪” とキメるところなんかもう最高だ(^o^)丿 テレビでこの曲を歌う時は何故か船員風のマリンルックだったが、何といってもインパクト絶大だったのが例の指をなめる振り付けで、ただチュバッと指をなめてるだけなのに何かめちゃくちゃカッコ良くて、カラオケなんかに行った時は得意満面でよくマネをしたものだ(←アホ?)。
 シングル盤のジャケットに写っている女の子は今の今まで人形だとばかり思っていたが、ジャケ裏の隅に “Model:アントニア” と書いてある。まさか人形に名前付けへんやろし、本物の人間なんやということを初めて知ってビックリした。それにしてもジュリーって何しててもホンマにカッコエエなぁ。今度の3連休は昔の思い出に浸りながら YouTube でジュリー三昧でもしようかな...(笑)

☆78年にTBSの サウンド・イン"S" に出演した時の映像。この時ジュリーはまだ30歳。何かめっちゃ懐かしいな~(^.^)
Darling (Julie Kenji Sawada) J-pop  沢田研二


☆こちらは94年のライヴ映像。惜しげもなく指ナメを連発、歌い終わった時の爽やかな笑顔も最高デス (^o^)丿
★ふりふり ダーリング・・・by ジュリー
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