一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

宮尾登美子

2015-01-24 15:25:28 | 読書


  暮に作家の宮尾登美子さんが亡くな
  って(12月30日)
  あれよあれよという間に1月もあと
  一週間になってしまった。

  88歳。老衰。

  これを新聞でみて、あれ、いまでも
  「老衰」という死に方(?)がある
  のかと、驚いた。
  というか、なんのかんのというより
  「老衰」で死ぬのがいいなあ、と
  思っていたからである。

  余談はさておいて、
  いまさら言うまでもないが、
  宮尾登美子というと、その出自。

  高知の遊郭で芸妓紹介状をいとなむ
  父のもとに生まれ、
  その生業が原因で女学校も不合格
  になった。

  若い頃の私はこんなこともエッセイ
  で読んで衝撃的だった。

  そして何といってもデビュー作。

  書いても書いても芽が出ず、
  『櫂』を自費出版したのが46歳
  のときである。
  これは小さい頃から劣等感を抱い
  ていた生家の職業について書いた
  ものであった。

  これが駄目だったら筆を折ろう、
  と思ったという。

  結局、これが出世作となり、
  53歳のときには『一絃の琴』で
  直木賞に輝いた。

  晩年、こういっていたという。
  「一生懸命、沢山の作品を書いた
  から、もう書くことがないのよ」

  まさに氏のような人に許される
  ことばであろう。
  
  
  

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