地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

第16回水彩人展始まる

2014-09-21 04:07:03 | 水彩画


三重の尾鷲のそばの半島 20号 アルシュ だいぶ昔の絵である。20年くらい前に描いた絵だと思う。今更のことだ。この場所にこだわって、ずいぶん描いた。このように窓から見える民宿があった。





第16回水彩人展が始まった。といっても展覧会自体は、上野の東京都美術館で9月25日(木)~10月3日まで(金)開催する。同人が17名。会員が24名。の同志的集まりである。全国的な公募展にして、今年は123人の応募があった。今日も審査の続きがあるのだが、水彩人の目指す方向を理解して応募している人が増えた。純粋な水彩画の研究会として始まり、今もその方向に進んでいる。そんなこと当たり前のことのようだが、案外に難しい。水彩画と言っても、水彩の素材の意味を研究している様な絵画展は、他にはないと思う。こんなことを言いきると、まさかと思われるかもしれないが、現実の水彩画の公募展というものは、水彩画は押しやられているのだ。淡彩画とか、下描きとか、スケッチ画とか、アクリル画。水彩という材料を絵画としての本質を表現することにふさわしい材料だと考えている。ところが、水彩の性質を利用した作品が意外に少ない。

水彩人は水彩という素材を絵画表現に生かそうという考えで集まり、研究を続けてきた。まだ道半ばではあるが、水彩を研究する場としては、充実してきたと思う。本来は公募展にしないで、ただの研究グループでいたかった。別に大きくしたらよい研究が出来ると言うことでもない。互いを信頼して、思ったことを腹蔵なく語り合える環境が研究には大切である。しかし、銀座でのグループ展会場が次々に閉鎖ということもあり、上野の都美術館で開催する以外になくなった。始めは都美術館でグループ展を行っていたのだが、改装される機会に、公募展としなくては会場を借りられないということが出てきた。グループ展として進むのか、公募団体に変わるのかの議論は、今でもくすぶっていない訳ではない。公募にして3年目に成る。水彩人という船は動き出してしまった。こうなってみれば、社会的責任の様なものも、ないとは言えなくなってきた。

展示している作品について、本気で批評を戦わそうと言う絵画展である。そういうことが会の規約にも謳われている。規模が大きくなっても、本質を変えることなく、どこまで研究的団体として続けることができるかである。立ち上げから継続している人は、4人に成ってしまった。会場で、互いの絵について、激論が戦わされているような絵画展にしたいのだ。さらに、絵を展示するだけでなく、仲間で絵を持ち寄って研究するような場を作らなければならないと感じている。何故、こうした場を作るのか考えることがある。絵を描くと言うことは、社会的には私ごとに成った、と考えている。社会的影響とか社会的意味とかいう方向から考えれば、絵は商品である。自分がやっていることを、そういう方向からは到底考えられない。しかし、自分という人間にはとても重要なことである。たぶん、それぞれにとっては人間のすべてであると言えるような人が沢山いる。そうした個人的な思いをどのように紡ぎ合うのかということである。

今年の私の担当は、目録を作ることと、絵葉書を作ることであった。会場展示では2室の担当である。そして、27日には会場に置いて、作品の批評会。28日の日曜日には、水彩画研究会を開催する。稲刈りも控えている。イノシシも出ている。それでもともかく今は水彩人展である。

声明文

現代美術は、一見急速な進歩を遂げ、
自由で広大な世界を開いたはずであった。
しかし今日、絵画は 自由とは反対に自らの方向性を失い、
細分化され、窒息状態に陥っている。
刹那的な方法論をふり回したり、
短絡的に新しい表現方法に頼ることが、

絵画の本来もっていた大らかな豊かさを 失うことに
拍車をかけてしまったのではないか。
我々が ここに示すひとつの試みは、
これ以上「外」に向かって切り開こうとする姿勢よりも
むしろ「内」に向かっての探求である。
水による最も単純で素朴な方法を課することは
大きな制約となるが
それは絵画に自由な豊かさを
取り戻す為の 最良の手段になりうると考える。
水彩の可能性や在り方を、
他に追従することなく求めていきたい。

1999年 夏   水彩人


以下、ホームページにある、水彩人の歴史である。

水彩人年譜
1999
4/3 新しい世紀を迎え水彩画の更なる探求のためにここに新しい集団を結成する
  水彩連盟会員5名、無所属1名により立ち上げる
  会の名称を「水彩人」とする
  水彩人同人 大原裕行 川村良紀 笹村 出 平田清隆 松波照慶 三橋俊雄 :事務所 平田清隆
5/17  衛藤壮一 橘 史郎 西原 幹を加えて9名で発会展の開催を決定する
8/18-8/28  第1回展
(アート・ミュージアム・ギンザ 東京銀座)
  退会 西原 幹
2000
7/31-8/6  第2回展(アート・ミュージアム・ギンザ)
  この年より株式会社ミューズより案内状用の水彩紙を提供してもらう
  新同人秋元由美子 尾中真里小野月世 栗原直子
10/22-11/15  小品展(ギャラリーウェスト 佐久市)
10/22-10/21  写生会 長野県佐久市
   事務所  三橋俊雄会計書記 秋元由美子
退会 衛藤壮一
2001
4/11-4/29   小品展(ギャラリークラマー 東京目黒) 
8/20-8/26  第3回展(アート・ミュージアム・ギンザ)
  新同人 郡司 宏
10/12-10/14 写生会 志賀高原(木戸池温泉ホテル)
  事務所 大原裕行
2002
4/16-4/28  小品展-時の流れ(ギャラリークラマー)
8/26-9/1  第4回展(アート・ミュージアム・ギンザ)
  新同人 小笠原緑
10/1-11/4OHARA水彩人展(大原町水彩ギャラリー)
10/4-10/6  写生会 外房大原漁港(大原町文化センター、割烹旅館晴海) 共催:大原町教育委員会
2003
5/5-5/11 第5回記念展(アート・ミュージアム・ギンザ)
  画集刊行 「水彩人」 公開研究会 「紙と水彩」
  招待 折登朱実




8/29-8/31 写生会 黒姫高原(アスティくろひめ)
  第一回しるべ展(杜のアトリエ黎明 流山市)  企画主催:水彩人
  事務所 松波照慶  会計書記 橘 史郎
2004
4/13-4/25  小品展-詩(うた)(ギャラリークラマー)8/2-8/7  第6回展(銀座東和ギャラリー 東京銀座)
   招待 ミズ テツオ
   ギャラリートーク 「水彩紙と画材と技法」
10/11-10/13 写生会 志賀高原(木戸池温泉ホテル)
12/7-12/12  第二回しるべ展(月光荘 東京銀座) 企画主催:水彩人
2005
3/28-4/3  小品展(ギャラリー・コパンダール  京橋)
9/5-9/10  第7回展(銀座東和ギャラリー)
  新同人 佐藤百合子
  推薦 疋田利江 浜崎玲子 松田憲一
  退会 尾中真理
10/10-10/12 写生会 志賀高原(木戸池温泉ホテル)
  退会 平田清隆 郡司 宏
  事務所 笹村 出
2006
5/22-5/24  写生会 志賀高原 (木戸池温泉ホテル)
9/10-9/15  第三回しるべ展(月光荘) 後援:水彩人
10/5-10/14 第8回展 (銀座東和ギャラリー)
  新同人 松田憲一 疋田利江
  招待 奥山幸子 星崎千恵子
11/15-11/16 水彩人研究会(東京都美術館)  講師:川村良紀 小野月世
2007
5/17-5/19  写生会 志賀高原 (木戸池温泉ホテル)
9/10-9/15  水彩人&しるべ展(銀座東和ギャラリー)
10/5-10/14 第9回展 (東京都美術館)
   新同人 奥山幸子 青木伸一
   招待星崎千恵子 郡司 宏 入江英三 大西照恭 野辺雅子 新村慶子 萩原和雄
2008
5/28-5/30  写生会 いすみ市岬町(スカイホテル)
9/8-9/13   しるべ展(銀座東和ギャラリー)  賛助出品:水彩人有志
10/1-10/15 水彩人同人展(ギャラリー一枚の繪銀座) 
2009
1/10-1/18 第10回記念展 (東京都美術館 上野)
  代表(初代)小野月世 事務所 松田憲一
  新会員入江英三 甲本喜胤 佐瀬芙美子清水武男
  画集刊行 「水彩人」
  入場者数5771名
  水彩人研究会 講師:大原裕行 小野月世 
川村良紀 笹村 出 橘 史郎
10/4-10/14 第11回展 (東京都美術館 東京上野)
   招待 (賛助出品) 青木美和 池田ナオ子  大田良一 佐藤すみ枝 滝田一雄 平井勝正
  ・新同人 入江英三
  ・新会員 磯貝雅子 井上雅恵  北野喜代美  御法川 滋 山吉トシ子
   退会 佐藤百合子
2010
6/15-6/27  水彩人 北海道展-神田日勝記念美術館 (同人及び北海道会員)美術館企画
  退会 川村良紀
11/1-11/27 第12回展(シンワ・アート・ミュージアム 銀座)
  東京都美術館改修工事のため公募せず
  ・新同人 佐瀬芙美子
2011
1/1  会計 疋田利江
2/9   全国公募展開催決定 : 於東京都美術館
2012年度から(9/25〜10/3)
3/11-3/29水彩人同人展(ギャラリー・一枚の繪座)
初日 東日本大地震 発生
9/28-10/2  第13回展(アート・ガーデンかわさき )
東京都美術館改修工事のため公募せず
新同人 磯貝雅子 北野喜代美
新会員 岩佐彰三 上田恭子 昆野朋代  杉浦カヨ子 高橋道子 高山登 薬本武則  山本武美
2012
1/1-   代表 松田憲一 事務所 栗原直子
同人 18名 会員 15名 合計33名
 退会 鳥沢明美
2/7-2/16  水彩人同人展(ギャラリー・一枚の繪銀座)
9/25-10/3  第14回展(東京都美術館 東京上野) 全国公募
同人 18名 会員 14名 合計32名
会期中29日、30日の2日間(都美館於スタジオ)水彩人企画による水彩画の実演と講習
2階第1展示室
入場者数 5518名
一般応募 搬入点数 285点 陳列点数 85点
同人・会員 陳列点数 98点
総陳列展示作品数 183点
会員推挙 9名 会員賞 2名
・同人推挙 無
・新会員 浅田ようこ 有川利郎 いとうゆきこ  稲村美保子 鈴木直枝 瀧川信介 西 凉子   平澤 薫  山下美保子
2013
1/1-   事務所 入江英三 会計 青木伸一
4/15-17 写生会 伊豆下田須崎港(いそかぜ)
9/25-10/3第15回記念展(東京都美術館)
・新同人 山本武美
・新会員-7名  榊原康之 関とも子 中村孝夫   堀田由里子 松原遼子 村田信子 山平博子
・水彩人ワークショップ (東京都美術館 スタジオ)
第1部「私と水彩画・私の水彩の方法・絵画について」
第2部 単純な静物の組み合わせを描く 松波照慶
・画集刊行 「水彩人 suisaijin」
・入場者数4,900 名
2014
・3/3-15   水彩人同人展(ギャラリ-・一枚の絵)
・3/31-4/5水彩人会員展(アトリエ・アポロ 神田)
・5/7-9写生会 伊豆下田須崎港(いそかぜ)
・退会 郡司 宏 小笠原 緑


9/25-10/3第16回展(東京都美術館)
・同人 17名 会員 24名

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本の義務教育に英語はいら... | トップ | 隠された拉致 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

水彩画」カテゴリの最新記事