地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

韓国人の兄弟

2006-10-21 06:21:54 | 身辺雑記
私には、在日韓国人の兄弟が居る。血はつながっていないが、私の父を、その人も父として対してくれていたので、いつの間にか、私とも兄弟のようになった。年は私より10歳上だ。息子さんの年を聞いたら、42になったと言われたので、驚いた。息子さんも複雑な、生き方をしてきたが、今は日本に居る。

その人の、生きてきた道筋は、それは命がけなもので、余り詳しくは書くことは出来ないのだが、何度か日本への密入国を失敗した。機関銃で同船した全員が殺された中、全く偶然に生き残ったこともあったそうだ。それでも日本への密入国を繰り返し、成功し、ある大学から、大学院へ行き政治学をやった。全てが明るみに出て、強制送還ということになった。父は韓国人との付き合いが多く、困り果てて父に相談に来た。

父は様々な運動工作を行い、奇跡的に日本への残留を成功させた。そのときからの長い付き合いだ。兄弟として、大事な事ではいつも相談にのってもらっている。的確な判断力と洞察力そして知識で、正確な助言をしてもらえる。頼りになるという意味では、これほどの人は居ない。

私の父を日本の父と考えていた。親孝行の姿は、実の息子としては恥ずかしいのだが、それは徹底していた。やはり儒教の国韓国の心のようなものを持っている。病院から死んだ父を連れて帰った。父の葬式も取り仕切ってくれた。もちろん母の時もそうだった。私が高校生の頃から、家に来たので、40年の関係になる。最初に話したのが、韓国のアジア大会開催中止のことだった。こうしたことを、その国の人と話す難しさを、感じた記憶がある。

先日、ゆっくりと箱根の温泉で語り明かした。最近相談にのってもらったことが解決して、お礼もあった。やはり、北朝鮮の話が中心だった。北朝鮮の中枢部に居る中国派の話が、興味深かった。もしもう一度核実験を行えば、中国が北朝鮮内部の、中国派を動かすことになるだろう、というのだ。その辺りの内部情報のようなものも聞いたが、これも書きにくい話だった。

金大中につづく、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の太陽政策が、どのように北朝鮮政権を悪化させたか。この具体的経過の考え方が、興味深かった。中国の影響力の読み違い。援助に伴う、危険性。南北統一政策からの離脱。南北の経済格差拡大の問題。金正日政権の国際的な孤立への日米の共同戦略。韓国の極東情勢に対する判断ミス。日本の再軍備可能性とアメリカ軍再編の対応。極東アジアの国際情勢全体に起こっている、力の均衡の崩壊。この先起こり得るいくつかのケースへの対応策。学ぶところが沢山あった。

もう一つは中国での儒教再評価運動についてだった。その背景にある、汚職体質克服の問題。日本での儒教・朱子学的伝統の崩壊。日本人の精神構造の喪失問題。国家観の欠落。利己主義の蔓延。国家の不安定化に伴う、強い力による統一への願望。小泉政権、安倍政権への意味の一貫しない国民の支持の分析。今中国で行われていることを、反面教師として注目することで、日本の進む道は見えるはずだと。ともかく、熱く熱く語り続けた。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地場・旬・自給の続き | トップ | 小田原市市民会館:城下町ホ... »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こころに迫る話です (松本茂)
2006-10-22 10:38:09
どうして日本人は、開国以来の脱亜入欧を克服できないのでしょうか。朝鮮韓国中国を蔑視敵視し続けることが、体制側の利益につながり、支配の安定に利するからなのでしょうか。本当にやりきれない思い。中川某の「核武装発言」などを見ると、金正日政権の暴走を煽る役割が「安倍政権」の仕事のように思えます。東北アジアの「お庭番」にはなりたくない。何とかしないと、究極の自殺大国になってしまう。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

身辺雑記」カテゴリの最新記事