不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

「正しい」歴史認識

2013-05-21 04:14:45 | Peace Cafe
2005年8月15日に、内閣総理大臣の小泉純一郎が閣議決定に基づいて発表した声明がある。「戦争の惨禍で命を落とした者への哀悼と、不戦の決意の表明から始まり「植民地支配と侵略」によって諸国民に損害と苦痛を与えたことを認め、謝罪と哀悼の意を表するとともに再び戦争を起こさない決意を表明している。これは、敗戦50年に行われた、村山談話を踏襲するものである。わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。日本という国は、植民地支配と侵略の過去を認め、痛切に反省し、東アジアの近現代史を協力して研究して行くと、国際的に誓いを立てた。

安倍首相は国会答弁で、村山談話を踏襲しないような発言をした。しかし、今回菅官房長官が内閣として、村山談話を受け継ぐと改めて発言した。本来であれば正式に安倍氏が談話を出すべきだろう。自虐史観という言葉がある。自虐的に、自分をわざわざ悪者にして、蔑みの歴史観ということだろう。侵略という認識が、自虐史観だと石原氏は述べている。過去の過ちを認め反省することと、日本人の誇りとは別物である。安倍氏は歴史認識は学者に任すべきだと国会で述べたが、これはおかしい。歴史認識は日本人一人ひとりが持つべきものである。私の歴史認識を書きたいと思う。明治以来の、富国強兵、脱亜入欧の姿をどう考えるかである。江戸時代の完全否定に日本の存在価値を見ようとしたところに、明治政府の失敗があったと考えている。革命政権が過去の社会すべてを否定的にとらえるということは、ありがちなことだが、大切な江戸時代の自給的な人間の暮らし方まで変えようとしたことに間違えがあった。

これが、明治以降戦争を繰り返してしまった主原因だと考える。ヨーロッパの植民地主義が諸悪の根源で、アジアの独立のために日本は立ち上がったんだ。こういう主張が広く言われている。日本人の中には、白人の暴虐に対し、正義の戦いを挑んだ歴史認識の人は結構いるだろう。そう見えないこともないが、むしろ、白人の圧力を跳ね返し、間隙をぬって、アジアを植民地化しようとしたという歴史認識がある。両方の気持ちがあったのだろう。ひと儲けするために満洲に渡る人、大東亜共栄圏の正義の夢に掛けてアジアを雄飛する日本人もいる。側面によってさまざまに見えるというのが、歴史認識ではないだろうか。一辺倒に考えるべきでないのだろう。鎖国を力で解かされて、欧米の帝国主義に隷属されないように頑張ったところまでは、明治政府も大したものだと思う。その頑張れた主因は江戸時代に作られた日本人の優れた能力である。何も、富国強兵の結果だけではない。

重要なことは、日本人の視点から見た歴史認識と、朝鮮、中国からの視点による、正しい歴史認識は、裏返しになりがちだということである。沖縄が中国に帰属するという意見が中国にある。沖縄に暮らす人間は、一貫して日本民族である。過去、中国に朝貢したことはあるにしても、日本民族の一員であり、当然そこは歴史的に日本である。互いの未来志向を考えるなら、何が正しいかを、叫び合うことは止めた方がいい。それぞれの時代において、視点において、食い違いは起こるものだ。歴史認識となれば、対立することが当然だ。朝鮮と日本を併合した。教育も日本化し、日本名を名乗らせ、日本語教育も進めた。日本式神社を作った。これらは政府も認める通り、植民地化した歴史的事実である。その背景をどうみるかを含めた歴史認識は、事実を捻じ曲げるようではならない。この点は自虐的云々の問題ではなく、事実の問題である。

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自給農の稲:手植え苗づくり | トップ | 原子力規制委員会の意味 »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
史実 (ただの)
2013-05-22 00:00:14
いつも拝読させていただいております。
歴史認識について、笹村さんの書きぶりが、以前とずいぶん変化されているなあと思っております。それでも、一言失礼します。


≪朝鮮と日本を併合した。教育も日本化し、日本名を名乗らせ、日本語教育も進めた。日本式神社を作った。≫

これは事実だと思います。
しかし、これを指して植民地化したとは言えません。
植民地とは何か、ということにいろいろ議論があることも事実ですが、欧米列強のように非人道的、収奪的でないことや、法的に条例による併合、割譲がなされていること、教育制度の整備、身分解放、インフラの整備などが行われていることから、台湾・朝鮮を植民地化したとは言えません。それどころか、日本が台湾・朝鮮を近代国家とするために(収奪ではなく)与えたのです。
そして、毎年、米3千俵、麦3千俵、美女3千人を中国の明の皇帝に献上しなければならないような中国の属国から朝鮮を解放したのです。これもまた事実です。

創氏改名のうち創氏は義務でしたが、改名は自由でした。当時日本によりの身分から解放された人たちは、その出自が知られないように喜んで改名しました。
創氏は、夫婦別姓の朝鮮で、世帯ごとに福祉政策を実施するためにも必要でした。
ちなみに韓国が夫婦別姓なのは、女性蔑視がひどいからで、嫁など家族の仲間に入れてあげないという価値観から行われています。

≪何が正しいかを、叫び合うことは止めた方がいい。≫
中国、韓国におっしゃってください。
日本人同士なら、「沈黙は金」でその通りかもしれませんが、国際社会では、きちんと反論しなければ認めたことになります。
「笹村さんのお父さんは、故郷で泥棒をしていましたよ。」と言われて沈黙するのでしょうか。反論すべきでしょう。

ところで、村山談話の中の「侵略」とはどういう事実に基づいているのでしょうか?とても疑問に思っています。

≪日本人の視点から見た歴史認識と、朝鮮、中国からの視点による、正しい歴史認識は・・・≫
朝鮮、中国の歴史認識の方に「正しい」と修飾されたのは意図的にですか?
返信する
お父さんが泥棒 (笹村 出)
2013-05-22 04:26:52
たとえ話としても、すごい話ですが。
そうした場合、ただのさんを裁判所に、名誉棄損で訴えます。
そして、客観的な判断を仰ぎます。

相手が悪から、自分も悪くなるということが問題なのです。
つまり、ただのさんのおやじは○○だろう。
こんなことを言い合ったとしても、何も解決しないのです。
中国を悪く言っていれば、気分がすっきりするというよな、
愚かな態度を取らないことです。

正しいを付けた意図は若干あります。
返信する
訴える (ただの)
2013-05-22 22:40:03
≪ただのさんを裁判所に、名誉棄損で訴えます。
そして、客観的な判断を仰ぎます。≫

訴えるべきかどうかはわかりませんが、黙っているわけにはいかないと思います。
それは国も同じです。日本が悪いことをしていないのに、そのように言われたら、日本はそんなことはしていないと主張すべきなのです。
相手が悪いことをしたとは言わずに、です。

笹村さんは、どうして日本のことは何を言われても黙っていろとおっしゃるのでしょうか?
私は中国、韓国のことを悪く言うべきだなんて書いておりません。侵略と植民地支配について、日本の無実を訴えるべきだと書いているのです。

それにしても、日本が侵略したとはどういう史実に基づいているのでしょうか?
返信する
国際司法裁判所 (笹村 出)
2013-05-23 08:30:28
国際司法裁判所に提訴しべきと、
何度も書いております。
よく読んでからコメントしてください。

問題も存在しないのだから、提訴などとんでもないというのが、日本政府の見解です。
返信する
提訴 (ただの)
2013-05-23 20:54:49
「国際司法裁判所に提訴すべき」というのは、竹島などの領土問題についてではないでしょうか?
領土問題のうち、尖閣については、日本政府は領土問題は存在しないという見解です。
勘違いではありませんか?

そもそも、国際司法裁判所で歴史認識などを審理するのでしょうか?
国際司法裁判所はご存知の通り、国連の1機関ですが、国連は正しい日本語訳は「連合国」で、実際、戦勝国の集まりなのです。
日本にとって敵国になるので、国際連合と日本が加入するために苦心して名前付けたものです。

このような機関に歴史認識の判断を求めれば、日本が悪かった、連合国側に正義があった、と判決が下されるに決まっています。
自分たち欧米列強がアジア・アフリカを侵略し植民地化しようとしたのが悪かった、などとなるわけがありません。

何かの勘違いだと思います。
返信する
領土問題だけではない (笹村 出)
2013-05-24 04:40:47
裁判に負けそうな時に、。
司法の中立性を問題にします。

根本の問題自体に向い合うべきです。
96条と同じです。
司法に持ち出すのは、すべての国際紛争を
司法の場で解決する方が、中立性に問題があるとしても、まだいいということです。

韓国の竹島に対する韓国政府の主張は、
領土問題は存在しないです。
日本政府は尖閣に対して、韓国政府と同じです。私は恥ずかしいと思います。
例えば、北海道の領有権をロシアが主張したとしても、
中立性のないかもしれない、国際司法裁判所に提訴すべきということです。
樺太の領有権を主張して、戦うのは愚かだということです。

「アジア・アフリカを侵略し植民地化しようとしたのが悪かった。」
ということは、すでに日本政府が公式に認め、謝罪していることです。
従軍慰安婦問題も、政府が認め謝罪したということが、
世界の認識です。

よく言われる、欧米人に対し、謝ったら負けもあるかもしれませんが、

日本人的に、相手の問題点をあげつらわず、まず、謝罪する態度は立派だと思います。

それによって、戦争になることが避けられるのだと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Peace Cafe」カテゴリの最新記事