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田んぼの中干しについて

2013-07-24 04:24:53 | Peace Cafe

9番田んぼの排水口

一度目の干しを終わった。4日間やったのだが1日は雨で、水が溜まった。干しと言っても足柄平野での干しは4日ぐらいである。しかし、2度やるところが多い。干しのことを調べてみると、2週間もやる地域もあるようだ。土壌が違うということだろうか。軽くひびが入る位行うというのが書いてあるが、この地域の棚田で、2週間も干すということは、考えにくいことだ。干しの一番の目標は収量を上げるということだろう。干しをやって収量が上がるということは、少なくとも久野の棚田で、有機農業を行う以上あり得ないことである。それでも、何年かに1度は行うのは、干すという稲作の慣習に引きづられているということがある。自分の体験だけで考えれば、稲が倒れることがなければ、干す必要はないということだ。それでも、ともかく今年は干してみた。排水が次の田に行くような、11枚もある棚田では干しと言っても、すっきりは行かない。雨があれば、一番下の9番ではいくら排水口を抜いておいても、水浸しになる。毎年のことだが、「田んぼを何故干すのか。」で頭を悩ます。

稲の生育の根本からいえば、干すというようなことは不要なことのはずだ。稲は長江のような大河の河岸の植物である。秋に稲穂を落とし、また稲株が倒れ、冬を越す。この時期は土壌は乾いていると思われる。春になり、徐々に水嵩が増え、稲は発芽を始める。発芽した稲は徐々に水位を上げる川の水に併せて、背丈を伸ばすのだろう。そして、秋になり水が引き始めるころに稲穂を付ける。この間水位の変動は、繰り返し起こるだろうが、一度水が引きまた水が入るというようなことは、起こり得ないはずだ。年ごとに水位は変わるにしても、その年のちょうど水の状態の良いあたりの稲が生き残りながら、野生種の稲は生育の生活循環を形成したのだろう。だから、水温14、5度以下の寒い間いくら水に浸して置いても、種籾は発芽をしない。春が来て、水温が上るころには、河岸の水位が上がってくる事が稲の性格を作った。夏の間に干しを入れる技術は干ばつの年にでも生まれたのだろうか。

中干しを行うことの目的は、以下のようなことがクボタのホームページにまとめてある。
1.土中に酸素を補給して根腐れを防ぎ、根の活力を高めます。根が強く張ります。
2.土中の有害ガス(硫化水素、メタンガスなど)を抜くことが出来ます。
3.水を落とすことによって肥料分であるチッソの吸収を抑え、過剰分けつを抑制します。
4.土を干して固くし、刈り取りなどの作業性を高めます。
と書かれている。慣行農法の人は必ず中干しを行う。有機農業の人や、自然農の人は中干しをしない人が多い。以上の一般に言われる3つまでの目的が自然栽培では意味がない場合が多いからだと思う。特に3番の過剰分げつを抑えるというようなことはない。余分な肥料など最初からないのだから、強い干しは禁物だと思う。今までこの点の意識が足りなかった。

土壌の状態が良ければ、これまた中干しは不要だ。土壌のガス抜きや還元化を避けるためには、コロガシを入れること。田んぼに拾い草で入ることだ。干しでそれを代行する意味は少ない。しかし、4番の土を固めないと作業性が悪い。これは自然農であれ同じことで、稲刈りを考えると、バインダー作業が行えるぐらいにはしたい。水を止める時期をより遅らせたいという思いもあり、一度軽く干して固めて置いて、最後の水を止める時期を先延ばししたいということは出てくる。特に春水田んぼのような苗代にした、4番は土が緩い。ここだけはもう少し干したい感じがする。この点では、2回代かきをした田んぼの方が土は緩い。ということは来年は中干しは必要になるということか。平均20分げつで干しとあるが、そこまで分げつがそろわないということが、迷いの出発点になっている。今年は18平均を目標にしているのだが。収量という意味では、この後の管理が重要になってくる。

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