あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

アートウオークセラピー(葉山と横須賀の境を歩く)

2007-03-22 23:55:37 | ウオーキング
 ようやく暖かくなった今日、東京・銀座のシネスイッチ銀座で、
『サン ジャックへの道』という映画を鑑賞してきました。

 フランスのル・ピュイからスペインの西の果てにあるキリスト教の
聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、1500kmもの巡礼路
を、仲の険悪な3兄弟と、リーダーを含めた個性的な6人の計9人
が歩いて行く物語です。

 私が興味を持ったのは、この映画の中で、携帯電話での通話が
ひんぱんに登場し、物語の筋回しにかなりの役割を持っているよう
に感じたことでした。

 私の今回の四国遍路でも、毎日の宿の申込み、このブログへの
投稿、家族への連絡、4日遅れで歩かれたSさんとの情報交換など
に、携帯電話は重宝しましたが、西欧でも日常生活だけでなく、
長距離徒歩旅行にも、携帯電話が欠かせないものになっているの
かなと思いました。

 それは別として、本日のレポートは、昨日歩いたアートウオーク
セラピーの模様です。

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 2007年3月21日(水・祝) 晴

 「アートウオークセラピー」とは、神奈川県・三浦半島で、お気に
入りの自分のスポット、すてきな道を探して、その土地のいい雰囲
気をたっぷりと吸収しようという、普通のウオーキングとはちょっと
違ったおしゃれな歩き方だという。

 企画・呼びかけ人は、カントリーウオーカー「やまさん」こと、山浦
正昭さんのパートナー、山浦敬子さん。今年で4年目ということだが、
私は初めての参加である。



 集合地は、いつも同じで、京浜急行新逗子駅。10時に集まったの
は、やまさんご夫妻を含め7人、バスに乗り10分ほどの葉山公園
バス停で下車した。近くには、天皇家の別荘・葉山御用邸がある。

 そぐそばから、高台の住宅地に向かって急坂を上がる。少し上が
って振り返ると、海が見下ろせ、鎌倉や江ノ島、箱根連山、真鶴半島
などの展望も広がるが、期待の富士山は霞んで見えなかった。


 民家の車庫を通して眺める海は、額縁の中の絵画のように見える。

 眼下に、松の多い葉山公園も見えてきた。海に白帆のヨットがたく
さん浮かび、その向こう江ノ島である。


 一番上の方にある横文字姓の住宅に、欧米のものらしい古い車輪
を活用した塀と門扉があった。


 標高70m前後まで上がり、等高線沿いに常緑樹林の中に入る。
春の到来を告げるかのように、キブシの花が咲いていた。

 少し下がる道があったので下ってみると、第2次大戦の遺物か、
防空壕のようなものがあり、その前には、監視場所かと思われる
半円形のコンクリート製の壁もあった。


 もとの道に戻り、広葉樹林をさらに進んで、葉山町から横須賀市
に入った。西向き斜面から南向きの斜面に変わり、暖かい日差しに
オオイヌノフグリやジシバリ、タンポポなどが咲いていた。

 境界線に沿って少し上がると、林の中に休耕田ならぬ休耕畑が
あった。風も通らず日だまりで暖かいので、シートを敷いて昼食と
する。皆さんから、地方の土産の菓子などをいただいた。

 食後は、敬子さんのオカリナ演奏に合わせ、「早春賦」や、「春の
小川」など、春の歌をみんなで合唱する。周りを林に囲まれた格好
の野外劇場である。

 
 これが、私を除く今日のメンバー。

 昼休みを終え、わずかに残る踏み跡をほぼ稜線に沿って上がる。
何本もの木に、このような不思議な切り傷がついている。

 かなり上の方についているものもあり、動物の仕業ではないかと
いうことになったが、はたして誰が傷をつけたのだろうか。

 林の下にウラシマソウが咲いていた。


 途中で道が途切れたが、茂みの薄いところを選んで上がって、標高
130m付近にある畑に出た。


 車道が現れ、さらに東に進むと久留和グランドがあり、車で来た
ご夫婦がプランターに土を集めていた。

 帰りかけたそのご夫婦、新倉さんが声を掛けてきた。地元の人で
も来ないはずの林の中から我々が現れたかららしい。

 ご主人は、もと少年ソフトボールチームの指導者。このグランドで
指導したチームが、平成4年8月の全国大会で優勝したとのことだ
った。

 国土交通省東京航空局の施設入口の先から南へ下り、峰山の
住宅が現れたところからすぐ東側の坂を再び上がって行くと、梅林
の斜面にナノハナがたくさん咲いていた。

 桃の花は咲き始めだったが、ちょっとした桃源郷ともいえる雰囲気。

 ここでスケッチタイムとなり、ナノハナを中心にスケッチをした。


 さらに簡易舗装の急坂を上がり、標高130m付近にある秋谷配水
池のところに出た。東に大楠山のアンテナ、南に小田和湾や長井の
町並みなどの展望が広がる。


 そばに乗馬クラブの馬場と、かわいい陶芸品を飾った建物がある。


 馬場の横から南に向かって下り、カーブの多い秋谷の住宅地を
抜けて海岸沿いの国道134号近くまで下る。

 「Tipi」という小さい食堂に入り、コーヒーやジュースなどで乾いた
のどを潤し1時間近く休憩した。

 帰路は近くの子産石(こうみいし)バス停から。そばにバス停の
もとになった横須賀市文化財、子産石があった。

 16時22分発のバスに乗り、京浜急行新逗子駅とJR横須賀線
逗子駅から、それぞれの帰途についた。

 歩いた距離はわずかだったが、海と緑と早春の花をたっぷり眺め、
歌って描いてと、その名にふさわしいウオーキングで、充実した1日
だった。

(天気 晴、距離 4km、歩行地 神奈川県葉山町、横須賀市)
  

  

 


 
 

 

  

  
 

 

 

 
 

 

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5 コメント

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「タイワンリス」の噛み後 (湘南トンボ(正彦))
2007-03-23 05:40:34
木の傷は「タイワンリス」の噛み後です。
三浦半島は「結構な数のタイワンリス」が生息しています。鳴き声がまた独特で、鳥と間違えそうです。
返信する
タイワンリスですか (saikoroat)
2007-03-23 10:18:52
湘南トンボさん、お久しぶりです。パートナーさんとも初めてお会いしました。

あの傷跡はタイワンリスなんですか。どうも人間の仕業ではないと思われましたが、さすがのやまさんにも分かりませんでした。


返信する
初めまして。 (初老ハイカー)
2017-05-01 17:35:37
葉山方面の散策をキーワードに検索したらこちらのサイトに辿り着きました。
素晴らしいお仲間をお持ちで羨ましいです。

私もデジカメ片手にあの辺を歩き始めているのですが、たまに戦時中の遺物を見かけては感慨深くなっています。
写真の"防空壕のようなもの"はどの辺だったでしょうか?
長者が崎の上のほうでしょうか?
これからも素敵な風景をアップしてください。
返信する
防空壕のようなもの (saikoroat)
2017-05-02 16:37:07
初老ハイカーさん、ご覧いただきありがとうございます。
ここを歩いたのは10年前の春分の日で、はっきりとした記憶は無いので、
古い資料のなかからこの日の地図を探してみました。
防空壕らしいものの場所は、確かに長者ヶ崎から東に延びる葉山町と横須賀市との市町境のようで、
標高70m等高線より少し下のように思われます。
2万5千分の1地形図では、北側の葉山町下山口の中の白石の住宅地の背後の高台から
標高70mほどのところを南から南西へと回る実線の道が記されていますが、
その道が市町境付近まで行ったところを下がる道があったのではないかと思われます。
だいぶ前のことなので、記憶がはっきりせず申し訳ありません。
返信する
Unknown (初老ハイカー)
2017-05-03 15:03:25
ご丁寧に有難うございます。
早速行ってみます。
o(▽`)o=з=з
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