あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道ふた旅(後編)・愛媛その8

2007-03-23 22:55:00 | 四国遍路道ふた旅
 第3日 2007年2月20日(火) 快晴
 44番大宝寺、46番浄瑠璃寺
 =三坂峠を下って松山市内へ=


 
 6時20分起床、7時から朝食。100人くらい入れる食堂だが、
私を入れてたったの3人だけ。他の2人は遍路では無さそう。
7時40分に古岩屋荘を出た。

 車道には出ず、すぐに左手の遍路道へ。周辺は、そそり立つ
垂直な岩が幾つかあり、これが古岩屋と呼ばれているらしい。


 八丁坂下の少し先からは、林道を離れた遍路道。草付きで歩き
やすく、さらに落ち葉が一杯の林に入る。


 珍しい黒竹が茂ったところがあり、豪雨にあった黒竹の里・
高知県の大坂越えを思い出す。

 丸石の石段を下って沢沿いに出て、間もなく県道12号際へ。
県道には入らず、真っ直ぐに進んで「四国のみち」の標識に従い
旧道を行く。

 民宿狩場苑前を通過、1㎞余り先の「青木農園入口」の看板で
県道12号に入る。

 間もなく河合の交差点。前回は寄らなかった住吉神社に参拝
する。前部が開放されて吹きさらしの、りっぱな社殿である。

 この辺りの神社は、このような造りが多い。

 少し南側から、家並みの間の細い遍路道へ。「河合のへんろ宿」
の説明板と東屋、トイレがあった。500mほどで県道12号に上が
り、新御堂トンネルの手前を左に上がる遍路道に入る。

 杉林の間を上がると、逆打ちの男性が、標高715mの峠の向こ
うでは、逆打ちの女性遍路と行き交う。

 標高差150mほど下って、44番大宝寺(だいほうじ)に入った。

 鐘を突き参拝、読経。樹齢数百年の太い杉木立など、豊富な
木立が境内に並ぶ。

 石段上の正面に本堂、右手に大師堂がある。山門に、納まり
きれずに折り曲がった、特大のワラジが奉納されていた。

 参拝者は境内には無く、門前に2人だけだった。

 門前のまんじゅう屋さんで、近くの生協のことを聞いたら、ショ
ウガ湯と飴のお接待をいただいたので、補食用に草餅を買う。

 旧道から国道33号に出て、久万高原町役場前まで戻り、松山
生協の店で弁当を仕入れる。生協としては大規模な店で、客も
多い。

 国道を北に向かう。町外れから歩道が無くなり、側溝上や細い
歩道になったりして、歩きにくく、トラックが通過すると菅笠が
あおられ、手で押さえる。

 西明神の先からは、再び歩道が付いていた。緩やかな上りが
続き、日差しは暖かだが風がやや冷たく、軍手が脱げない。

 横通集落に、遍路中では初めて見る、かやぶき屋根の家が1戸
あった。のどかな山並みを眺めながら坂を上がる。

 工事中の三坂第1トンネル入口の先、右カーブ点にあるレスト
パーク明神で昼食。東屋で食べ始めたが、風が冷たいので、
南西側の風当たりの弱い日だまりにシートを敷き、食べた。

 岡山のIさんから、「ブログへの投稿がないが?」とのメールが
携帯に着信した。毎日送っているのにどうしたことだろうか。

 さらに緩やかに坂を上がって、標高710mの三坂峠バス停に
着く。左カーブする国道を離れ、右手に入り、杉林の下から旧道
を下る遍路道へ。

 少し下ると、谷間から松山市街が見えてきた。しかし今日は
少し霞んでいる。

 ところどころに古い石畳が残り、排水を良くするために、最近
掘ったらしい溝が何か所もあった。

 かなり下ったところで、逆打ちの男性と会い、10ほど話す。
神奈川県平塚市の方で4度目。初回は別格霊場も全部回り、2度
目は奥の院全部を、3回目は八十八箇所だけを巡り、今回は逆打
ちにしたという。

 私は内子から3日目だと言ったら、「もしやあるきメデスさん?」
と聞かれた。私のブログを見ておられる方と分かり感謝する。
宿の情報も2、3聞き、お互いの無事を祈って分かれる。

 間もなく峠下の東屋に着き、小休止する。その先は簡易舗装
となり、左手に畑や棚田が現れた。

 いずれもイノシシ除けの電線が張り巡らしてある。

 民宿坂本屋まえを通過、宿は冬季休業期を利用して改装中。
民宿の柱に、懐かしい「とうかんや」のわら鉄砲が吊してあった。


付近の農作業小屋付近から、ときどきイノシシおどしの「ズドン」
という大きな音がする。

 桜集落の「お遍路さんの道の駅」は、入口に有刺鉄線が張られ、
閉鎖されていた。

 建物や石造りの飾り物も荒れた感じになっていた。

 さらに、棚田と点在する家並みの間を下り、榎集落の番外霊場、
網掛石にお参りする。


 前回、五右衛門風呂を沸かしていた、そばの民家の背後に、たく
さんのヤドリギがついたケヤキが立っていた。


 ナノハナの咲き出した里道から県道207号に出て、少し先で
左手の県道194号へ。いずれも車のすれ違いがやっとで狭い。

 坂本小から下校する児童たちが次々に、「さようなら」、「こん
にちは」と挨拶してくれ、気持ちよい。

 16時6分、今日の宿、長珍屋に着き、ザックを預けてそばの
46番浄瑠璃寺に行く。

 ここでも鐘を突いてから参拝、読経。平地の寺院だが、境内に
は樹木が多く。仏足石、説法石などの石や祈念碑、樹齢千年と
いう松山市天然記念物のイブキの大木などがある。


 長珍屋に戻り、202号室に入る。コインランドリーの洗濯機に
洗濯物を入れて入浴。広い泡風呂だが1人だけ、ゆっくりと浸
かる。

部屋も10畳で照明も明るく、神棚と違い棚付き。暖房が利き
過ぎて暖かすぎるが、調整は出来ない。

 夕食は18時から大広間で。差し向かいの席は、山形県東根市
の女性遍路。歩き始めて3日目で、2週間くらい歩きたいが、足
が痛いので、明日帰ろうかと思案中という。

 冬山に登り、八ヶ岳から帰ってすぐに出て来たとか。そのあと
も毎年冬登る、岩手の早池峰山に行く予定があるようだ。

 食事時間が違う別の歩き遍路が1人いるようだが、45畳くらい
ある大広間に団体客は無かった。

〈コースタイム〉古岩屋荘7:40ー八丁峠下8:03ー県道12号際へ
8:37~40ー住吉神社9:04~10ー新御堂トンネル東9:30ー44番
大宝寺10:07~35ー松山生協久万店10:57~11:04ー東明神バス
停12:04ーレストパーク明神(昼食)12:22~13:05ー三坂峠バス停
13:33ー三坂峠下東屋14:25~30ーおへんろさんの道の駅(廃止)
際14:58~15:05ー網掛石15:19~24ー民宿長珍屋16:06~08ー
46番浄瑠璃寺16:09~29ー民宿長珍屋16:30

(距離 24㎞、地図(1/5) 久万、松山南部、歩行地 久万
 高原町、松山市、歩数 42,800)


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