あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

彩の国いきがい大学講座で国井アナの講演を聞く(埼玉・入間)

2015-01-18 20:58:50 | Weblog
 2015年1月17日(土)

 阪神淡路大震災から20年の今日午後、入間市産業文化センターのホールで開催された、
公益社団法人いきいき埼玉主催の「彩の国いきがい大学第2回特別講座」に出かけました。

 ちなみに「彩の国(さいのくに)」とは、埼玉県の愛称です。

 会場は、西武池袋線入間市駅から12分ほどのところです。


 特別講座のメインは、『「小さな旅と私」~人との出会いと発見~』と題する、もと
NHKエグゼクティブアナウンサー国井雅比古(くにいまさひこ)さんの講演です。
     

 受付でもらった今日のプログラム。
     

 講演に先立ち、主催者挨拶の後、埼玉県警本部交通企画課の女性警官2名により、交
通安全講習会が行われました。

 
 まず、昨年の平成26年における埼玉県内の交通事故死者は173名で、全国ワース
ト5になり、そのうち65歳以上の高齢者は、78名とのことでした。

 講習の主題は、「自転車安全利用五則」についての話です。皆さんは、交通安全利用
五則をご存じでしょうか。それは以下の通りです。

 = 自転車安全利用五則 =

1 自転車は、車道が原則、歩道は例外

2 車道は左側を通行

3 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行

4 安全ルールを守る

 ○ 飲酒運転・二人乗り・並進の禁止

 ○ 夜間はライト点灯

 ○ 交差点での信号遵守と一時停止、安全確認

5 子どもはヘルメットを着用

 これらについてひとつひとつ、守るべきことについて具体的な話がありました。

 自転車で走行している方は、以上の五則を守っておられるでしょうか。私が日々、ウ
オーキングであちこち歩いている時にも、これらを守らない人に多数出会っており、危
険を感じることもしばしばです。

 知らなかった方は、今後はしっかり守って交通安全に努めましょう。

 このあと、「彩の国いきがい大学について」現在募集中という今年度のことにつきオ
リエンテーションがあり、13時45分か15時まで、国井さんの講演となりました。

 国井さんはNHKを退職後の現在も、嘱託アナウンサーとして日曜朝8時から放映の
「小さな旅」や、「団塊世代」という番組に出演されており、話題は「小さな旅」で出
会った人達のことが主でしたが、プロのアナウンサーだけあり、興味深い話をユーモア
なども交え、淀みなく定刻まで話されました。

 以下に、メモしてきたその要旨を紹介します。

 「小さな旅」は34年続く長寿番組で、国井さん自信もこの番組を担当して9年にな
り、歴代の担当アナでは最長になった。

 番組の担当者は、カメラ、ディレクター、音楽、照明など11人が10泊の日程で1
つの番組の取材をしているが、国井さんと交互に出演の山田敦子アナとは、そのうちの
3泊4日の日程で現地に出かけている。

 明日からは、青森県の津軽鉄道の冬の鉄路を守る人の取材に行くが、多分5時起きに
なるだろうから宿の食事はできず、コンビニ弁当になりそう。五所川原と金木(かねぎ)
駅辺りで21時過ぎの終列車まで取材して、終るのは22時くらいかと思われ、夜もコ
ンビニ弁当になるだろう。

 よく、「あちこちに旅ができていいですね」と言われるが、行きたいところに行ける
わけではなく、皆さんの想像とは全く違う。

 年に何回か「山シリーズ」と呼ぶ登山しての取材があるが、北海道の利尻岳の時には、
環境保護に配慮している山なので、山麓で排便・排尿用のポリ袋を渡された。上る途中
だけでなく、避難小屋のトイレでもその中に全部貯めて上がるのでだんだん重くなり、
こぼれはせぬかと気にもなった。

 日本トレッキング会長の会長をしているが、山好きだからなったのではなく、仕事で
山に登っていることを知られて、田部井淳子前会長の後を引き受けることになった。

 「小さな旅」を担当して良かったのは、色々な人と出会えたこと。これが私の大きな
財産となった。

 千葉県富津市で海苔の養殖をする人を取材したが、新海苔がこんないうまいものとは
知らなかった。少し高いが新海苔の佃煮もおいしくて、お勧めの品。

 新潟県の阿賀町(旧上川村)郊外に、以前は20世帯だったが現在は4世帯の限界集
落がある。ここで、69歳と68歳のUさんご夫妻は雪解けの頃、雪で倒れた杉の若木
を起こす「杉起こし」という重労働を続けている。

 すぐに売れる訳でもなく売れないかもしれないが、50~60年も先のために大変な
作業をしており、親も祖父も続けてきたからやるのだと言われ、目先の利益にならない
作業を続けていることに、仕事をするというのはどういうことかと考えさせられ、感動
した。

 東日本大震災前の2011年1月、福島県相馬市の松川浦漁港に行った。底引き網漁
では福島県最大の漁港で、30隻の船に6人ずつ合計180人が3時から4時には出漁
し、タコ、ズワイガニ、イカ、アンコウ、カレイ、ホウボウなどを丸1昼夜かけて獲り、
翌朝5時か6時に港に戻ってくるが、それを迎える「船迎え」と呼ぶ女性を取材した。

 船迎えの女性は皆、スキーウェアのような華やかな着こなしで、きれいな化粧をして
いる。どうしてそのような姿でと聞くと、「旦那が一生懸命に働いて戻ってくるのだか
ら汚い姿では迎えられない」と言う。

 船が戻った後、荷揚げや市場への運搬、競りなどの作業は全部女性が行い、競りが終
わると船ごとの水揚げ額が公表される。

 100万円の水揚げだと、そのうちの6万円が「やろこ」と呼ぶ特別ボーナスとして
もらえる。一つの船の6人の女性でそれを分けけ会議室で話し込み、皆が一緒に悩みな
どを共有したりしていて、宮城県から視察に来た男性の漁師も「すごい」と感心してい
た。

 東日本大震災では、ほとんどが被災しており、2か月後にようやく連絡が取れ、その
後は港のがれき処理などに従事しているとか。今年から本格的な試験操業を再開すると
聞いている。

 北海道の羅臼(らうす)町の女性も、元気に働いていて生活力もあり、暮らしの中の
日々の付き合い方にも感動した。

 最近取材した沖縄北部の大宜味村(おおぎみそん)では、女性が芭蕉布(ばしょうふ)
の糸づくりをしている。芭蕉の木というのはバナナの木と同じで、バナナを採るのは実
芭蕉(みばしょう)、糸をとるのは葉芭蕉といっている。

 葉芭蕉の茎の心を短い糸にして紡ぐのだが、1反の芭蕉布の材料糸を得るにはその作
業を2万2千回も繰り返すとのこと。最高齢のYさんは85歳だが、105歳までやっ
ていた祖母の手法を見よう見まねで覚えたという。

 その作業をするおばあちゃんたちは、夕方に集まって話し込む「ゆんたく」という場
を楽しんでいる。

 8月下旬には、「うんがみ(海の神のこと)祭り」というのがあり、現地に古くから
伝えられた長い民謡を、即興で歌う順序を変えたりして歌い、その後海に入り、西の海
からの神を迎える「にらいかない」という行事を行うが、人間の祭の原点のようであり、
時間が止まった別次元のような感じがした。祭りに来る観光客は少なく、この時期に沖
縄に旅して現地で見ることをお勧めする。

 このほか、今年に入り放映した、東京・東銀座の歌舞伎座近くへ40㎏の荷を背負い
茨城県から2時間かけて行商に来る女性と、それに関わりのある女性2人の話では、行
商の人の存在感やユーモアさ、逞しさを感じたのこと。

 また、国井さんがよく散歩に行く代々木公園で、1人のホームレスがいつも同じベン
チに変わらぬ姿で座っていたことなどから、人との関わりや地域コミュニティをどう作
ったらよいかを考えさせられたとも言われた。

 団塊世代にアンケートをすると、8割が地域のために何かしたいと思うが、5割の人
は実際には何もしていないという。これから超高齢化社会になり、現在の医療や介護、
福祉などのシステムは確実に破綻するだろうから、自分でやらなくてはならなくなるが、
やるからには楽しくやるのがよい。

 いきがい大学に関わりのある人が多いのでこの会場は別だが、団塊世代の男性は女性
に比べて外出が少ない。世田谷区で子育ての場に66歳の男性が入った例では、女性主
体の職場においては、男性がいるだけでも安心感が得られるといわれた。自分は何もで
きないからと参加しないのではなく、能力がないと考えていても参加することが大事だ
と思う。

 生きていることが尊く、生きていること自体がよいのだという価値観を持って、その
日を充実して生きていくのが大事ではないのだろうか、といったことなどを話され、き
っちり15時に講演を締めくくられました。

 最後に司会者から謝辞があり、「国井さんには、これからますますのご活躍をお祈り
申し上げます」と言ったところ、国井さんからは「それは無理です!」という思いがけ
ぬ言葉が出て、会場は大きな笑いに包まれ、2度目の盛大な拍手が送られました。

 参加者全員が55歳以上でしたが、全国各地で元気に生活して居られる高齢者の方々
の話などを聞き、自分の生き方に大きな刺激を受けられたのではないでしょうか…。

 写真撮影も録音も禁止だったので、講演中の写真は撮れませんでした。終了後の会場
です。


 陽が傾き、風が冷たくなってきましたが、帰路は電車を利用せず、国道463号を主
に自宅まで9㎞の道のりを、途中買い物をしたりして2時間かけて歩いて帰りました。


 なお、アップした今日、1月18日朝の「小さな旅」は、会場のある入間市の隣の飯
能市(はんのうし)の西川材に関わりのある人の話でした。 ご覧になりましたか…。




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