あるきメデス

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国際ウオーキングトレイル実踏 三島から修善寺へ(静岡)②

2011-03-23 15:28:35 | 国際ウオーキングトレイル実踏
 2011年3月17日(木)
 ==沼津アルプスを北から南へ==

 2日目は、沼津市街地に近い狩野川べりから、「沼津アルプス」と呼ぶ標高200~300m
級の山並みのハイキングコースを縦走して、沼津市内、江浦湾沿いの口野(くちの)までの
行程である。

 この日のトップは私が務める。7時ちょうどに、かどや旅館を出た。狩野川の黒瀬橋を渡り、
東に少しの、カニ料理店甲羅の先から、「香貫山登山口」の表示に従い、石段の急坂へ。

 10分足らずで、香陵台と呼ぶ広場に上がった。北側眼下に沼津市街、南西に大瀬崎から
続く伊豆半島の稜線が望まれる。


 広場には、沼津に住んだ若山牧水の歌碑や、日清、日露から第二次世界大戦までの戦没
者などの慰霊を祭る「沼津市慰霊平和塔」と呼ぶ五重塔が立っていた。


 南に進んで、香住展望台へ。沼津市街の向こう、愛鷹山塊の上に富士山の上部が姿を現
した。



 大きく弧を描く駿河湾や、遠く雪を残す南アルプスも望まれる。眼下間近には、沼津御用邸
記念公園や、狩野川河口も見下ろせる。


 その先、球形ドーム塔の立つ香貫(かぬき)山(193m)山頂は、展望が得られないので先
に向かう。振り返ると、香貫山頂や香住展望台が望まれる。


 車道を横断後、約400段あるという丸太の段を下って車道に出た。

 緩やかに下り、車道が左カーブする八重坂峠から、右手の登山路に入る。

 2か所、ロープのつけられた急登があり、次の横山(183m)へ。山頂は広葉樹林に囲まれ
ていて、展望は利かない。

 その先の稜線も、深く茂った常緑広葉樹林に覆われ展望はない。下を車道がトンネルで抜け
る横山峠も、車の音は聞こえるが車道は確認できなかった。


 さらに稜線を進み、くさりの付いた丸太の段を急登すると、徳倉山(256m)。

 山頂は割合広い芝生地になっていて、二等三角点が設けられている。富士山を背に記念撮影
をした。




 常緑広葉樹に挟まれた稜線を下って行くと、反対から登山者が上がってきた。三島市にお住
まいのYさんで60代後半。勤労者山岳会に所属し、今日の山行が997回目とか。1000回目
は、山岳会の山行で達成したいという。

 ロープのある急坂を下り、展望が開けたかやとの一角に出た。千金岩と呼ぶ岩があり、行く手
の鷲頭(わしず)山や西側の海岸線が望まれる。


さらにロープの付いた急坂を下ると、志下坂峠(しげさかとうげ)である。

 大トカゲ場と表示されたところを通過して、志下山(214m)へ。「さざなみ展望台」の立て札が
あり、駿河湾や大瀬崎の大展望が広がる。ここで昼食にした。


 少し先に「奥駿河パノラマ台」と呼ぶ展望地もあり、眼下の家並みや、斜面のミカン畑などが見
晴らせる。


 正面に見える鷲頭山に向かって少し下ると馬込峠。次の稜線に向かって上がり、ぼたもち岩と
呼ぶ大岩のある志下峠に着いた。


 急坂を少し上がったところに、垂直にそそり立つ巨大な岩があり、その下に石仏が祭られ、「中
将岩」と記されていた。

 本三位中将・平重衝が、治承4年(1180)この洞窟に隠れ住んでいたとのこと。その後、追っ手
に発見され、大岩の上まで逃げたが、これまでと、切腹自害したのだという。

 ここで、下ってきた男性と出会う。熱海Kホテルのフロントにお勤めの I さん。休日を利用しての
トレーニング山行らしい。

 その先もロープのある急坂を上がり、小鷲津山(330m)へ。大きな弧を描く駿河湾の展望が得
られ、「本三位中将平重衝終焉切腹之場」の標識があった。


 すぐ先、沼津アルプスの最高峰・鷲頭山(392m)には、10分ほどで上がった。割合広い山頂に、
山桜が数本枝を広げ、一番大きな木の下に小さいほこらがあった。


 雲がやや増えて、遠望が利きにくくなってきた。東側、狩野川沿いの家並みが見下ろせる。

 ロープの張られた急坂を下り、多比(たび)峠を通過し、青木の多い一角を過ぎると、ウバメガシ
の群落の中を抜ける尾根道となる。

 木の根や石ころが多く、転ばぬように注意しながら進む。

 少しずつ上がって旧名を大峠と呼ばれた多比口峠へ。ここにザックを置き、沼津アルプス最後の
大平山(おおひらやま)まで往復することにする。

 狭い尾根の急坂は少しで、傾斜が緩み、十分足らずで大平山(356m)に着いた。山頂は広く、
ベンチ二つと、目安箱と呼ぶノートの置かれたボックスがある。

 広葉樹が伸びていて、展望はほとんど得られない。

 多比口峠に戻る途中から、雲の増えた富士山が望まれた。峠から縦走路を離れて南に下る下山
路へ。

 下って行くと、やわらかな彩りの山桜の芽吹きが見られ、春の間近なことが感じられる。


 ドラム缶に標識が記されたところが、沼津アルプス北行登り口。ここからは簡易舗装の車道と
なる。さらに下って右からの車道と合し、多比の家並みに入る。

 伊豆箱根バスの多比停留所のある国道414号を東へ。歩道のない多比第2トンネル(216m)
を抜け、狩野川放水路のところでて国道に分かれ、江浦湾沿いに次の口野(くちの)集落に向かう。


 今日の宿、民宿あだちは、三の浦郵便局のすぐ先、16時20分に着いた。

 最高点でも標高392mの沼津アルプスだが、七つの山と七つの峠越えは、いずれも急坂のアッ
プダウンが続く。でも、富士山や駿河湾、狩野川沿いなどの素晴らしい展望に恵まれ、その名に
ふさわしい、よいコースだった。

 【コースタイム】かどや旅館7・00ー沼津アルプス登山口7・23ー香陵台7・32~40ー芝住展望台
  8・03~22ー八重坂峠8・57ー横山9・18~33ー横山峠9・50ー徳倉山10・17~45ー志下坂峠
  11・25ー志下山(昼食)11・36~12・15ー中将岩12・40~13・00ー小鷲頭山13・13~18ー鷲頭山
  13・28~14・00ー多比峠14・10ー多比口峠14・35~40ー大平山14・48~15・03ー多比口峠(戻り)
  15・10ー登山口(ドラム缶)15・25ー多比バス停そばセブンイレブン15・45~16・00ー民宿あだち
  16・20

 (天気 晴、参加 3人、距離 12.5㎞、地図(1/2.5万) 沼津、三島、韮山、歩行地 沼津市、
  歩数 18,900、累積標高差 約2,300m)


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