転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



山の上の実家代々の墓を地上に降ろす目処が、ほぼ、ついた。
5月に業者さんと登山したあと、7月の豪雨災害で業者さんの工場に被害があり、
しばらくは作業どころではなくなっていたのだが、
9月になって、なんとか復旧出来たとのことで、改めて見積もりをして頂き、
提案された幾通りかのプランの中から、希望と予算の折り合うものを選んだ。
半世紀前に父が建てた祖父(父の父)の墓だけは、そのまま地上に降ろして、
他は墓石から読み取れる限りの姓名と没年月日を記録して霊標にし、
それら先祖の遺骨等は、新墓地に移した祖父の墓に合葬し、
隣にもうひとつ、「(実家)家之奥津城」を新規に一基建てることになった。
そこには私の両親が入ることになる。
奥津城(おくつき)とは神道の墓のことだ。

それで本日、霊園現場に出かけて、どの区画を申し込むかを決めてきた。
霊園は実家に近く、私の居住地域からも、遠いながらもバスで直通、
駐車場から墓地エリアすべて完全バリアフリー設計なので、
高齢者でも子供でも、ラクに墓参りができる。
区画は、まだそこそこ空いているので選択の余地があり、
水場の近くで、車椅子でも不自由のない広い通路に面していて、
入り口から入ってまっすぐ進めば、初めての人にもすぐわかる場所、
……という基準で、業者さんのお勧めの中から私が独断で選んだ。
正式な契約は今月半ばになる予定で、来月、神官さんと山の上の墓に行き、
名称は何というのかわからないが、墓を移転させる祭祀をして頂き、
然る後に業者さんが墓石を山から降ろし、
新規の墓と並べて霊園の敷地内に建て、そこでまた神式の御霊入れ?を行い、
年内には完成させる、という計画になっている。

直接の使用者となる私本人以外に、住所の異なる親族の名を、
霊園に届けておく必要があり、それには娘の名を書くほかない(^_^;。
祭祀財産は通常、権利者の死後は遺族が受け継ぐものだから、
私の実家の親戚などは、直接にはそれに該当しないだろう。
墓の管理費は今後は年払いで私の口座から引き落とされるのだが、
30年払い、50年払い等の前払いも可能とのことなので、
私がいつまで生きるか不明だが(爆)、ある程度のところで
50年分くらい一括前払いをしておければと思っている。

(ここで転夫ころもん曰く、「一括前払いにしたら割引は無いんかね?」。
「だって取りはぐれが無いんよ?ふつう3割引とか、ならん(^_^;?」
さ、さぁ?それは質問しなかった。今度、訊いてみるか(汗)。)

今回建てる墓に入るのは、今の状況のままなら私の両親が最後だろうから、
死後50年まで墓が管理されれば、もう「墓じまい」をして良いだろう。
神道でも仏教でも、死んで50年もすれば弔い上げだ。
娘には一応、因果を含めて(^_^;おくつもりではあるが、
今日この瞬間から50年後と考えても、娘でさえ70代半ばになっているわけで、
実際には、娘の子供たち世代(居れば)の話になるかもしれない。
いずれにしても、彼ら末裔に期待されることがあるとすれば、
それは最後に「墓じまい」の承諾をする役目だけだ。

関係者(多くの場合は子孫だろう)が墓じまいの意思表示をして、
墓地の使用権を手放せば、墓石の処分は霊園がしてくれるそうで、
遺骨は、うちの実家の場合は神道であるため、
明治以前に某神社の別当寺だった、某・真言宗寺院で、
宗派を問わない供養塔に合祀して貰うことが可能であるそうだ。
その他、散骨などでも良いと私は思っているが、何であれ、
そのとき最も都合の良い方法で終わらせてくれれば良い。
また、管理費の支払が途絶えた段階で、
もし関係者の誰とも連絡がつかなくなっていたら、墓は霊園で処分され、
遺骨の行き先についても、関係者の意向が確認できていないとなれば、
自動的に経営母体の浄土真宗の寺院に移され、
集合墓のようなところに集められて永代供養されるとのことだ。

勿論、更に管理費を私にかわって子孫の誰かが支払続けるなら、
将来に渡り、長く墓を維持することは可能なのだが、
会ったこともない「母方の(おばーさんの?)実家の誰か」の墓に
そうそう執着する必要もないのでは、と私は思っている(^_^;。
墓がなくなることに対して、故人を再度喪ったような喪失感を覚える、
という人間は墓じまいは出来ないだろうが、
私の孫か、それ以上に遠い縁の者ともなれば、普通、大丈夫だろう。
まあ、50+α年後のことなんて、誰がどうなっているか全く不明だし、
今の私にどうこうできる範疇を超えているので、
つまり、どうなってもいいんだけど(爆)。

山の上に墓が放置されているのを承知していながら、
荒れ放題にしたまま自分が死ぬほうがよほど嫌なので、
今の自分にできる最善がコレだ、と私は思っている。
これ以上のことは、人脈・体力・資金力すべての面において、無理。
ご先祖様、もし異議がおありでしたら、伏してお詫び申し上げます<(_ _)>。


追記(10月14日):実家の敷地内の竹藪に昔からあった無縁仏も、
この機会に霊園の業者さんに引き取って貰い、
そのまま、寺院の集合墓に入れて頂くことになった。
実家の母屋の北側に竹藪があり、
そこには昔から、「お侍さんの墓」と言われている石があって、
実家では、お盆にはここにも榊を供えたり灯籠を立てたりしていた。
四面体みたいな不思議なかたちをした石が地面から顔を出しており、
横には四角い石も横たえられていて、それを今日、業者さんに見て頂いたら、
「これは五輪塔ですね」
とのことだった。
もとは、円形や三角形、半月形などの石を積み上げた墓であったものが、
年月の流れの中で横倒しになり、半分埋もれたようなかたちになって、
今に至っている、ということらしかった。
誰のどういうものかは突き止めようもないが、やはり墓ではあるとわかったので、
実家の墓所を移すときに、ここもお祓いして一緒に回収して貰うことになった。
ちなみに、「お侍さんの墓」の隣には、ねこのミーコちゃんの墓もあるのだが、
こっちは、私が心の中で祝詞か念仏を唱えて石を除けば、もう良いだろう。
ミーコちゃんが死んで既に40年以上経ち、
生前の彼女(笑)と暮らした記憶を持っているのは実家両親と私だけで、
もはやその全員が、この家には住んでいないのだから、
ミーコちゃんもまた、私の手で「終了」させてやるべきだと思う。

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