ちょっと前のことですが、・・だいぶ前かな??
東京 銀座資生堂のレストランFAROに行きました。
昨年からとても気になっていたお店。大和橘の会の会長さんもお薦めで、というのも大和橘を使ってくださってるそうです。
テレビでも拝見し、日本食材を使ったイタリアン。各地の素晴らしい食材を集めてらっしゃるそうで、その中の一つに大和橘も。奈良食材、他にも使ってらっしゃるみたいで、興味津々。
ところが、伺った月間は、エグゼクティブシェフ能田シェフの歴史をたどるメニュー。FARO1周年の特別メニューでした。シェフの素晴らしい今までの功績がいただけます。楽しみににしていた、大和橘は封印です。ちょっとがっかり・・・
お店は資生堂パーラーのビルの上。
とっても素敵なエントランス
素敵な空間です。それにしても外国人率高し!欧米人の。お客様の半分は外国人。なんかちょっと海外のレストランに来たみたい。
テーブル
プレート。三条の。クロスやナプキンも麻で、光沢があり、美しいです。
この日のメニューは冊子です。一皿ずつ解説付き。今までコンテストで受賞されたお料理やイタリアでお勤めになってたお店のお料理、どうしてそのお料理が編み出されたか、、等々、それを読みながらいただくとなお一層奥深くお料理を理解でき、楽しいです。
早速。
シュリンプカクテル 2014
大ぶりのワイングラスに、なんとオリーブオイルが注がれます。昨年ベストオリーブオイルを受賞したオイル。
このお料理はオイルを楽しむためのお料理。
まず、香りを楽しみ、その後ぼたんえびとイタリアの魚醤(コラトゥーラディアリーチ)が入り、そのままつるっとオイルと共にいただきます。何とも不思議なお料理。このオリーブオイル、すごくスパイシー。オリーブオイルをそのまま飲むことが無いので、、えびに助けられました。
ひよこ豆よ栗のモンブラン 2006
イタリアでは夏の冷たいデザートとして作ってらっしゃったそうです。それを前菜バージョンに。
ひよこ豆と栗のペーストに中には栗粉の蒸しパン、マジョラムや朝鮮やまなの花びら。ちょっとはったい粉を思い出させる風味。香ばしい香りも。栗とひよこ豆がよく合い、なんか懐かしさを感じる前菜でした
梨で作った天然酵母のパンと昆布バター
もっちりとしたうまみのあるパン。昆布パウダーを練り込みホイップしたバター。海藻バターより海臭くなく上品
ジャガイモのスパゲッティ 2017 スペシャリテ
このお料理はローマのお店のスペシャリテ、通常のファロのメニューにも組み込まれてるそうです。少量ですが濃厚なうまみのあるジャガイモのパスタ。2017年のテイストザワールドで優勝した作品。
ジャガイモは山形県産はるか、細長く切り、上には揚げたジャガイモ、下は炒めたジャガイモ。濃厚なバターのソースには魚醤で調味。リコリスのお花も添えられてます。何ともコクのある、食感の楽しめる楽しいお料理です。最後にリコリスの甘い芳香が残ります。ソース美味。
バッカラと白いんげん豆のラビオリ 2008
とても楽しい素敵なお料理でした。このラビオリ、作り方が複雑で、見た目は一つですが中は二つに分かれてます。一つずつ(バッカラと白いんげん豆のペースト)別々に包まれて一つになってる。アサリとドライトマトが添えられ、ソースはボンゴレビアンコの出汁。うまみたっぷりでこのラビオリを口に入れると、別々に味わうことになるのですが、最後は一つの味になります。何とも不思議なんだけど一つの物が何倍にも美味しさが増すお料理です。魔法の料理だわ。。ドライトマトは湘南のトマトだったかな、、ものすごく濃厚で旨味もたっぷり。海の潮風で美味しさが増してるようです。
青のリゾット 2013
このお料理も通常のコースでいただけるものです。とても楽しみにしてたお料理。嬉しい~~!
イタリアで観たピカソの「青青の時代」という絵画がモチーフになったお料理。青は美味しく見えない色と思われてるけど、途中で色がどんどん赤紫に変わっていくので、楽しく美味しい、魔法のリゾット。この青は紫キャベツの色素の粉で着色されてます。ソースはゴルゴンゾーラのソース。上にはゴルゴゾーラとレモンピール、タイムが添えられていて。クリームが浸み込むにしたがって、色が変わってゆきます。レモンピールが風味のアクセントになりとっても美味しく楽しいお料理です。かき氷のほうせき箱さんのリトマス試験紙、と同じ原理かな。。
器も素晴らしい。信楽焼なのですが鉄っぽく見える釉薬をかけて焼いてあるそうです。信楽には見えなかった。。
オールブラックス 2014
全て黒!こんなお料理初めて。でも、案外いいもんですね。潔いわ~!ちょうどラグビー真っ盛りでちょっと笑えた。。このお料理ヨーロッパで開催の国際ラグビー大会中に星付きシェフのコンテストがあり、テーマが「色」だったそうです。その時の出場作品。
魚料理です。右のイカ墨チュイルの下にはふっくらとしたスズキ。イカ墨のゼリーに包まれてるので、やはり真っ黒。左の円形は根菜や葉野菜と竹炭でつくられたペースト、下はマヨネーズと竹炭。真っ黒だけど、それぞれ味が異なるのが面白い!
牛テール煮込みローマ風 2012
ローマの伝統的なお料理を今様にされたもの。仕上がりが軽く、見た目と味のギャップがあり、なつかしく思える味。
煮込まれたテールは丁寧にほぐされ、ラルドで巻かれてます。マイクロハーブがたっぷり。ソースはリンゴとセロリのソース。まるでフレッシュジュースのよう。爽やかで重くなりがちなテールも軽やかに。素敵なお料理です。ソース好きだなぁ・・
器も素敵。清水焼なのですが、地模様はトビカンナ柄。この柄は福岡だそうです。京都と福岡の陶芸家が結婚してこの器が生まれたとか。楽しいですね。とっても素敵、私も欲しい~
最後のお肉料理の前にナイフ
福井、龍泉刃物。
日本の刃物はやはり上等!
シャポン鶏とパプリカ 2014
新たな研修先コペンハーゲンで得た考え方がはんえいされたお料理。フードロス、伝統的な表現方法等。
鶏肉が通常では廃棄される雄の鶏を時間をかけて育ててます。宮崎にある養鶏場のもの。
身はしっとりと、まるではんぺんのような食感?なんとも形容しがたい鶏肉。パプリカの香りをまとい、赤とケールの濃い緑がなんともシックで美しい。
トロピカルイエロー 2015
ローマのお店では「色」をテーマにデザートを作られたそうです。
マンゴーのムースにパッションフルーツのメレンゲ。結構酸味の効いたメレンゲ。パリッシトッっという感じ。
最後はハーブグリーン 2018
グリーンの生地の上に奈良、山口農園さんのハーブたち。
ファロのすべてのお客様が最後にいただくデザートだそうです。色んな香りや青臭さ、自然を体感できる風味です。緑の風が最後にふわ~~っと感じます。それぞれの季節を大切に感じたい!
初めて伺って、こんな素敵なメニューに巡り合え、本当に幸せでした。
食材の持つ力、季節を生かす、シェフの力は素晴らしいです。どんな国にいても、根底に流れる食材やお料理に対する考えは同じなんでしょうね。。
来月はシェフのお料理教室に伺います。今から楽しみ~