28年目の「あかんべ山」がやってきた。
前日には、仕込み・そしてリハーサルだ。
ささくれは、仕事が暇で、土日が休みになって、ひさびさの準備から参加だ。
彼は、結構生真面目なので、丁寧に床にカーペットを敷く。
年々グレードを上げる音響設備・・・・
もはや・・素人を拒絶するすがたである。
我が、朋友関口氏の偉大さが分かった。
あかんべ山２００９のタイトルが、ステージバックに掲げられる。
28年、まさに「どうしてここまで」「そしてどこまで」と、問わずには居られない長さだ。
そして、その心の葛藤は、いつも内在している。
やっつけで、大工仕事もやった。設計・調達・監督は俺だ。
で、職人はキョカンチン帝国・アバウト・ささくれだ。が、キョカンチンはビスの打ち方がヘタであった。
写真・部材のビス打ちをするキョカンチン。
ほら、コンサートホールはさ、ドアが2重になってて、本番中にお客が入っても、明かりが漏れないようになってるでしょ？
あれを、現場施工してるわけね・・
昨年は「この入り口はお化けや屋敷か？」とのお声が多かったわけ。
んで、今年はきばったのさ！
一方「ＨＯＴな企画」組は、調理室で明日お客様に出す「塩茹でジャガイモ」を必死にあらったのだ・・なんせ・たぶん３００や４００個だからね～たいへん。
取材に行ったら、すでに洗いは済んで、リハーサル夕飯のカレーも出来ていたのだ。
会場には昨年評判の「燃やすごみ」のゴミ箱も設置されたのだ。
12時からやっつけて、なんとか3時４０にはほぼ会場が完成・音響も間に合って音が出る。
4時には、リハが始まる。
ＴＯＰは「さのっこ」！かなり早く来て、お茶だしてくれたり、色々手伝ってくれていたのだ。
かなり、しっかりした「歌」だった。直感で「今年は良いな」と、僕は思った。
懐かしい、それはそれは懐かしいグループが、リハーサルにやってきた。
彼らは「ウッドランド・リンギング」！
第21回まで出場し、そこで休止したグループだ。
22回からは、メンバーの2人長谷川さんたちが「ワイルドフラワーズ」として歌ってきた。
そして、28回の今、7年ぶりに、再結成でウッドランドだ！！
アマチュアの中では、１つ２つ抜けて、時代が会えば「プロ」のグループだった。
僕らアマチュアの目標のようなグループだった。
そのウッドランド・・・7年の空白を埋めるような足取りで、リハーサルだった。
うれしかった。僕は舞い上がっていた。
準備の手を休め、皆、聞き入っていた。
ブランクは無かった。
あかんべ山と言うコンサートは、彼らを待ち続け、いつも立つべき場所を用意しているようだった・・・
リハは続々と続いている。
僕は、1年ぶりにマーチンのＤ－２８にワックスをかけ、弦を張り替えた。
どうも年とともに、ドレッドノートは重いと感じていたが、今年の曲にはこのギターのガツンと来るストロークと、シャリシャリな単音が必要だった。
1ヶ月弾いたので、少し馴染んで、うれしかった。
さて、ロストのリハだ・・・
この日になって、ユッコがすごい声で電話してきた。
「ごめん・・風邪ひいちゃってこんな声に・・・リハーサルには行くから・・」
僕は、ユッコのソロパートや高いコーラス部など、無理・・と確信した。
動転している場合ではない！こうした場合、的確な指示・冷静な判断が僕の仕事だ。ここの勝負を切り抜ける技こそ、おれの仕事だ！！と・・・思ったかどうか？
ソロはミホへ差し替え・高音部は１つ抜けることを覚悟だ・・
そのリハーサル・・・気が動転のボーカルは歌詞を間違う・・歌うほどテンポがズレ・・・♪１２０が♪８０辺りまで乱高下ではないか！！
ついに、リハーサルで修正できないまま・・終了した・・・
お願い！
神様・・が・・居るなら・・・なんとかならんか～～
リハーサルも終盤を迎え、外の冷気が忍び寄る。
ステージでは、和太鼓の熱い祭囃子が響いている。ロストそしてあかんべ山とおない年の達和会だ。
なんやかや、リハーサルは終了した。
その出演者も、しっかりコンサートに間に合わせ、素敵な音楽を持ち寄れたようだ。
明日・・明日が本番！
上気した思いで、会場の電気を切り、ドアの鍵を閉めた。
僕は、少しの心配で、家に急いだ・・・
いつもなら、リハーサルの録音を持って帰るのだが・・・
録音のテープは会場にそのまま・・・だった。
まあな、何とかなるさ・・28年・・何とかしてきたツワモノが、僕らじゃないか！
喉はカラカラだった・・酒を煽った。
呑んでも不思議と酔わない・・・いつしか12時を回って、とりあえず寝た。
これが、前日の出来事だった・・・
