1年で、ついに5組目の、親戚の結婚式だった。
女房のお姉さんの、子供・・・甥である。
やさしい男だ。悩み多く・沢山考え・色んな経験をつんで、今は「若き獣医」として、ひとり立ちしようとしているところだ。
よめさんは、実に・じつに、しっかりした美人であった。
めでたい!
とても恥ずかしがりやで、当初、「結婚式」はしないと言っていたが、よめさんが意思を通して、極身内で、小さく、そして大事に、今回を用意したようである。
エライ!
馬車に乗って
去って行った!
はにかんでるね~~
季節は、夏。
高原の夏は、すでに、沢山のキノコが生えていた。
厳かに・そして、晴れやかに(あいにくの雨だったが、すがすがしい雰囲気に、雨は気にならなかった)教会での式が終わって、昼食となった。
ほんとうに、極身内。
親や兄弟、そして、まあ僕のような、伯父さんまで。
マイク無しに、声の通るような、そんな会場で、賑やかにお昼を食べた。
まだ、開業したばかり。腕を磨いて、沢山のお客さんを見つけ、これからだな・・・
ひたむきでまじめな子なのだ。きっと動物を慈しみつつ、がんばるだろう。
それにしても、続いた・・・
こんどは、お前達か?
いい男を見つけるのだ!この伯父さんのようなだ・・・・
いや、結婚だけが、人生じゃね~~ぜ!
しかし、まだ、未婚の甥や姪・・・あと5人かっ!
さて、伯父さんは、二人に「詩」を贈ろう。
秋の接吻
ひとを愛して
愛したことは忘れてしまった
そんな瞳が咲いていた
萩の花の白くこぼれる道を
火山灰の白く降る山の道
すすきを分けてきた風が
頬をさし出して
接吻した
ひとを愛して
愛したことは忘れてしまった
・・・・・・・滝口 雅子 詩集「窓ひらく」より・・・・・・
きっと、愛されるという、受身の悲しさを詠い、愛すると言う意志の確かさを、詠ったのだと思う。そのように、二人とも、生きて欲しいと、伯父さんは、思っている。