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手抜き料理・過去最高

2023年10月15日 11時14分22秒 | 手抜き料理
魔の懐石料理教室が終わった翌週

同級生ユリちゃんのお寺で、恒例のお寺料理を作った。

お盆行事で熱中症になって以降、初めての料理番だ。


お寺では危険防止のためにエアコンが付いたが

あれから季節は移り、秋になったので出番は無い。

ユリちゃんを始め、お寺の人たちは得意げな一方

病み上がり?の私に気を使っている様子だ。


「結局付けるんなら、こんなことになる前にやらんかい…」

台所の壁に高々と祀られたエアコンを見て、私はいまいましく思った。

こっちはずっと後遺症に苦しんでいたのだ。

私の夏を返せ。


一方、料理番仲間の同級生マミちゃんは張り切っている。

前の週にやった懐石料理の教室で、さんざん働かされた恨みが

彼女を燃えさせていた。

「お金を取られて働かされるより、タダ働きがわかってるお寺の方がまだマシ」

だそう。


とはいえマミちゃんも、お寺料理から足を洗いたいと思っている。

しかし、ユリちゃんと気まずくなるのは困る。

狭い田舎町で、お寺は人の口に上りやすい。

特にユリ寺は、住職が常駐していないことや跡取りがいないこと

檀家がひどく少ないこと、住職の夫婦仲が険悪なことなど

お寺にとって不利な条件が揃っているため、何かと噂の的である。

“そして誰もいなくなった…”という結末になるその日を

町の人々は興味本意で見守っているのが正確な現状。


そのように注目を集めている対象との関係がこじれたら、噂はすぐに広まる。

客商売40年のマミちゃんは、そうなると面倒くさいことを知っていた。

主観でしか物を見られない年寄りは、とんでもないことを言いふらすものだ。

“あのユリ寺で同級生が仲間割れ”

噂にそんな見出しが付いたら、みっともないではないか。

先はどうあれ、今の関係を自ら壊すわけにはいかない…

この縛りがマミちゃんを引き留め

私は彼女の縛りに付き合っているという格好である。


ともあれ今回は、宗派の開祖の命日を記念した、“御会式(おえしき)”。

めでたさと規模では、夏祭りの次に重い行事だ。

参加者が少ないとはいえ、それなりの格は必要。

スンドゥブチゲやチーズダッカルビでランチというわけにはいかない。


ということで、私が思いついたのが

《みりこん作・レンコン饅頭》


言わずと知れた、あの恐怖の懐石料理に対する反抗だ。


懐石料理で作ったレンコン饅頭は、蒸したものだった。

ボケた味で、ちっとも美味しくなかった。

私にとってのレンコン饅頭といえば

以前勤務していた病院の厨房で作っていた名物料理である。


これは以前、レンコン団子という名称でご紹介したことがある。

レンコン、ギンナン、ニンジンをそれぞれフードプロセッサーで粉砕した物と

大葉のみじん切りを鶏ミンチに混ぜ込み

卵、酒、ショウガ汁、塩、薄口醤油を加えて

小さいハンバーグ状に丸めて揚げたもの。

材料さえ揃えればすごく簡単で、油はねが無く平和に揚がる。


レシピは50個から60個分と、多いのが申し訳ないけど

鶏ミンチ1キロ、くずレンコン1キロ、ギンナンの缶詰中型2缶

ニンジン3本、大葉50枚、ショウガ5センチ大1個分の汁

卵3個、酒大さじ1、塩小さじ2、薄口醤油80CCってところか。


こうして揚げたレンコン饅頭を汁椀に置き

昆布とカツオ節で取った出汁に酒、薄口醤油、塩で吸い物状に味付けして

片栗粉で緩やかなトロミを付けた汁をヒタヒタにかけ

スダチでもミツバでもカイワレでも飾れば

ハイ、何やら上品そうな椀ものの出来上がり。

しかも香ばしくて美味い。

デキる女の名声は欲しいままである。



《みりこん作・イカ大根》


我が家の魔境、冷凍庫から

いつぞや息子の釣ってきたイカが発掘されたので煮て持って行った。

私の料理はこれだけなので、すごく楽。

今回から、マミちゃんと誓い合ったのだ。

「これからは、あんまりようけ作るまぁや。

ようけ作ってもアレらが喜ぶだけで、こっちは洗い物や持ち帰りの土産が増えて

自分の首を絞めるだけじゃけん」


一方、マミちゃんは春巻き特集。

お盆行事で倒れた私がほとんど食べられなかったため

改めて作ってくれた。

春巻きは生も揚げたのも好物なので、嬉しかった。

《マミちゃん作・海老入り生春巻き》



《マミちゃん作・キムチ入り生春巻き》



《マミちゃん作・揚げ春巻き》



《マミちゃん作・生リンゴと溶けるチーズの揚げ春巻きハチミツ添え》



《マミちゃん作・シイタケの肉詰め》


この料理もヘビーローテーションだが、私の好物なので作ってくれた。



この行事ではユリちゃんと兄嫁さんが作った精進の炊き込みご飯が土産に付くので

主食は凝らずにおむすびを作る予定だった。

が、お天気がパッとしなかったのもあって参加者のキャンセルが続き

結局、檀家は3人だけ。

料理番はマミちゃんと私とモンちゃん、そして公務員OGの梶田さんの4人。

あとはユリちゃん夫婦に兄嫁さん

それからユリちゃんの従姉妹夫婦がランチに訪れて5人。

総勢12人、身内とスタッフの方が多いという安定のメンバー構成。

檀家が少ないので、焼香など法要の手順が早く終了してしまい

昼食が早まったため、おむすびを作る時間が無くなって白ごはんになった。


他に、ゼンザイを作ってジプロックに入れて持って行った。

冷凍の白玉団子も買って行った。

冷凍白玉は凍ったまま、鍋に移したゼンザイに入れて温めればいいので楽ちんだ。


今回は料理をあえて少なく作ったため

残り物は多めに作っていたレンコン饅頭だけ。

カラシ醤油を付けて食べるとカジュアルな居酒屋風になり

汁ものとは違ってまた美味しい。

水分に気を使わなくていいので土産の折り詰めも早くできて、とても楽だった。


マミちゃんは材料費が8千円近くかかったと気にしていたが

構うもんか。

私も躊躇なく、7千円ほど買った。

量の少なさと予算の高さは過去最高となり、満足だった。

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2 コメント

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Unknown (田舎爺S)
2023-10-15 13:42:04
イカと大根?の煮つけが美味しそうですね。
過去最高、構うもんか、その通り。
品数を増やせと言ったら、オートブルでも外注して持って行ったらいいですよ。
理由は、二度も倒れられないし、お寺の対面もあるし、
とか何とか・・・
お疲れ様でした。
返信する
Unknown (みりこん〜田舎爺Sさんへ)
2023-10-15 19:46:07
イカと大根の煮付けは好評でした。
味そのものよりも、買うと高い物に人気が集まるようです。

過去最高といってもお祭りの時はこれぐらいの金額では
済みませんが、いつもの10人余りの集まりでは
今回が最高金額でした。

二度も倒れられない!アハハ!
それ、チャンスがあったら言わせてもらいます。
外注も有りですね。
ねぎらいのお言葉、ありがとうございます。
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