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手抜き料理・夏祭り編

2024年06月10日 12時25分38秒 | 手抜き料理

6月某日、同級生ユリちゃんの実家のお寺で

恒例の夏祭りがあり、私はいつもの料理番仲間…

同級生のマミちゃん、モンちゃんと一緒に料理をした。

もう一人の料理番、公務員OGの梶田さんも手伝ってくれたので

大変助かった。

 

お祭りの料理は、もはや惰性。

メインは昨年、一昨年と同じくカレーじゃ。

カレー制作中の私と、右側はカレーに入れるニンジンを炒めてるマミちゃん。

私は小さい鍋を抱え、大鍋の中身の一部を移して

カサ増しを狙っているところみたい。

 

 

それから、適当な物を並べたオードブル。

年々体力が落ちて、もはやメニューを考えるのも面倒くさい。

今年のオードブルは鶏の唐揚げ、ハンバーグ、卵焼き

ポテトサラダ、それから冷凍の枝豆という手抜き祭り。

 

センターはフキと油揚げの煮物。

前日、台所の裏庭にフキが群生しているのをユリちゃんが獲って

「お祭り料理の一品にして欲しい」

と言ったけど、フキって下処理が厄介なので断固拒否。

そしたらユリちゃんの兄嫁さんが、煮てくれてた。

フキが一番美味しかった。

 

鶏の唐揚げは、5キロ分。

下味をつけて揚げればいいので、決めた。

味付けは市販の塩麹に、ショウガとニンニクを加えただけ。

酒も醤油も入れず、塩麹だけなのに

けっこう美味しくてびっくりした。

自分が言い出しておいて、我ながら無責任なものよ。

 

ハンバーグは合挽ミンチ5キロで、小ぶりなのを120個作った。

去年作ったミンチカツの衣付けが大変だったので

小麦粉、卵、パン粉を見捨て、裸のまま焼いただけ。

肉汁が滲み出て、食べる人の服を汚したらいけないと思い

硬めに仕上げたらカッチカチのパッサパサ。

 

卵焼きは、お祭りを手伝うのは男性が多いということで決めた。

うちに余っていた卵を持ち込んで、適当に焼いただけ。

 

ポテトサラダは、マミちゃんが家から作って来てくれた。

人に作って持って来させるのは、最高の手抜き。

 

冷凍枝豆もマミちゃんのアイデア。

国産の良い枝豆で、よく太っていて美味しいものだった。

 

これで万全!とタカをくくっていた我々を、予想外のアクシデントが襲う。

2升釜で1升と8合炊いた、カレーのごはん。

規定量いっぱいの2升を炊くと

“釜が張る”といって、ごはんがパサパサするので

ちょっと少なめに炊くのが常識なんだけど

今回はお米の芯が残って、ひどくパサパサだった。

 

米と水を計量したモンちゃんが、間違ったらしい。

彼女は普段、こんなに大量に炊くことは無いので、無理もない。

スイッチを入れたのは私。

その時、水加減をちゃんと確認すればよかったと思ったが

あとの祭り。

 

けれども対処法はある。

生煮えのごはんに茶碗一杯ぐらいの日本酒を回しかけて

もう一度、炊飯スイッチを入れれば何とかなるものだ。

何とかならなければバターで炒め

上からカレーをかけて誤魔化そう…と思いながら

恐る恐る日本酒投入後の炊飯器を開けてみたら

何とかなっていたのでホッとした。

 

1升8合のごはんは昼食のカレーでほとんど無くなったので

午後になると、同じく1升8合をもう一回炊き直し

小さい1升釜でも8合を2回炊いた。

カレーのごはんもだが、大量のおむすびも必要だからだ。

 

こうして頑張ったお祭り料理だが、今年は大学生の大軍が来ず

我々ぐらいの年代の爺婆が多かったので

ごはんもカレーもオードブルも大量に余り

持ち帰りの折り詰めを作る方が忙しかった。

打ち上げの夜食なんて、大学生がいないということで

生ビールなどの酒類が出たため、食事に取り組む者とていなかったのだ。

若者がいないと、こんなに余るのか…改めて驚いた。

 

ところで今年は梶田さんが朝から終わりまで手伝ってくれたので

一緒にいる時間が長かった。

我々4人は人の耳を気にしつつ、色々なことを話したが

梶田さんも、お寺料理にはかなりの不満をお持ちの様子。

 

お祭りの翌々日も、「義姉が疲れているから」という理由で

ユリちゃんから昼ごはんを作って欲しいと頼まれているそう。

我々がお寺料理を拒否した時は、優しい彼女に頼むのが

近年の習慣になっていた。

「シブシブ引き受けたけど、ホントは嫌。

疲れが残るから、息子にもいい加減にしろって言われてる。

私はあんたたちより三つも年上だし、しんどいのよ」

 

翌日じゃなくて翌々日の理由、我々にはすぐわかる。

翌日はお祭り料理が残っているので、お寺人はそれで食いつなぐのだ。

そして食べ尽くした翌々日、梶田さんの料理で再び食いつなぐ寸法。

こういう下心が透けて見えるのを見えないフリするのが

お寺料理の面倒くさいところなのよね。

 

特に梶田さんが納得できないのは、ガソリン代なんだそう。

彼女はユリちゃんの嫁ぎ先のお寺と実家のお寺の

ちょうど中間にある町に住んでいて

二つのお寺までは、どちらも車で30分かかる。

「気軽に呼び出してくれるけど

こっちはガソリンは使ってるんだからね。

やってられないわよ。

だから最近は材料費を請求するようにしたけど

今までの習慣が染み付いてるから

後で渡すと言って、そのままのことも多いんだわ」

なるほど…。

 

彼女は美しい料理を作るだけでなく

こだわりの食器まで持ち込んで飾り立て

使った食器はそのまま持って帰って家で洗うシステムを取っている。

そしていつも明るく楽しそうで、周りに気を使う。

そんな彼女を、我々は聖人君子と崇めていた。

心いやしき我らに彼女の真似はできないと、いつも言っていたのだ。

が、聖人君子にも色々と思うところがあったと知って

ホッとした次第である。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (田舎爺S)
2024-06-11 09:34:32
久々のお寺料理、お疲れ様でした。
私は家でお昼は自分で作りますが、ハンバーグが手間がかかる割に、上手に作れないので、
最近は、ミンチに厚揚げと生卵を入れてかき混ぜた奴をレンジでチンし、
少し固まってきたやつを鍋で煮ています。
自分なりに満足しています。
梶田さんも嫌になって来られたようで、ユリ寺ユリ子さんが次の犠牲者を探すのか、
先行きが楽しみです。
返信する
Unknown (みりこん〜田舎爺Sさんへ)
2024-06-11 16:01:00
ありがとうございます。
ミンチに厚揚げと生卵、美味しそうですね!
色々工夫されて、すごいです。

リタイアのタイミングを模索している我々は
梶田さんがいるから大丈夫よね〜
と思っていたんですが
彼女もリタイアしたがっていると知って驚きました。
楽しそうにやっているとしか思えなかったんです。

次の犠牲者!プププ!
もう、他にお人好しはいそうにない気がしますけど
出たら出たで面白いし、こういうやり方で
お寺が存続するのかどうかも含めて
私も先行きが楽しみです。
返信する
Unknown (モモ)
2024-06-12 14:59:10
梶田さんも、そうだったんですね~
もう、こうなったら、全員で一緒にリタイア、蜂起、革命しては。
これからの夏は、どうやら灼熱地獄が予想されますし、クーラーが付いたからといって、さらなる労働を要求されそうでは。
そうでもしないと、上級国民意識にいらっしゃる方は、意識改革を牛歩のごとく、行きつ戻りつなので。
返信する
Unknown (みりこん〜モモさんへ)
2024-06-12 21:15:14
ユリちゃん好みの洒落た料理を作る梶田さんは
すごく大事にされていて、特別扱いのはずでしたが
実は違ったんですね。
モクネン君が入院した時は毎日弁当を作って
ユリちゃんに差し入れていたんですが
あれで疲れたのかもと思いました。

蜂起!革命!
やったら面白そう笑
私は実家の母、モンちゃんは仕事を理由に
いつでも抜けられますが、問題はマミちゃん。
ユリちゃんが店のお得意様なので
表立って反旗を翻せないというところ。
心配してくださって、ホントありがとうございます。

お盆は母を理由に断ろうと思ってるところ。
月初めのお祭り直後に転倒して首を捻挫したんですが
以後、明らかに弱ってきて、今は病院通いと世話で
毎日実家に行っています。
多分、彼女が静か?になるまで続きそう。
返信する

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