殿は今夜もご乱心

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手抜き料理・夏バージョン

2023年07月05日 08時30分47秒 | 手抜き料理
気がつけばもう7月。

雨は大丈夫でしたか?

何だか心配な夏になりそうです。


夏と言えば、料理が好きなほうの私でも

夏の料理は年々きつくなる一方よ。

だけど今年の夏は、一歩前進したかも。

だって、ナスの画期的な料理を知っちゃった。


義母ヨシコはナスが好き。

ナスは偏食女王の彼女が食べられる、数少ない野菜の一つ。

だから夏は、冷たく冷やした焼きナスの出番多し。


だけど、焼きナスを作るのは面倒よ。

切れ目を入れたナスを丸ごと、魚焼きのレンジで焼けばいいんだから

取りかかるのは簡単。

でも、丸こげになったナスの皮を熱いうちに剥がして

身だけにするのが厄介。

手が熱いじゃん。


丸コゲのナスを冷ましてから、皮を剥がせばいいのはわかってる。

だけど熱いうちでないと、皮が薄く剥けないのよね〜。

熱々の皮を剥がした時、ちょっとだけ焦げて色づいた

グリーンの身が出てくる。

あれが香ばしくて美味しいのよ。


それを適当に切って冷やし

カツオ節やおろしショウガを乗っけて醤油で食べる…

ヨシコでなくても、美味いと思うわよ。

ショウガを食べないヨシコの焼きナスは、ショウガ抜きだけどね。


そのヨシコ、ナスへの情熱が年々増してきて

最近は焼きナスを酢味噌で食べたいと言い出した。

オッケー…ということで作るようになったんだけど

皮を剥いたナスに、トロッと酢味噌をかけたら

ナスの水分が出て味噌汁みたいになるんだわ。


酢味噌は食べる直前にかけるなんて常識は、通用しない。

食べるのが遅い彼女が焼きナスに取り組む頃には

味噌汁に変わり果て、「これ何?」状態。


そうこうしていたら、いつもの女子会があり

突き出しに酢味噌をかけたナスが出てきた。

ナスは皮ごと、蒸してある。

だから色の方は淡い緑色じゃなくて、地味な茶色だけど

カラシを効かせた酢味噌が無事じゃん。

しかも美味しい。


で、真似してみた。

《蒸しナスの酢味噌がけ》


わざわざナスを蒸したのかって?

ノー!

蒸し器を出そうと手をかけたけど、かったるくなってやめた。


ヘタを取ったナスに一ヶ所、ブスッと切れ目を入れて

1本ずつラップで巻いて電子レンジへ。

切れ目を入れておかないと、破裂するかもしれないからね。


レンジにかける時間は、1本につき2分ぐらい。

レンチンが終わったら、すぐにラップを外して放置すると

皮の紫色が残る。

ラップを外さずに放置すると、地味な茶色になる。


冷めたら縦半分に切り、1センチぐらいの厚さで斜めにスライス。

台所も暑くならないし、簡単じゃ〜ん!

しかもナスの皮でブロックされるので、酢味噌が味噌汁にならない。

トロリを保った酢味噌がナスによく絡み、オツな一品になった。


酢味噌は白味噌、酢、カラシ、酒、砂糖、ミリン、ゴマを

好みで適当に混ぜ合わせて完了。

あれこれ材料を混ぜるのがかったるければ

「そのまんま酢の物」みたいな味付け酢に

白味噌とカラシ、ゴマを混ぜてもいいし

市販の酢味噌を買ってもいい。

ヨシコの反応も上々で、この夏のナスはこれに頼るつもり。


《豚バラの味噌漬け》


5ミリくらいの厚さの豚バラを味噌漬けにして焼いた一品。

これは前に、お寺料理で作って評判が良かった。

親切な梶田さんが炭火で焼いてくれたけど、味噌は焦げやすい。

思い切り焦げていて、何だか残念だったので

先日、家で作ったのをごらんください。


今回は、いただき物の味噌が家族に不評だったため

迷わず味噌漬けに使った。

田舎って、手作り味噌が横行してるのよ。

美味しい手作り味噌というのに当たったことは無いんだけど。


味噌ダレは味噌、砂糖、酒、ミリン、ニンニク、少量の醤油を好みで。

味噌ダレに漬けたら数日間、冷蔵庫で保存。

焼く時は味噌を拭き取り、フライパンで裏表を軽く焼けばできあがり。


炭火でなくフライパンで焼く時は脂がたくさん出るので

キッチンペーパーに脂を吸わせながら焼く。

人はどうだか知らないが、うちでは家族が大好きな一品。

焼く時は当然暑いが、脂っこいのでそうたくさん食べられないため

量が少なくて済む。



しかし料理については、もっと涼しくて楽な方法を発見した。

きっかけはこの春に起きた、卵の不足。

「スーパーへ行ったら、卵がひとパックしか買えなかった」

「高くなった」

実家通いが日課で、結婚以来42年

毎日来る夫の義姉カンジワ・ルイーゼがぼやくようになった。

何事も計画で動く彼女は、不測の事態が起きると人一倍こたえる性分である。


優しい!私は、すかさず卵のパックを彼女に差し出す。

だってうちは生協の宅配で、週に40個の卵を買っている。

ダブついた時は注文を控えて、調整しながらやってきた。

卵が不足するようになってからは

値段は上がったものの、変わらず供給されているので

ルイーゼに分けてやるぐらい何ともない。


すると彼女はお礼のつもりか、翌日、前の晩の残り物を持って来た。

残り物を持ち込む習慣は、以前から細々と続いているが

月に数回、母親一人分だった。

しかし今回は我々のことも考えてか、量が多い。

塩分を憎む彼女の料理は味が無く

しかも前夜の残り物なので味が落ちているため、誰も喜ばない。

それでも、その気持ちが嬉しいではないか。


私は毎週、生協が届いた日には

ルイーゼに1パックの卵を捧げるようになった。

卵の心配が無くなったルイーゼは、料理を持って来る回数が増えた。

非常にありがたい。

義母ヨシコは娘の持って来た物を珍重し

そちらを主に食べるので、彼女の特別食を作る回数が減ったからだ。


偏食の多いヨシコには、家族と別の料理を作って出すことがほとんど。

やった人でないとわからんだろうが、そりゃもうしんどい。

頭の中にはいつも、ヨシコ用の別メニューが引っかかっている。

メンタルの弱い人や、料理の仕事をしたことのない人だったら

生きる意味すら見失うほどの苦行だと思う。


何でそこまで姑を甘やかすのか…

同居したことの無い人は、そういった疑問を抱くと思う。

私だってやりたくない。


が、生き残るのはワガママな人と相場は決まっている。

「私の食べる物は無いのね」

低い声で言い捨て、ふくれっつらで冷蔵庫を引っかき回して肉を探し

これ見よがしに一人分のしゃぶしゃぶなんか作って

無言で食べられてごらんよ。

一緒に食事をする他の者は、どんな気持ちか。

毒気で胃をやられるよ。

何度か経験して懲りたので、この状況を避けるためにやっている。

家族の健康と平和のためには、主婦が負担を背負うしかないのだ。


これが卵1パックで少しでも軽くなれば、言うことは無い。

娘が作ってくれた、届けてくれたと大袈裟に言いながら

皆に食べろ食べろと執拗に勧めるのはうるさいが

ふくれて毒を撒き散らされるよりはマシだ。


私は、この卵作戦を続けるつもりだった。

しかし最近、卵の量も価格も元通りになりつつある。

それはとても良いことだと思うが、もう卵と料理の物々交換は終了かも。

なにげに残念だ。
コメント (6)
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