殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

春爛漫・1

2023年03月31日 15時23分18秒 | みりこん流

『庭にある、しだれない枝垂れ桜』


春は爛漫、殿は乱心。

今回の記事は、久々の乱心モノじゃけん。

記事にするのは久々だけど、それらしきことはちょこちょこあったわよ。

色情の悪癖は、一生治らないのよ。

病人と生活してるようなもんだから、木の芽どきになると持病がね。


夫も65才、最後のひと花やふた花は咲かせたい年頃さ。

絶対やらかすと思ってたわ。

だからブログのタイトル、変えてないでしょ。

シロウトだったら途中で変えるわよ。

姑日記とか、老夫婦の穏やかな日々とかさ。

伊達にこんなタイトル、付けてるわけじゃないけんね。


とはいうものの、何だかホッとしてるのは確か。

いい人のまま死なれると、こっちが辛いじゃんか(自分の方が長生きする気でいる)。

あ、カラ元気や負け惜しみじゃないの。

相手の女の不倫体験なんて、たかが1回か2回、多くて数回程度だろうけど

こっちは百戦錬磨、そこまでスレたということよ。

まあ連戦で鍛えられたというより、介護と姑仕えの方が

亭主の浮気なんかより断然きつくて、今さらどうでもいいというのが正解かも。


夫も親に振り回されて、はや12年。

1月の交通事故以来、ワガママ放題の母親と毎日一緒に病院通いだし

ガラスのハートは限界だったと思う。

彼を救うのは、恋しか無さそう。


義父もそうだった。

年取って病気で動けなくなるまで、女性関係は細々と続いてたわ。

義父の場合、商売が左前になって、膨らむ一方の借金を忘れるためだけど。


年寄りになってもまだ女がいるんかい…

そう思うだろうけど、これは体質だからどうしようもない。

アレらが求めるのは性的関係じゃなく、脳内麻薬。

恋をするとウキウキワクワクするのは、脳内麻薬のせい。

あれが出てる間は、一時的に恐怖や苦しみが消える。

その一瞬が欲しいのよ。


それには奥さんじゃダメ。

よその人じゃなければ、脳内麻薬は出ない。

万引きとか、こっそり悪いことをしたらドキドキするのと同じだと思うけど

この背徳心が、脳内麻薬の噴出量を高めるみたいよ。


今、実際に悩んでいたり、過去の恨みが忘れられずに苦しむ方はいらっしゃると思う。

そんな方々や、これから経験するかもしれない方々に向けて

何かの参考になればと思い、テキスト形式にしてみました。

さあ、張り切って行くわよ!



『伏線』

後で思い出すと、必ず伏線はあるもの。

これは気づいても気づかなくても、どうでもいい。

うちの夫は社会経験が少なく、一般常識に疎い所があるため

わかりやすいだけである。


今回の例だと、最初はゴールデンウィークの計画。

まだ3月の半ばだというのに、夫の頭は早くも5月に飛んでいた。

その内容は「広田や同級生と車で、カズヨシの納骨をしに京都へ行く」というもの。

広田とは夫の同級生の僧侶で、夫はいつも彼のお寺の行事を手伝っている。

一方、カズヨシとは1月に亡くなった同級生。

そしてカズヨシ君は、広田君のお寺の檀家である。

つまり僧侶の広田君はお寺の慣習にのっとり

カズヨシ君の遺骨の一部を京都の本山へ納めに行くそうだ。


ここでピンとこなければ、熟練者とは言えんよ。

分骨した遺骨を本山へ納めに行く…この行為自体は怪しげなものではない。

禅宗、真宗など、様々な宗派で行われていることだ。

宗派によってやり方が違うと言われればそれまでだが

いくら同級生でも僧侶が自ら京都へ持ち込むのは親切過ぎる。


京都くんだりまで行く交通費は、途中の食事代は

宿泊費その他の必要経費は誰が持つのだ。

寺か、それとも遺族か。

檀家が減って同級生に手伝ってもらうしかない貧乏寺が

自腹を切って行くはずもなく、遺族がスポンサーというのも不自然極まりない。


それに本山への分骨は家族の手で運ばれ、納められるのが一般的だ。

そして家族は納骨が終わると、京都を観光して帰途につく。

私は身内の分骨で京都へ行ったことがあるが

夫の一族は死人に無頓着なので、彼は知らないまま

寺で聞きかじった分骨云々を悪用したと思われる。


さらに私はカズヨシ君の奥さんを知っていた。

旦那の分骨をお寺に任せるような人物ではない。

しっかりしていて旅行好きなので、身内をゾロゾロ引き連れ

観光がてら絶対に自分で行く。


しかも夫が運転手だなんて、命知らずにもほどがある。

加齢で目の衰えた夫に、京都まで行く実力は無い。


「怪しい」が複数重なると、ビンゴ。

これは以前から私が主張している事柄だ。

つまり夫は、ゴールデンウィークに車で一泊旅行がしたい。

この願望を満たすため、納骨と運転の言い訳が必要になったらしい。

友だちのための仏事と言えば、私が奨励するのを知っており

2日間、夫の車が家から消えても、運転手として皆を乗せて行ったことにすれば

何ら違和感を持たれないと踏んだのだろう。


誰とどこへ行こうと、好きにすればいい。

しかし、この程度の嘘で騙せると思われているのは気に入らん。

少しは闇バイトを見習うがいい。

ともあれ「広田や同級生と車で、カズヨシの納骨をしに京都へ行く」 

この一行を聞いた一瞬で、ここまで察知しなければ熟練者とは言えまいよ。



さて伏線は、もう一つあった。

納骨発言と同時期の今月半ば 

夫は事務員のトトロ35才、推定体重100キロ超をついに辞めさせたのだ。


仕事をほとんどしない彼女を雇い続けるのは、そろそろ限界ではあった。

彼女を紹介したのは夫の友だちであり、市会議員のO氏。

どこに勤めても続かないトトロを心配した親が、O氏に頼み込んで実現した就職だ。

精神が不安定と聞いた夫は、接し方がわからないので難色を示したが

紹介者が市議と聞いて、議員に弱い本社の河野常務が食いつき

その場で入社を認めてしまった。


ただし条件は良くない。

最低時給、社保厚生年金無しのアルバイト扱い。

常務、こういう所はシビアなのだ。


で、トトロのようにメンタル弱めの子は、暑い真夏や寒い真冬も不安定になって休むが

木の芽どきは重症化するので、春は特に休む。

それで誰も困らないのはともかく、たまに出勤すれば

寝るか、くわえタバコでスマホのゲームをするのが日課。


夫は何度かO氏に紹介の責任を問い、親に言って引き取ってもらうよう依頼した。

けれどもO氏は、自分の支持者が減るのを恐れて逃げ回るので

夫とO氏の友情は終わった。

昨年、私がウグイスをやっている別の市議、Y君の選挙ドライバーを

夫が買って出たのは、それまで選挙を手伝ってきたO氏への当てつけである。


ともあれトトロの不安定はこの春も例外ではなく

珍しく出勤したその日はずっと寝ていたらしい。

「しんどいなら家に帰って寝ろ」

夫はそう言って帰宅させた。

そして彼女は、それっきり辞めた。

《続く》
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