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殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

レジェンド・4

2016年02月27日 22時26分55秒 | みりこんぐらし
見てくれ部門に続き、出勤部門も

使う側と使われる側の意識に

大きな差がある。


悩める若者の出勤時間は、ギリギリが多い。

遅刻する度胸は無いが、不満は表現したい‥

自分の難儀の対価としては少ないと感じる給料で

こき使われる時間は1分でも惜しい‥

早く行ったら、苦しみが早く始まるだけ‥

ギリギリ出勤について

若者なりにもっともな理由を並べるが

どれも反抗心から生まれている。


悩める若者は、ささやかな反抗心を表現する

デモンストレーションとして軽く考えているが

周囲の受け止め方は異なる。

上司や同僚は、人の出勤時間を

ちゃんとチェックしているものだ。

ささやかな反抗心と引き換えに、失うものは多い。


仕事に悩む若者がいるぐらいだから

同僚の仕事も同じようにきつい。

同僚だって、あんまり行きたくない。

遠くても、身体がしんどくても

我慢して出てくるのに

自分より遅く来るやつがいる。

ひそかに注目するのは当然である。


交代制の仕事であれば、もっと注目する。

次が来ないと、自分の仕事に終わりが見えない。

来るのはわかってはいるが

顔を見なければ、ホッとする瞬間は訪れない。

交代要員の訪れは

解放が近いことを知らせる嬉しい合図なのだ。


日々同僚を待たせ、その心をすさませていることを

ギリギリに出勤する者は知らない。

和だの円満だのを望みながら

自ら叩き潰しているのがギリギリ出勤である。


上司は、もっと注目している。

挨拶を交わした直後は

ひそかに壁か腕の時計を見ているものだ。

上司にとって部下の出勤時間は

心象及び勤怠評価の上で、重要な物差しである。


残業は、いくら頑張っても物差しにならない。

わずかでも残業代が発生するからだ。

残業の規制は年々厳しくなっており

人件費削減の面においても

残業を奨励する企業は今や皆無。

近年では残業の多い社員は、能力を疑われる。


それだけなら本人の問題だが

残業の多い部下を持つ上司も

人件費削減に非協力的という罪により

部下の知らない所で上から管理能力を問われて

ガミガミ言われている。

部下の時間外勤務の集計なんぞ

見たくもないのが本音だ。

時間外勤務の対象にならない出勤時間に

目が行くのは当然である。


残業が当たり前の職場や

サービス残業ばかりの職場もあるが

残業に焦点を当てて頑張ったつもりになり

見返りが少ないと苦しむより

もう10分早く出勤する方が

世間の風を柔らかくするには効率が良い。


さらに、部下には無能に見える上司でも

経験だけは長い。

来るのが遅い者は、使えないか、続かないか

会社や自分に反抗心を持っているか

いずれにしても可愛げが無いことを

上司は経験で知っている。

例外を探してくれる物好きな上司は

滅多にいない。


その上、仕事というのは

始業時間や交代時間の直前に

よく事件が起きるものだ。

機械の故障、クレーム、急な段取り変更

出勤途中の誰かの事故‥

早めに出勤している者が協力し合って

急変の対策にあたることは、ままある。

労働基準法があるので誰も言いはしないが

始業前は一人でも多くの人数が欲しいのが

使う側の本音である。


一同が協力してピンチを乗り切った後

寝ぼけ面でやって来て何もしなかった。

もしくは出遅れて事情がつかめず

何もできなかった者の姿を周囲は忘れない。


仕事にゃなかなか来ないのに

飲み食いの席には早々とご登場‥

しかも会社から経費が出る時だけで

あとさきゃ欠席ときたもんだ‥

使う側は、よく見ているものだ。

そのような子を引き立ててやろうとは

誰も思わない。

こうして悩める若者は

能力発揮や親睦のチャンスを自ら失い続け

あてにされない人になっていく。


「あてにされると損よ」

そう言う大人もいる。

悩める若者は、これを聞いて揺れ

「もっともだ」とうなづく。


しかし、こと仕事においてこれを言う人で

有能な人物を私は見たことがない。

あてにされた経験が無いから言うのだ。

やり甲斐とは、あてにされることである。

仕事は、あてにされてナンボだ。


あてにされた見返りを求めるから、辛くなる。

給料をもらうだけでなく

会社に優しさや思いやりまでもらいたがり

与えられないから悩む。

会社が欲しい物を与えてくれないと泣くより

会社が本当に欲しがっているものを

自分から先に与えるのが

苦しみから脱出する近道だ。


まず10分早く出勤するところから

始めてもらいたい。

会社の欲しがるものは

通常、社則には書かれていない事柄である。

(続く)
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レジェンド・3

2016年02月27日 09時50分23秒 | みりこんぐらし
《なんとか(忘れた)キュラスとかいう花》


「身だしなみに無頓着」

「出勤時間が遅い」

「無愛想」

この三拍子がなぜ損なのか。

まず、身だしなみ部門から説明しよう。

身だしなみに無頓着、と柔らかく言ったが

要するに、見てくれが変ということだ。


悩める若者は、おしなべておしゃれでない。

悩んでいるからおしゃれどころでないのか。

おしゃれじゃないから悩むことになるのか。

どっちなんでしょう‥

そう流したいところだが

私はあえて、おしゃれじゃないから

悩むことになるのだと言いたい。


飾り立てて仕事へ行く必要は無いが

各社の経営者が望む最低ラインは必ずある。

会社は社長の命、重役の魂だ。

どんな会社であろうと、それは変わらない。

門、玄関、部屋、電話や電灯一つ一つにまで

経営者の思いは詰まっている。


その命や魂の大切な場所に

ナメた格好で出入りされて嬉しい者はいない。

できる範囲でいいから

見てくれを整えて参上つかまつるのが

正しい社会人である。


一方、働く人の多くに、その意識は無い。

元々身をかまうのが好きな人や

親を見て育ち、最初から意識の高い人もいるが

ほとんどは毎日通って働いているうちに

少しずつ理解していく。

給料や立場に成果を感じるようになると

さらに理解は深まる。


悩める若者は、何しろ悩んでいるのだから

そこまで考える余裕がない。

そこまで考えないから、悩むとも言える。

心も格好も、学生だからと許されていた当時のまま。

色あせたトレーナーや

すり切れた運動靴で甘えているのだ。


会社と学校は違う。

給料が発生する会社という組織は

「みんな一緒、みんなお友達」だった

学校とは異なり、見てくれで判断される。

見てくれの奥に隠されている能力や長所なんか

誰もわざわざ探しちゃくれない。


外見を整えて出勤する気のない者は

ナメられる。

会社に対して、その程度の礼節しか

持ち合わせていないと認識されるからだ。


礼節は、真剣さや誠意の表現方法だ。

本人に人一倍、真剣さや誠意があっても

一番わかりやすい髪や衣服は

「無い」というサインを出してしまっている。

使う側と使われる側

双方の意識の落差を知らない悲劇である。


礼節を惜しむ者は、信頼されない。

信頼を得られない者は

周囲から、ぞんざいに扱っていいと認識される。

だからぞんざいに扱われる。

ナメられてるんだから、そりゃ辛い。


一話目で話した新入社員A君は

入社式に喪服を着て来た。

通常、これは変の部類に入る。

しかし前の月まで高校生で

スーツを買えなかったA君は

お父さんの喪服という

A家にとって最上級の正装で臨んだ。


子供ながらに精一杯示した

礼節意識の高さがダイちゃんの涙を誘った。

入社式に列席した社長以下、取締役達の心も

大いに揺さぶられたことであろう。

その後の給料前借り発言も

礼節を通していれば、ご愛嬌になるのだ。


ありのままの姿見せるのは、アナと雪の女王に任せ

悩める若者には、礼節に基づいた外見の修正を

行ってもらいたい。

今までの訓練ができていないので

面積の少ない、靴から始めると安全だ。


昨日まで履いていたイモ靴、ブタ靴を脱ぎ捨て

ぜひともいい靴を買ってもらいたい。

高級な靴は、身を守る。

ナメちゃいけないのかな?と思わせる威力があるのだ。


スニーカーは、いくら値段が高くてもあかん。

年配者には値打ちがわからない。

若者の運命を握っているのは、上司。

つまり年配者である。


良い皮を使った美しい靴を

専門店で何足か揃えてもらいたい。

複数必要なのは、交代に履いて休ませるためだ。

靴を買う時、一緒にブラシなど

メンテナンスの小物も手に入れ

手入れをしながら大切に履いてもらいたい。


たとえ靴一足でも、上質な物を持つようになると

人の身につけている物の値打ちがわかってくる。

服の良さを見極めるには修行がいるが

皮は種類が少ないのでマスターしやすい。

「あ、いい名刺入れですね」

「この靴、高いでしょう」

人に向けて、今まで一度も

言ったことなんか無いであろう言葉も

おべんちゃらでなく、自然に口走るようになる。


自分のこだわりを見つけてもらった相手の喜びは

予想以上に大きいものだ。

「わかってくれる子」を誰が粗末に扱おうか。

人を笑顔にしたら、自分にも返ってくることを

やがて知ることになるだろう。

(続く)
コメント (4)
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