プロのウグイス、ナミ様は、出陣式の司会や第一声は未経験だそうだ。
早い話が初心者ということである。
したがってそれらのお役目は、センエツながらアマチュアの私がやらせていただく。
その後、前座として1時間ほど町を流し、いよいよプロのナミ様に交代。
ナミ様、顔も可愛いが、声もバツグンに可愛い。
細めで高音の、胸キュンボイスである。
「いいわね!うっとりしちゃう!」
私は候補に耳打ちする。
なにしろ見た目も可愛いので、人…特に男性がのぞき込むのだ。
「でしょう?
みりこんさんのシャープな声と、彼女のソフトな声のコントラストが
僕には合うと思ってスカウトしたんですよ」
候補も満足そうだ。
ただし初心者なので、10分以上持たないのがネック。
すぐに「お願いします」とマイクをこっちに押し付け
あとはリポビタンDを暴飲、のど飴を暴食。
ナミ様10分、私1時間のアンバランスな交代制だ。
思うにリポビタンDは、初心者のウグイスにとって心の支えなのかもしれない。
飲んでさえいれば、一生懸命やってると思い込むことができて
安心するらしい。
疲れたから飲むのではなく、疲れているという意思表示のために飲む。
こういうウグイス、よくいるのだ。
ちょこっとしゃべってはゴソゴソ、グビグビ。
1日1ダースは軽い。
横でみりこんという名の意地の悪いウグイスが
「せめて働いてから飲めよ」と思っていることなど、知るよしもない。
人のゼニで買い与てくれるから、ガンガン飲めるのだ。
自腹でそれをやってみろ…いつもそう思う。
身体に良くないと思っているので、私は飲まない。
飲まなければできないのであれば、私はやらない。
また、飲めばどうにかなるような仕事ではない。
のど飴の方も、似たような事情である。
のど飴ナメナメ中は、それを口実にしゃべらなくてすむからだ。
飴が溶けて無くなるまでは、安全が確保される。
しつこいようだが、こういうウグイス、よくいるのだ。
プロで初心者のナミ様には、リポビタンDとのど飴の他に
もう一つ必須アイテムがある。
お勉強道具である。
「旗持ちやビラ配りが主で、ウグイスはあまりやってないんです。
色々お勉強させてください」
そう謙虚にのたまい、バッグからおもむろに取りいだしたるは
ボイスレコーダー。
これで私の仕事を録音し、お勉強させていただくのだという。
大きなメモ帳もお持ちでござる。
ボイスレコーダーで録音しいしい、メモ帳に書き留める。
お勉強している間は、しゃべらなくて済むというわけだ。
私は問いたかった。
お勉強はいいけど、それをいつ生かすんじゃ?と。
いやいや、わかっている。
ウグイスが一番欲しいのは、人のセリフである。
よそのウグイスと組んだ時は、そのチャンスを生かして
一つでも多くのセリフを集めたいのだ。
惰性やテープレコーダーの印象を与えると、仕事が来なくなる。
ネタ切れは、ウグイスにとって怖いものなのだ。
ボイスレコーダーもメモ帳も、後で組織の親方に捧げ
皆さんでご検証なさるであろう。
ナミ様は、そのために送り込まれたと言っても過言ではない。
自分で考えるより、人のをパクった方が楽だもんね。
でもこれ、おそらく一般的には危険な行為だと思う。
相手によってはスパイ行為とみなされ
悪くすればぶっ飛ばされそうな気がする。
もしもウグイス仲間のラン子だったら、猿にタマネギ…
メモ帳をバリバリに破り
ボイスレコーダーを外に投げるのは間違いなし。
そしてナミ様はボコボコにされると思う。
これをお勉強と称して初心者にやらせる組織
お勉強と信じて疑わないナミ様
なんだか宗教に似ている。
私は平気。
どうぞ、次の選挙で使ってちょうだい。
使えればの話だが。
候補が毒矢と呼ぶ私のセリフを使って、嫌われるがいい。
滑舌を駆使するややこしいセリフで、舌を噛むがいい。
フッフッフ。
早い話が初心者ということである。
したがってそれらのお役目は、センエツながらアマチュアの私がやらせていただく。
その後、前座として1時間ほど町を流し、いよいよプロのナミ様に交代。
ナミ様、顔も可愛いが、声もバツグンに可愛い。
細めで高音の、胸キュンボイスである。
「いいわね!うっとりしちゃう!」
私は候補に耳打ちする。
なにしろ見た目も可愛いので、人…特に男性がのぞき込むのだ。
「でしょう?
みりこんさんのシャープな声と、彼女のソフトな声のコントラストが
僕には合うと思ってスカウトしたんですよ」
候補も満足そうだ。
ただし初心者なので、10分以上持たないのがネック。
すぐに「お願いします」とマイクをこっちに押し付け
あとはリポビタンDを暴飲、のど飴を暴食。
ナミ様10分、私1時間のアンバランスな交代制だ。
思うにリポビタンDは、初心者のウグイスにとって心の支えなのかもしれない。
飲んでさえいれば、一生懸命やってると思い込むことができて
安心するらしい。
疲れたから飲むのではなく、疲れているという意思表示のために飲む。
こういうウグイス、よくいるのだ。
ちょこっとしゃべってはゴソゴソ、グビグビ。
1日1ダースは軽い。
横でみりこんという名の意地の悪いウグイスが
「せめて働いてから飲めよ」と思っていることなど、知るよしもない。
人のゼニで買い与てくれるから、ガンガン飲めるのだ。
自腹でそれをやってみろ…いつもそう思う。
身体に良くないと思っているので、私は飲まない。
飲まなければできないのであれば、私はやらない。
また、飲めばどうにかなるような仕事ではない。
のど飴の方も、似たような事情である。
のど飴ナメナメ中は、それを口実にしゃべらなくてすむからだ。
飴が溶けて無くなるまでは、安全が確保される。
しつこいようだが、こういうウグイス、よくいるのだ。
プロで初心者のナミ様には、リポビタンDとのど飴の他に
もう一つ必須アイテムがある。
お勉強道具である。
「旗持ちやビラ配りが主で、ウグイスはあまりやってないんです。
色々お勉強させてください」
そう謙虚にのたまい、バッグからおもむろに取りいだしたるは
ボイスレコーダー。
これで私の仕事を録音し、お勉強させていただくのだという。
大きなメモ帳もお持ちでござる。
ボイスレコーダーで録音しいしい、メモ帳に書き留める。
お勉強している間は、しゃべらなくて済むというわけだ。
私は問いたかった。
お勉強はいいけど、それをいつ生かすんじゃ?と。
いやいや、わかっている。
ウグイスが一番欲しいのは、人のセリフである。
よそのウグイスと組んだ時は、そのチャンスを生かして
一つでも多くのセリフを集めたいのだ。
惰性やテープレコーダーの印象を与えると、仕事が来なくなる。
ネタ切れは、ウグイスにとって怖いものなのだ。
ボイスレコーダーもメモ帳も、後で組織の親方に捧げ
皆さんでご検証なさるであろう。
ナミ様は、そのために送り込まれたと言っても過言ではない。
自分で考えるより、人のをパクった方が楽だもんね。
でもこれ、おそらく一般的には危険な行為だと思う。
相手によってはスパイ行為とみなされ
悪くすればぶっ飛ばされそうな気がする。
もしもウグイス仲間のラン子だったら、猿にタマネギ…
メモ帳をバリバリに破り
ボイスレコーダーを外に投げるのは間違いなし。
そしてナミ様はボコボコにされると思う。
これをお勉強と称して初心者にやらせる組織
お勉強と信じて疑わないナミ様
なんだか宗教に似ている。
私は平気。
どうぞ、次の選挙で使ってちょうだい。
使えればの話だが。
候補が毒矢と呼ぶ私のセリフを使って、嫌われるがいい。
滑舌を駆使するややこしいセリフで、舌を噛むがいい。
フッフッフ。