goo blog サービス終了のお知らせ 

殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

外見主義

2009年12月22日 08時34分53秒 | みりこんぐらし
いつもおとなしいショートヘアでここに登場する私だが

描くのが面倒だからそういうことにしている。

本当の頭はちょっと違う。

逆立っている。


ワックスをつけて下から上に持ち上げると

一瞬で引力に逆らった頭になる。

人呼んでホストヘア。

またの名をスーパーサイヤ人。

技術を駆使して恐ろしくなるほど削(そ)ぎ

毛先が鳥の羽のようにフワフワしている。


「ステキねえ!“髪が”!」とよく言われる。

地味にしたい時は、ピタッとなでつける。

自分では、ニュースキャスターの安藤優子ふうと思いたい。

このツーウェイが非常に便利で気に入っている。


髪はイケてるものの、その下にくっついている顔は

オバチャンなのがはなはだ残念だ。

美容室のおっさん先生も

我が身を省みず派手好きな私をあわれに思い

慈悲の心で対処してくれているんだろうなぁ…と申し訳なく思う。


私はごく若い頃から、年を取るのが恐ろしかった。

大柄なので、それでなくても年齢より上に見られた。

これで本当に年を取ったらどうなるんじゃ!と心配になり

せめてこれ以上老けないように

年配の女性を観察して研究を重ねてきた。

そして月日は流れ、いよいよ“年寄り界”へと足を踏み入れようとしている。

ここでぜひとも研究の成果を出したいところだ。


先日、友人が「傘をプレゼントしてあげる」と言ってくれた。

「どんな色がいい?」

と聞かれ、即答。

     「白か水色かピンク!」

「その色が好きなの?」

いいえ!…私はきっぱり答える。   

     「顔映りのいい色よっ!」


この年になると、好きな色なんてワガママ言ってられないのよっ!

とにかく顔色が明るく見えるものよっ!

…そして白い傘が届き、満足する私。


洋服も、暗い色はなるべく着ないよう努める。

できるだけ顔映りのいい白っぽいもの、淡いもの

そうでなければ赤やオレンジ。


これらの色は注意が必要だ。

汚れに対してもそうだが、印象の強い色だと

「また着てる」と思われる。

ああ…気を使う。

はからずも黒っぽいものを着た時は

明るい色のスカーフやインナーで差し色。

まったく…気を使う。

手帳や財布の色さえ、指映りのいい色を…と考えているのだ。

ほんとに…気を使う。


長年の研究の末?なぜ年寄りは年寄りの顔になるのかが判明した。

誰でもわかるシミ、シワ、タルミの老化三きょうだいは置いといて…

問題はマユであった。


額にシワが寄ってずり上がったり

視力低下で目を細める習慣にも関係するのであろうが

とにかく加齢と共に、マユが額を目指して上へ上へと上がっていく。

加えて、他の部品はたるんで下に、下にと大名行列。

顔の中に生まれるこの距離が老けを加速させる。


年を取ると、老眼が進んで化粧もおざなりになるという。

だもんで、何も考えず、ただマユ毛のあるところへマユを描く。

年月と共に目からどんどんかけ離れていくのを

無意識に毛を追って描いてしまう悪循環。


もしもいずれマユ上昇の事態に陥った場合

心して下のほうに描こうと決めている。

必要ならば、そり落とす覚悟である。


もうひとつは、目のフチ。

マツゲの内側にある、1ミリくらいの白いところ。

そこの下まぶたのほうが、加齢とともに黄または赤みを帯びていく。

白目も赤黄色く濁るが、連動してフチの色も濁るのだ。

若い頃のように、白いところが白いままではいられない。

こうなると、目が一気に年寄りっぽくなる。

しかも老化でマツゲの本数が減少するため、いっそう強調される。


この対策としては、アイラインで切り抜けるしかない。

マツゲの内側にインサイドラインを引いて、ごまかす予定。

黄やら赤になるなら、塗りつぶしてしまえ…という魂胆だ。

そこへマスカラの黒で白目とのコントラストを強調し

さらに隠蔽する作戦。


何も手を加えず軽やかに老いるのもよかろうが

私は今のところ、ケバく生々しい婆さんの路線を選ぶつもりだ。

サッチーあたりでどうだろう。

やがて手が震えるようになり

アイラインを引く元気も無くなった頃、お迎えが来る予定でいる。


これほど研究と努力を重ねているというのに

現時点ではあまり効果が出てないのが

残念といえば残念だ。
コメント (24)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする