総選挙が近付いてきた。
今回も早くから盛り上がっており、結果が楽しみだ。
作り物のドラマより、よっぽど面白い。
この数年で、政治家も良い人、悪い人、やってるだけの人の
3種類にはっきり分かれたような気がする。
国家国民のためにちゃんと働くという当たり前のことをする人を
「良い人」と言わなければならないのは、はなはだ残念である。
以前、代議士(故人)の選挙戦に参加した時の話。
悪人ではない…というのが、長所といえば長所。
急に寒くなった頃で
先生、地元の店に飛び込み、コートをご所望。
「いいのが無い!」
とご機嫌が悪い。
カシミヤ100%をお望みなのだが
そんなハイカラなモンは売ってなかった。
「だから田舎はダメなんだっ!」
ウール混で妥協した先生はおっしゃる。
その田舎の票で、あんた国会に行ってるんじゃなかったっけ?
とも思うが、坊ちゃんなんてそんなもんなんだろう。
この選挙は、違う意味で地獄だった。
奥様の香水である。
先生が演説会などで不在の時は、奥様が選挙カーに乗る。
初老の奥様は、何期も当選している代議士の妻にふさわしく
とてもさっぱりした気性。
しかし香水は、さっぱりしてないのをお好みだ。
シャネルの濃い~のを
車の中でしょっちゅうシュッシュとふりかけるので
つらいなんてもんじゃない。
戦うのは選挙ではなく、吐き気だ。
一日の終わりには、運転手やうぐいす仲間と
「傷は浅いぞ!」
などと、何度もうがいをしながら励まし合う。
香りで印象付ける作戦もあるのか…と最初は思ったが、違った。
この奥様、見た目はとても上品なのだが
それは世を忍ぶ仮の姿…
実はヘビースモーカーで、タバコのニオイを消すために
香水をふりかけているのだった。
未成年じゃないから構わないが
この人も政治家の娘でお嬢様だろうに、どこで覚えたんだか…。
若い頃はヤンキーだったんじゃないのけ?…な~んて
おひなさまのような横顔を見ながら、楽しい想像をめぐらせる。
次の朝、選挙カーに乗った先生は
車内にしみついたニオイに顔をしかめる。
「くさいな~…誰?香水がきついの」
…あんたの嫁じゃ…。
さらに困るのは、頻繁なオナラ。
「わはは!出ちゃった!」くらい言ってくれれば楽だが
“こいた”奥様自身が何ごともなかったかのようにすましているので
こちらも反応に困って硬直。
車内に漂う何ともいえない雰囲気…
一瞬の沈黙が怖くて、そりゃもう気を使ったが、そのうち慣れた。
気にするこっちがコモノに思えてくる。
香水が必需品なのは、このためでもあった。
年を取って長時間車に揺られると、あちこちゆるむのかもしれない。
出物腫れ物、いちいち気にしていては
政治家の妻など務まらんのじゃ。
この人、外見はなよなよしてるけど
中味は百戦錬磨の男なのだ。
香水は、一応女としての気配りらしい。
ブリッとやらかしといて、車が支持者に近付くと
「どうか、主人を助けてやってくださいましね…」
なんて涙声で言ってる。
すっげぇ…。
さすがだ…。
香水さえ無かったら、弟子入りしたいくらいだ。
ごくたまにだが、選挙カーの中では
こんなことが起こっているのである。
今回も早くから盛り上がっており、結果が楽しみだ。
作り物のドラマより、よっぽど面白い。
この数年で、政治家も良い人、悪い人、やってるだけの人の
3種類にはっきり分かれたような気がする。
国家国民のためにちゃんと働くという当たり前のことをする人を
「良い人」と言わなければならないのは、はなはだ残念である。
以前、代議士(故人)の選挙戦に参加した時の話。
悪人ではない…というのが、長所といえば長所。
急に寒くなった頃で
先生、地元の店に飛び込み、コートをご所望。
「いいのが無い!」
とご機嫌が悪い。
カシミヤ100%をお望みなのだが
そんなハイカラなモンは売ってなかった。
「だから田舎はダメなんだっ!」
ウール混で妥協した先生はおっしゃる。
その田舎の票で、あんた国会に行ってるんじゃなかったっけ?
とも思うが、坊ちゃんなんてそんなもんなんだろう。
この選挙は、違う意味で地獄だった。
奥様の香水である。
先生が演説会などで不在の時は、奥様が選挙カーに乗る。
初老の奥様は、何期も当選している代議士の妻にふさわしく
とてもさっぱりした気性。
しかし香水は、さっぱりしてないのをお好みだ。
シャネルの濃い~のを
車の中でしょっちゅうシュッシュとふりかけるので
つらいなんてもんじゃない。
戦うのは選挙ではなく、吐き気だ。
一日の終わりには、運転手やうぐいす仲間と
「傷は浅いぞ!」
などと、何度もうがいをしながら励まし合う。
香りで印象付ける作戦もあるのか…と最初は思ったが、違った。
この奥様、見た目はとても上品なのだが
それは世を忍ぶ仮の姿…
実はヘビースモーカーで、タバコのニオイを消すために
香水をふりかけているのだった。
未成年じゃないから構わないが
この人も政治家の娘でお嬢様だろうに、どこで覚えたんだか…。
若い頃はヤンキーだったんじゃないのけ?…な~んて
おひなさまのような横顔を見ながら、楽しい想像をめぐらせる。
次の朝、選挙カーに乗った先生は
車内にしみついたニオイに顔をしかめる。
「くさいな~…誰?香水がきついの」
…あんたの嫁じゃ…。
さらに困るのは、頻繁なオナラ。
「わはは!出ちゃった!」くらい言ってくれれば楽だが
“こいた”奥様自身が何ごともなかったかのようにすましているので
こちらも反応に困って硬直。
車内に漂う何ともいえない雰囲気…
一瞬の沈黙が怖くて、そりゃもう気を使ったが、そのうち慣れた。
気にするこっちがコモノに思えてくる。
香水が必需品なのは、このためでもあった。
年を取って長時間車に揺られると、あちこちゆるむのかもしれない。
出物腫れ物、いちいち気にしていては
政治家の妻など務まらんのじゃ。
この人、外見はなよなよしてるけど
中味は百戦錬磨の男なのだ。
香水は、一応女としての気配りらしい。
ブリッとやらかしといて、車が支持者に近付くと
「どうか、主人を助けてやってくださいましね…」
なんて涙声で言ってる。
すっげぇ…。
さすがだ…。
香水さえ無かったら、弟子入りしたいくらいだ。
ごくたまにだが、選挙カーの中では
こんなことが起こっているのである。