今年、春の彼岸に、鉢植えの植え替えを行った。
何年もやらなかったために、鉢の底にある水切り穴から根が出て、土に伸び出していた。
そのために鉢の中の土が少なくなっても、生きられたのだった。
特に芯の太い根が、しっかり根付いていた楓を強引に引き抜いて、新しい土で植え替えを行ってしまった。
朝のこと。
その日の夕方前には、葉が萎れ始め、一緒に手伝ってくれた隣家のお兄さんが気づいて、心配していた。
「大丈夫ですよ。植物は思いの外、強いから・・・」
いったものの、自信はなかった。
以前、ここまでではなかった木だったが、水やりと太陽と風を調節するだけで復活する経験から、その言葉が出てきた。
さて、3月から4月の間は、日差しと風が強く当たらないところに置いた。
5月に入ってから東の朝の光をたっぷり浴びて、そのまま夕方まで日差しがある場所に移動させた。
その間、水やりは欠かさず。
春だというのに、枯れてきた葉は雨と風にハラハラとちってしまった。
それでも元気のない縮れたままの緑の葉が、枝先に残っていた。
枝は死んではいないことを一本づつ確認して、水やりと日差しを当てることを続けていた。
復活することを信じた。。
梅雨に入って長雨が続き、それでも気温が高い日もあった。
雨が続くと水やりを行う必要がないので、様子をみることもしながった。
ところが、雨が上がった日に楓の鉢の様子をみると、しっかり緑の葉が茂っていた。
三年待つ気でいたのが、なんとおよそ3ヶ月で復活してくれていた。
植物は強い。
生命力に感動した。
土、水、光、風・・・・・思わず手を合わせてしまった。
野口三千三先生の名言。
『信じるとは、負けて・参って・任せて.待つ』
そして、地道で適切な行動。
野口先生の“植物に貞く”、とはこういうことだったのか!
死してなお生きておられる。