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羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

東京を歩くために

2018年02月03日 15時42分47秒 | Weblog
 朝日カルチャーの土曜日「野口体操講座」は、月の一週目は休みとなって久しい。
 今年に入って、はじめて自由に使える土曜日感が出てきた。
 知っているようで知らない東京の街を歩いてみよう、とかねてから思っていた。
 例えば、群馬を歩いて目安となるのは、山だった。赤城山と榛名山、二つを目印に東西南北の方角を確かめながら知らない土地を巡っていた。

 ところが東京は目印になる山がなく、平らに広すぎて、街に迷い込むと東西南北の見当がつかなくなる。
 そんな時は、大通りに出て行先を示す道路標識を頼りに歩いていた。
 そこで、今ひとつ基準になる地図を、自分の頭の中に作りたかった。

 思いついたのが、江戸城を中心にした古い地図だった。
 東京の街は、江戸の上に乗っているわけだから、まずは江戸城を周ってみようと思った。
 今朝、東京駅で下車して、10時には桔梗濠についた。
 ランナーたちに追い越されながら、反時計回り歩き始め、大手門のところで『江戸城天守の再建』運動をしている数名に出会った。
 その前を外国人観光客も混ざって、何にもの人が門の方へと向かっている姿を目撃。

「何かあるんですか」
「皇居東御苑を見学される方々ですよ」
「誰でも入ることができるんですか」
「はい」
 門の手前で守衛さんが手荷物検査している。
 私もバックの中身を見せて中に入る。
 門の中でエコツーリズムの団体さんが、リーダーから説明を聞いていた。
 なんとなく紛れ込んで、一緒に話を聞きながら奥へと進む。

「宮内庁三の丸尚蔵館」に、皆さんが見学らしいのでそのまま同行。
 アジア、中東、ヨーロッパ等々、選りすぐった工芸作品が展示されていた。
 いちばん興味を持ったのは、19世紀後半のイギリスはじめ各国のステレオグラフォスコープであった。
 つまり初期の3D写真である。

 あまり展示品もなかったので、10分弱で皆さんが出て行く。
 私もなんとなく団体さんになっている。
 ところが、出てみるとすぐそばから、ボランティアガイド「東御苑無料ガイド」が10時半から始まるという呼び込みの声がした。
 こちらには遠慮なく参加できそうなので、ガイドさんに従うことにした。

 まずは、石垣の話から始まった。
 次々、番所のこと、富士見櫓、本丸跡、松の大廊下跡、大奥跡、そのほか、茶畑、桜の島、竹林、等々、説明を聞きながら歩く。

 明治以降植樹された樹木、平成になって新しく植えられた果樹など、植物のことなど。
 ここは、本丸と大奥を囲むように樹木が植えられて外から見えないようになっている。
 しかし、今では、樹木の群れの上に、いくつも新築ビルが「我こそは!」とばかりに威容を誇っている。
 かつてはビルの高さ制限があったが、時代の流れには逆らえず、撤廃されたようだ。

 さて、とにかく「寒かった」
 それでも枯れ枝に花の季節を思い浮かべて、人が少ない御苑を散策。
 季節によっては、相当に混雑するだろう。
 この場所の花の特徴は、原種であったり、日本固有の花であるそうだ。
 確かに楚々として咲く可憐な桜花や梅などが多いらしい。

 それから梅林坂を下る。左手に春日局が門限に間に合わなかった門がある。
 私たちは坂下を右手にとって、二の丸庭園へ。
 いよいよここでお開きとなった。

 それから自由行動である。
 寒さにもめげず、一緒に周ったご婦人と二人で、急勾配の汐見坂を登って本丸大芝生に戻り、そこから天守台に行くことにした。
 登ってみるとここの天守は相当に高かったことが想像できる。

 話によると今ある多くの樹木は、江戸城時代には全くなかったそうだ。
 城とは、軍事の要塞である。ここに立ってみると想像がつくのであった。
 ボランティアガイドの方から、明治初期の様子を写した写真なども見せられていたが、幕末にはすでに相当に荒れた場所もあったこともわかった。
 収穫である。
 

 さて、皇居一周は次回に持ち越すとして、北を真上に持ってくる近代地図とは異なる、皇居を中心に描かれた地図が少しだけ描けるようになった。
 その地図を持って、気が向くままに歩いてみるとしよう。
 平成最後の年に、敗戦後の昭和、そして平成の30年間の東京を、振り返ってみたくなったのかもしれない。
 いやいや、きっかけは今朝方見た「日劇」取り壊しのニュースであった。
 1933年に開業して最初の映画はチャップリンだったとか。「街の灯」の垂れ幕が写された映像が流れていた。
 そう、私もここで最後に見た映画は「チャップリン祭り」で、ほとんどの作品を網羅するものだった。
「ライムライト」の音楽にドッと涙が溢れたことを思い出した。
 同時に、半蔵門から国会議事堂、警視庁方面へ。
 有楽町、日比谷、銀座、東銀座、晴海埠頭等々、次々と目の奥に再現されていった。
 急に東京の街を歩いて見たくなったというわけ。

 そこでGoogle MAPで皇居一周を調べて見た。
 ちなみに、大手町がおよそ2・5メートル、いちばん高い千鳥ヶ淵公園がおよそ30メートル。
 時間軸に空間を重ね合わせて、『断腸亭日乗』よろしく、栞下駄ではなくスニーカー履いて歩くことを心に誓って、即、行動!
 本日は、その第一歩を踏み出したという次第。
 残された時間は少ないから、東京と群馬に絞って旅をするとしよう!!!
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