羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

医学と芸術展 森美術館

2010年02月04日 19時02分33秒 | Weblog
 人のからだを見て、これほどまでに描き方が異なるのはなぜだろう。
 それがそのまま医学・医療の在り方と一致している。
 予想はしていたけれど、この展覧会を見るには、それなりの覚悟がいる。
 見てはいけないものがそこには在る。しかし、見ることによって、からだの細胞一つひとつが、死を免れない‘命の実体’を感じ取ることが出来る。
 
 天井高く広々として、空漠たる白の空間に展示されることによって、匂いや触感が消されていく。無機的な空間に、人間の生と性が開示されている。医学と医療の歴史と今と未来がアートの中に溶け込んでいく。
 
 眺めるうちに、自然なつながりのなかで死を受け入れられる感覚に引き込まれる。
 医療が行ってきた過去の時間を、リアルに見せるだけでない。
 いや、これ以上言葉にするのは控えよう。見方によってはとんでもない方向に陥りかねないが、見なければわからない。部屋に佇んで、全身の感覚で捉えなければ始まらない。
 人間と言うものは洋の東西にかかわらず‘生きたい’動物なのだ!
 誰にでも闇雲に薦められないが、ヒトの見方が変わること間違いない。

 医学と芸術展 六本木ヒルズ森タワー53階「森美術館」で、2月28日まで開催されている。
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