一時ほどではないが、毎日少しずつ蔵の片づけを続けている。
箱一つ、棚一箇所だけでも手をつけておくと、十日たつとそれなりに片付いてくる。
そんな折、東京藝大の地下倉庫から、一台のピアノが発見された話を読んだ。
明治十四年に「小学校唱歌」が編纂されたことに関連して、ドレミファの十二音平均律音階を身につけさせるために、音楽教師メーソンが米国から輸入したピアノだと言う。
何でも当時の子供たちは、日本の伝統音階にはない音、つまり‘ファ’と‘シ’の音程を取ることができなかったからだ。
発見されたピアノを調律師の皆さんが五年かけて修復を終え、今月末開く「祝ピアノ300年」展示会でピアノを公開するらしい。場所は池袋のデパート。
メンバーのなかでも長老の調律師・日比野四郎さんは、こんなことをいってらっしゃる。
「どれほど立派な楽器でも、手入れせずに放っておけば、病気になり死んでしまう」
ピアノは人間の組織に似ている。疲れ果てた古楽器でも愛情を注ぐのが調律師の役目だ、と。(日経新聞朝刊、8月23日(日)‘春秋’より)
まったく同感である。
楽器でなくても、連日の片づけで同じようなことを感じていた。
住まいはからだだ。日々の手入れはすごく大事。
道具もからだだ。丁寧に使って手入れをすることが大事だ。
余分なものを溜め込まないことも肝要。
なにより愛情が大切。
繰り返すが、‘道具’も‘住宅’も、楽器と同じでちゃんと使って、愛情をそそいで手入れをする、それに尽きる。
もちろん‘からだ’もだ。
いや、むしろ順番は逆で、からだがすべての出発点だ。
箱一つ、棚一箇所だけでも手をつけておくと、十日たつとそれなりに片付いてくる。
そんな折、東京藝大の地下倉庫から、一台のピアノが発見された話を読んだ。
明治十四年に「小学校唱歌」が編纂されたことに関連して、ドレミファの十二音平均律音階を身につけさせるために、音楽教師メーソンが米国から輸入したピアノだと言う。
何でも当時の子供たちは、日本の伝統音階にはない音、つまり‘ファ’と‘シ’の音程を取ることができなかったからだ。
発見されたピアノを調律師の皆さんが五年かけて修復を終え、今月末開く「祝ピアノ300年」展示会でピアノを公開するらしい。場所は池袋のデパート。
メンバーのなかでも長老の調律師・日比野四郎さんは、こんなことをいってらっしゃる。
「どれほど立派な楽器でも、手入れせずに放っておけば、病気になり死んでしまう」
ピアノは人間の組織に似ている。疲れ果てた古楽器でも愛情を注ぐのが調律師の役目だ、と。(日経新聞朝刊、8月23日(日)‘春秋’より)
まったく同感である。
楽器でなくても、連日の片づけで同じようなことを感じていた。
住まいはからだだ。日々の手入れはすごく大事。
道具もからだだ。丁寧に使って手入れをすることが大事だ。
余分なものを溜め込まないことも肝要。
なにより愛情が大切。
繰り返すが、‘道具’も‘住宅’も、楽器と同じでちゃんと使って、愛情をそそいで手入れをする、それに尽きる。
もちろん‘からだ’もだ。
いや、むしろ順番は逆で、からだがすべての出発点だ。