年末から年始にかけて、歌舞伎の番組が放送される。
今日は今しがた、京都南座顔見世大歌舞伎から「京鹿子娘道成寺」を見た。
下では、次の演目「河内山」をやっている。
さて、「京鹿子娘道成寺」は坂田藤十郎だが、舞台に登場した時には、なぜか未だに「扇雀」のお顔に見えてしまう。
かれこれ30年前、東京国立劇場で「心中天網島」を親子競演で見たことがある。このときは先代の鴈治郎と今の藤十郎が扇雀だったころのこと。
扇雀を名乗っていた時代が長かったから、いつまでもその印象がついてまわる。
子供のころに見ていたこともあって、歌舞伎俳優は一代づつ古く、先代のイメージが重なってしまう。
私にしてそうだから、もっと年上の方々は、さらにもう一代遡ってしまうに違いない。
しかし、藤十郎さんの動きは、まだまだ大丈夫。
衣装も昔に比べて派手になった。赤から若草色、そして桜色から紫へ、さらに紫の上は黄色に引抜くという見事なものだった。
「なんとまぁ、今日は帯が普通より太くない? それを止める丸ぐけの帯留も見るからに太いじゃない」
はじめのアップの映像に感じたことは、5回もの引き抜き故だったのかと気づくには、かなり時間が過ぎてからだった。
そして最後の「鐘に恨みは数々あれど……」の鐘に登った衣装は、赤の地に鱗模様だった。黒地に銀の鱗の時もあったと思うが、さすがに赤は目が覚める。
地方の方々はというと、桜色に桜の模様の裃。
いやはや踊りもさることながら、衣装の色に酔いましたのよ!
日本の伝統芸は、齢を重ねてさらに磨かれるという、世界でも類をみない驚異的な発展を遂げた。
坂東玉三郎が喜寿を迎えたら、どのような風情になるのだろう、と下種の勘繰りをしながら、今日の「娘道成寺」を見ているなんて不謹慎この上ない。ごめんなさい。
さてさて藤十郎はんの娘道成寺は、非常に骨太。
「この女人に恋慕されたら、大変なことになりそう」
今日は今しがた、京都南座顔見世大歌舞伎から「京鹿子娘道成寺」を見た。
下では、次の演目「河内山」をやっている。
さて、「京鹿子娘道成寺」は坂田藤十郎だが、舞台に登場した時には、なぜか未だに「扇雀」のお顔に見えてしまう。
かれこれ30年前、東京国立劇場で「心中天網島」を親子競演で見たことがある。このときは先代の鴈治郎と今の藤十郎が扇雀だったころのこと。
扇雀を名乗っていた時代が長かったから、いつまでもその印象がついてまわる。
子供のころに見ていたこともあって、歌舞伎俳優は一代づつ古く、先代のイメージが重なってしまう。
私にしてそうだから、もっと年上の方々は、さらにもう一代遡ってしまうに違いない。
しかし、藤十郎さんの動きは、まだまだ大丈夫。
衣装も昔に比べて派手になった。赤から若草色、そして桜色から紫へ、さらに紫の上は黄色に引抜くという見事なものだった。
「なんとまぁ、今日は帯が普通より太くない? それを止める丸ぐけの帯留も見るからに太いじゃない」
はじめのアップの映像に感じたことは、5回もの引き抜き故だったのかと気づくには、かなり時間が過ぎてからだった。
そして最後の「鐘に恨みは数々あれど……」の鐘に登った衣装は、赤の地に鱗模様だった。黒地に銀の鱗の時もあったと思うが、さすがに赤は目が覚める。
地方の方々はというと、桜色に桜の模様の裃。
いやはや踊りもさることながら、衣装の色に酔いましたのよ!
日本の伝統芸は、齢を重ねてさらに磨かれるという、世界でも類をみない驚異的な発展を遂げた。
坂東玉三郎が喜寿を迎えたら、どのような風情になるのだろう、と下種の勘繰りをしながら、今日の「娘道成寺」を見ているなんて不謹慎この上ない。ごめんなさい。
さてさて藤十郎はんの娘道成寺は、非常に骨太。
「この女人に恋慕されたら、大変なことになりそう」