日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

最初の関門「ひらがな」そして「カタカナ」。

2023-04-25 08:19:23 | 日本語学校
曇り。

「五月(さつき)」が来る前に、街路の「サツキ」がくたびれてしまいそうです。日当たりのいいところから咲き始め、先週にはだいたい満開状態。きれいだなあと見ていたのに、昨日ふと気がつくと、茶色に変色している花がちらほらと。「コブシ」も「モクレン」も「サクラ」も、今年は咲くのも早ければ、散るのも早かった。この分で行きますと、きっと、あっという間に、例年より早めの「アジサイ」の季節になってしまうのでしょうね。

今年は、五月の連休はぐずつき気味だそうですから、雨を呼び込むような「アジサイ」がすぐに見られるようになるかもしれません。

もっとも、「まだか、まだか」と、やきもきさせられるよりは、ずっといい。でしょう。

さて、学校です。

留学生が多い時には、スリランカの新入生にはスリランカの上級生を、ベトナムの新入生にはベトナムの上級生をと、それぞれ、母国語で説明してもらっていました。が、コロナ禍で、一度、この流れが切れてしまうと、「う~ん、どうしよう」と、困ってしまう場面も少なくないのです。

上級生も新入生も同じ留学生という身分。新入生たちのこれからの道は、自分たちが既に来た道。半年か一年ほども先に(日本に)来ていて、様々なことに出会っていれば、自ずから、彼らへの注意も熱を帯びてきます。

ところが、そういう役立つ先輩がいない国から来た学生には、紹介してくれた向こうの先生に連絡して、話してもらうしかないこともあります。ただ、あちらの先生はこちらのやり方をよく知らない場合もあるので、手間も時間もかかれば、誤解や曲解もあるように思える場合もあり、ちと不便。

やはり、ここで勉強したことがあるという、彼らと同国の上級生がいると、本当に助かります。こちらが一言言うだけで、やり方のみならず、どうしてそうしなければならないかまで、延々と話してくれますから。同国人の先輩がいると本当に助かる。

先日も、新入生の一人がウトウトしている。聞くと、深夜のアルバイトを始めたと言う。すぐに同国の上級生を呼んで、注意してもらいました。体が強そうな学生には見えませんできたから。

留学生なのだから、主は勉強である事をしかと言ってもらい、夜勤など授業中眠くなるようなアルバイトはしないほうがいいということを伝えてもらいます。今が日本語を学ぶ上で一番大切な時期なのだから、まずは、勉強に集中することが大切。この期間に「ひらがな」、「カタカナ」は完全に覚えておいて欲しいし、その上で、「ひらがな」「カタカナ」で書かれている単語も「読め」「書ける」ようになっておいてほしい。

それができていないと、次のステージに入れない。まずは、転けてしまいます。実際、「ひらがな」「カタカナ」を適当に覚えていますと、「漢字」のパーツの説明がわからない。最初は、彼ら、「部首」なんて知りませんから、「『カタカナ』の『ハ』を書いて」とか、「『カタカナ』の『タ』の中に云々」とか言って、覚えてもらうので、そこが曖昧ですと、何を書いていいかわからなくなってしまう。「知らないこと」を「知らないこと」を使って説明されているようなものですから。  

で、「『漢字』は難しい」となる。で、完全に両手を挙げて「降参」となってしまう。「漢字の「イロハ」で止まってしまうと、「学び」はそれで「終い」になるでしょうね。後は日本人と「話して」、「聞いて」で、生活日本語を使うだけになってしまう。

今も「初級クラス」に、一人か二人、覚えるつもりがあまりなさそうな人がいます。まあ、在日の人ならば、本人の必要に応じて学べばいいだけのことなのですが、ただ、一応、ここは学校なので、「文字」がわからないと、席に座っているのも、だんだん辛くなるかもしれません。

既に「ひらがな」「カタカナ」の導入は終わっていますし、練習やテストも終わっています。それなのに、『教科書』の文が全然読めなくても何とも思っていないよう…だと、ちょっと大変ですね。

もとより、年齢からみて時間がかかるであろうと思われる人には、こちらも無理なことは言いません。自分のやれることを少しずつ殖やしていけばいいのです。頑張っていれば、殖えることはあっても、減ることはないのですから。

しかしながら、相手がまだ20代前半であれば、その上、学びに来ているのだから、「ひらがな」「カタカナ」くらいは覚えようと努力してよと言いたくなってしまいます。

おそらく、「文字」の大切さが理解できないのでしょう。練習も、文字を通してできるわけですし、文字が適当であれば、宿題もできません。

開講してから、もうすぐ、一ヶ月が経とうとしています。この、最初の一ヶ月というのは本当に大切で、この間の努力、つまり「文字」が読めるようになっているか、書けるようになっているかで、これからが決まってくるのです。

もっとも、どの国であっても、「字が書けるし、読める」というのは大切でしょうにね。

日々是好日

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 少々肌寒い…これで平年並みと... | トップ | 「初級クラス」は、応用が少... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本語学校」カテゴリの最新記事