日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

昨日は風が強かった…。

2022-01-21 08:34:00 | 日本語学校
晴れ。

今朝は、西の空に白い月の欠けらがおぼろに残っていました。雲もなし。いい天気です。

昨日は、風が強くて、自転車を漕ごうにも、なかなかそれがうまくいかない。まず一漕ぎ目が最大の山場。「やった、できた」と思っても、ほっとする間もなく。体勢が崩れそうになる。ユラユラユラは危ない…。なにせ、冬将軍配下の北風が、すごいのです。ゆらりとしながら、二漕ぎ、三漕ぎととにかく走る。エッチラオッチラ、なんとも危なっかしい。

最初は「えいよっ」というかけ声。しかし、それも続かない。次第に、「よいしょ、よいしょ」と言いながら、力づけながら…風に逆らっていく…。風がないと何とかなるのですがねえ。

寒くても、風がなければねえ…というのは、雪国の人の、雪さえ降らなければねえというのと、響き合うようなもの…かな。…そういうのは、ちと言い過ぎかな。雪国の人に申し訳なし。

さて、学校です。

面接の準備というとナンですが、高校入試と大学入試を控えたスーダン人女子学生の話です。

二人とのおしゃべりが続いています。けれども、そのおしゃべりの合間合間に彼らの悩みとか、不安とかが垣間見え、(不安自体は)同じでありながら、(その反応は)ちょっと日本の子たちと違うなあと感じさせられています。

もちろん、これは時間がかかることですから、留学生が多い頃には、こういう時間は取れなかった。

「どうしてか、わからないけれども、お母さんが言うことと反対のことをやりたくなる」とか、「言われると、やりたくなくなる。何も言われなければ手伝うけれども、『あれ、やって』とか言われると、もう、嫌。やりたくない」

こんな他愛ないことも、(いい子であった彼らには)理由がわからず、不安になっているようなのです。「みんなそういう時期を経るものだから大丈夫。少しずつ大人になる階段を登っているのだから。もう少し経ったら、そんなことはどうでもよくなるから」。慰めとも何ともつかない説明なのですが、何か、それなりの「落とし所」みたいなものが必要のようで、聞くとそうなのかと楽になるようなのです。

それはそれ。そういう時期には、せいぜい、反抗していればいい。これからの人生にはまだまだいろいろなことが起こりうるのだから。

で、皆、そういう時期は違うし、そういう気持ちになるのはその時だけというわけではない…みたいなことを話していると、一人が「そう、中学生になったばかりの弟が、そう」「私は今なのに、弟は速い」とか言い出して、なんとなく落ち着いたみたい。

彼らの国のこと、或いは日本に来てからのことが話の中心なのですが、彼らは今、「母国にいた時の自分」でもない、かといって、日本にいながら、日本人と同じというわけでもないという、宙ぶらりん状態。いろいろな国の情報が入りすぎるくらい入ってくる日本の若者たちとは違い、それ故の戸惑いも多いのです。しかも家族と一緒に来ていますから、うちに帰れば全くの母国。

時間が経てば、これは強いですね。家族皆で経験を共にしているのですから、国に帰っても孤立するということはないのです。わかっている家族がいるのですから。

一人で外国に来ていると、母国に戻ったときに、(だれもその状態を知らないので)孤独感に苛まれると言うことはあるものなのですが、そういうことはない、これは強い。ただ、今は、それがプラスにはなっていないらしい。

同じことを経験しても世代の差というのはありますから。また外国にいても同国人とのつきあい、或いは絆が強すぎると、母国にいた時と習慣のみならず、考え方も変わりません。もとより、感受性の差というのもあるでしょうが。

まあ、一歩一歩、迷いながら、戸惑いながら進んでいくしかないですね。母国にずっといて、同じ考えの人たちに囲まれて、いつもチェックされ続けていたら、異国での、こういう経験はできなかったでしょうし。これが「プラス」になるか、「マイナス」になるかは、多分、これからの自分の受け方、考え方次第なのでしょう。

日々是好日

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