さて今回のお目当ての一つ長崎港外の島、伊王島と高島にいった。
9:30分頃、大波止のターミナルに着くと伊王島・高島行の船はなんと11:30分!
おいおい、待ちすぎ!
これだったら美術館を見に行く時間はあるな。
でもその前に、ここは気を取り直してエネルギー補給、缶ビールを買いに行かねば。
近くのショッピングセンターに行くと高~い!
第3のビールが140円代なのは許せない。
せめて120円。
われながら、いつもながら、せこいと思いつつも、酒のためなら妥協をしない。
繁華街まで歩いて行った。
そして2軒目でやっと納得できる値段だったのでビール1本と第3のビール2本買った、
そして大波止に戻ると、うむ、いかん!
美術館にいくにはちょっと時間が足りぬ。
それでうどんを食べたり、ビールを飲んだり、港を散歩したりしてして過ごした。
これは咸臨丸だったか観光丸だったか・・・
多分観光丸。
といっても勝海舟などのゆかりの昔の咸臨丸や観光丸ではない。
ハウステンボスが復元した船。
長崎の港によく似合う。
こちらは相変らず人気の軍艦島クルーズ。
客でいっぱいだった。
何年か前に行ったので今回はパス。
というか隣の高島で軍艦島(端島)の写真を撮りたかったのだ。
こちらは出島。
にぎやかになったけど昔はただ岸壁があるだけだった。
今は長崎駅が終着だけど、昔は次の駅があった。
それが長崎港駅。この出島だった。
でも出島も終着駅ではなく、次の駅があった。
それは上海。
出島で船に乗り換えて上海に行った。
というわけで当時の長崎市民にとっては東京や大阪は遠い遠いところだったけど、
上海は隣の駅だったのだ。
今も長崎駅から出島までの間に、線路があったんだなぁ~と思わせる風情が残っている。
こちらは長崎駅の正面の山。
中腹の大きな、長い建物が多分、最初の日に泊まったホテル「にっしょうかん」
バイキングは充実してたけど、呑み放題コースは値上がりしてたホテルだ。
間もなく出航。
軍艦島ツアーほどではないけど思って以上に客が乗ってた。
そしてほとんどが外国人だった。
軍艦島ツアーは船内放送や無料ボランティアの人達の丁寧な案内があるけど、
こちらは普通に客を運ぶ船、観光案内はない。高速でターミナルを遠ざかる。
すぐに右側に見えるのが大浦天主堂やグラバー邸(真ん中)やリンガー邸(右上)。
観光案内がないので旅行者は気づかないかもしれない。
高速船はますます調子に乗ってスピードを上げる。
ここはゆっくりのほほんと昔の大航海時代の雰囲気を味わってもらいたいところだけどね。
長崎の港を出ると、高鉾・・・鼠島・・・神の島・・・香焼・・・伊王島・・・高島・・・端島(軍艦島)と島が続いている。
江戸末期から明治にかけてたくさんの外国人が長崎に来て、「世界一美しい港!」とたたえた景観が続く。
*あの「オブローモフ」の作者ゴンチャロフもプーチャンチンの一行とともに来て「日本渡航記」を書いている。
ちなみにオブローモフはどうしようもないぐうたら人間。
高校時代に読んだけど、まるで自分を見てるようだなぁ~なんて思った。
その後このオブローモフのようにどうしようもない人生を送って今に至っている。
ところでこの島は鼠島。
昔は夏には海水浴場になった。
小中学生の水泳教室も開かれていた。
一度だけ参加したけど、泳ぎはまったく上達しなかった。
きっと教え方が悪かったか、この鼠島の環境が悪かったか、
原因は定かではないけど・・・
でももう今では鼠島は埋め立てられて陸続きになっている。
これは高鉾。
帽子のような形の島でよく目立つ。
ゴンチャロフはこの島を確か「パッペンブルグ島」と書いていた。(意味不明)
この(右側の)断崖からキリスト教の宣教師が突き落とされて殺された。
この話を聞いて、どうせ殺すのならわざわざ、しんどい思いをして上まで登らなくても首をはねたらいいじゃない?と思ったものだけど、そこには棄教させて命を助けてあげたいという、役人の善意もあったのだろう。
そしてこんな善意がしばしば残虐な刑をすることになる。
さらにそれに慣れると、次には残虐を楽しむようになる。
根っからの悪人ならこんな面倒なことはしない、すぐに首をはねる。
独裁者もたいてい小心、臆病な人間だ。
向こうの島は「神の島」
だいぶ前から陸続きになっている。
このように長崎郊外の島や岬にはよく教会があり、独特の景観が作っている。
そして島や岬に住んでる人はほとんどカトリック教徒だ。
今はどうだか知らないけど、長崎とその近辺には日本の4分の1のカトリック教徒が暮らしている。
ところでこの「神の島」の神はきっとキリスト教の神ではないだろう。
そうだったら江戸時代とっくに島の名前は変えられている。
ここには神功皇后の伝説もあるらしいのでそこら辺から来た地名だろう。
防波堤の風景が痛々しい。
神の島の次は香焼。
今は陸続きになり三菱重工の大きなドックがある。
(写真はパス)
こうして「世界で一番美しい港」はあちこち傷だらけ。
昔の港を知ってる人間には痛ましい景観ではある。
香焼を過ぎるとこの高速船はますます気合を上げて、調子に乗って、スピードをあげて、すぐに伊王島が目の前に迫ってくる。